マツダ ニューファミリア 1000バン
2ドア デラックス(BPBV)
1968~69年式
長野県松本盆地にて 2015年1月5日撮影
前回紹介のシビリアンよりよりヒドイ、凄まじい埋もれ方をした2代目ファミリアを発見しました。
車内には物が積まれていることから、元物置車だったということで、どうやらここはかつて耕作地だったということが窺い知れます。しかし、それも今は昔。何らかの理由で耕作が放棄されてからかなりの年月が経過しているのか、もはや耕作地だったという面影はどこにもなく、ただただ荒れた土地が広がっているだけでした。
真夏になると完全に草に埋もれてしまうのでしょう。真冬でも完全に埋もれてしまうのも、もう時間の問題かもしれませんね。…なんだか、地球から人類がいなくなった後の地球の様子というか、このディストピア感が堪りませんなァ。
現役を退役した一部のクルマは、オーナーの手によって物置にされ、そしてそのオーナーも居なくなると、物置からも退役し、そして放棄車両として新たなステージへと進んでいくのです。
現役からいきなり解体されたり、物置になってからオーナーの手によって解体されたり、いきなり箒車両になったり、かと思えば熱心な人に引き取られて現役復帰をしたり…草ヒロが辿る道というものは色々ありますが、今回紹介した『現役→物置→放棄』というサイクルを辿っている草ヒロが、一番草ヒロらしいのかも知れませんね。そして撤去されることもなく、自然に侵食され土へと還る…というのが、天寿を全うした草ヒロ、ということになるのでしょう。
この儚さが草ヒロの大いなる魅力を形成していると思われます。
さて、今回紹介するのはあのファミリアだけでもいいのですが、ここはひとつ、もう一台紹介しましょう。
マツダ ファミリア 1000バン
2ドア デラックス(BPBV)
or
マツダ ファミリア 1200バン
2ドア デラックス(BTAV)
1969~70年式
長野県松本盆地にて 2015年1月5日撮影
同じ2代目前期のファミリアです。
…しかし、全く同じというわけではなく、先に紹介した方はサイドマーカーがオーバル型の最初期型(前期の前期型)、こちらはサイドマーカーが角張っている前期の後期型です。
1台目の割とすぐ近くにいましたが、こちらは先程のファミリア程荒れた土地にいるわけではなく、全体像が見えていますが、それでもかなり荒廃の道へと進んでいるようにも見えます。状態はこちらの方が悪いですし…。
実はこの個体は2度目の撮影なのですが、初発見した2014年の4月時点ではここまで土地は荒れておらず、サイドに回り込めるほどすっきりしていました。ここの耕作が放棄されたのも比較的最近なのかもしれませんね。しかしまぁ、1年も経たずにここまで土地が荒れるとは…なんだか虚しいものですねぇ。