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草ヒロ物語3(7)& 草ヒロ“撤去”物語3(7) 後編

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『草ヒロ物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ物語3』『草ヒロ“撤去”物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ

 

 

 

○ 前回のハイライト ○

 

秘書 「草ヒロが、この世の中でどれだけ害を及ぼしているか、考えたこともないんですか!?」
上田 「そう!草ヒロが存在することで、景観の悪化にもつながるし、割れ窓理論で治安の悪化にもつながる…そしてクルマのバッテリーなどに含まれる有害物質が土壌へと流れだす土壌汚染にもつながるの!」
山中 「とどのつまりなぁ…草ヒロを撤去するななんていうやつらは、この世に害を及ぼしているも同然なんだよ!」
飯田 「…ぐっ…。」
(暴論だが…確かにこいつらの言うことも一理ある…。)
上田 「ほら、なにか言い返してごらんなさい!」
飯田 「…た、確かに…それもそう。…でも、オレたちが楽しむ分にはいいじゃないか!別に俺たちが放置しているわけじゃねぇんだから!」
山中 「ク!エゴイストエゴイスト。…クククッ!…その理論が通るンなら、撤去するのも自由だな。俺たちは撤去することで草ヒロというものを楽しんでいるのだから。楽しむ分にはなんだっていいんだろう?」
飯田 「…うっ。そんなの詭弁だ…!」
(このままでは草ヒロが撤去される…どうにかして反論できないものか…!?)

 

○ ハイライト終了 ○

 

 

前編はコチラ


飯田 「…でで、でも!俺たちには…お前らに“貸し”があるんだ…!」
小布施 「おぁーっ!そうだそうだ!助けてやっただろ!忘れたとは言わせねぇぜ!」
山中 「うぐ…確かにそこを突かれると痛ぇな…。」
秘書 「あれはボスのおクルマでしたから、助けてくださったときは尚更感謝いたしました。…しかし、まさかあの時の子供たちが忌まわしき草ヒロ好き、しかも草研の一味だったとは…。」
上田 「正直ガッカリですよね~。レイレイくん、あたしのタイプの子だったのにぃ~」
(ゴメンヨ~レイレイくん…!)
清里 「え!?…いやぁ~…!…おねーさんにそう言われるのはまあ嬉しいんですけど、僕はスイちゃん一筋に生きてますから!」
笛吹 「レイレイ…!」
上田 「フフフ…そういうトコが可愛いんだよ!でも、草ヒロ好きなんだったら諦めるしかないね…。でも、また会うことを楽しみにしてるよっ!」

山中 「…ってことで、しゃーない!リンゴも水篶さんもそう言ってるし、正直、俺も助けてもらったときは嬉しかったからな。今回ばかりは見逃しといてやらぁ…!」(ククッ…しかし、草ヒロが悪であるということについては反論できなかったようだな…。話を逸らしただけに過ぎん。所詮は、その程度のガキどもだったってワケだ…。ククク…。)
笛吹 「ヤッター!」  清里 「ヤッター!」
飯田 「ありがとうございます。」
清里 「やっぱりこの人たち、いい人たちだったね~。」
小布施 「バカ!こんなのあたりめぇだ!コイツらはいい人でも何でもねぇよ!敵だ!」
山中 「フフフ…あくまで生意気な口を利くようだねェ…メガネの君は。…しかし、貴様のような人間は将来成功するタイプだよ。我々草滅会に是非いてほしい人間だが、草ヒロ好きの時点でそれも無理か…。…でだ!さっき見逃すと言いはしたが、それはどっちか一台だけだぞ!」
小布施 「ハァァー!?」
山中 「ボヤくんじゃねぇ…!そりゃそうだろうが!俺たちが先に見つけてたんだぞ!」
上田 「早い者勝ちってやつだよ!」
秘書 「あなた方が先に見つけていたとしたら、私は素直にここを立ち去りましたが…先に見つけていたので、一台は勘弁してくださいませ。」
上田 「レイレイくん、スイちゃん、あなたたちなら分かってくれるよね?」
小布施 「ゴルァ!清里!笛吹!こいつらの言いなりになるんじゃねぇぞ!?」
上田 
(こいつ…にっくたらしいねぇさっきから!一台は絶対貰っていくに決まってんじゃん!ガキが…。)
笛吹 「…えぇー、でも…。」  清里 「そんな…。」
飯田 「いや、小布施先輩。確かにこの人たちの言う通りですよ。」
小布施 「あんだと!?」
上田 
(おっ…!?思わぬ助け舟か…!?)
飯田 「俺もちょっとハッとさせられましたもん、この人たちの草ヒロに対する考え方。草ヒロはこの世の悪だって…いままで考えたこともなかった…。だけど、草ヒロが何らかの害を及ぼしているというのが現実なわけで…それを気付かせてくれただけでも、大きな収穫…。ここは素直に受け入れて、一台どちらかを選びましょう。」
山中 「いやー!さすがパーカー君!やっぱり話が分かる“漢”だねぇ!凄いイイことを言ってくれたじゃねぇか!」
上田 「パーカー君、あなたのお名前はなぁに…?」
(ふーん、この子もよく見りゃ可愛いかも…)
飯田 「飯田…優吾…です。」
上田 「ゆうごくんか!…ゆうくん!あなた、さすがレイレイくんとスイちゃんのお友達ね!物分かりがいい!」
飯田 「……い、いや…ハハハ…。」
(ゆうくんって…)
小布施 「オイ。…な、なんか、俺だけ仲間外れみてぇーじゃねーか!……フン!…しゃあねぇ!現代の世は、民主主義がトレンドだもんな!…お前らの意見、受け入れてやらぁ!」
山中 「ククク…君もそう言うと思っていたよ…。じゃあ、どれを選ぶ?」
笛吹 「ゆうくんが選んでいいよ!」
清里 「うんうん!ゆうが選びな!草ヒロのことはゆうが一番よくわかってるしね!」
飯田 「先輩…いいんですか?」
小布施 「あーもうなんでもいい!…どうせ俺が選ぶって主張したらまたヘンな空気になるだろ!」
飯田 「…じゃあ、郵便車で。」
(一応自覚はあるんだな…)
山中 「分かった。じゃあ、俺たちはサニーを撤去する。取り敢えず郵便車は見逃しといてやるよ!」
飯田 「ありがとうございます。」
小布施 「敵に感謝なんかすんじゃねぇ!」
山中 「んじゃ、俺たちはもうサニーの情報は記録してあるから、ここからドロンさせてもらうぜ!」
小布施 「あぁ、とっととどっかいきな!オメェらみてぇなやつの顔なんか、二度と見たくねぇや!」
山中 「こっちだって願い下げだぁ!」
笛吹 「でも、残念だったな~。せっかくおねーちゃんと仲良くなれたと思ったのに…」
清里 「ねー。面白い人たちだと思ったのに…」
上田 「みんな、元気でいるのよ!あたしのことなんか忘れちゃいなさい!」
(あ~レイレイくぅん……でも、これも使命…!もともとレイレイくんはスイちゃんのモノなんだし、諦めがついて逆にいいわ!もう!)
清里 「いいえ、忘れませんよ!これも思い出の一つ、ですから!」
笛吹 「わたしたちに草ヒロの見方を教えてくれた人だもんねー、ゆうくん!」
飯田 「…あ、お、おう。そうだな…。」
小布施 「まーた俺だけ意見が違うみてーじゃねーかーっ!!」
山中 「そいじゃな!クルマには気ぃ付けろよ!」
上田 「今度こそじゃあね~!」
(やっぱりあのクソメガネ野郎以外、みんないい子たちだなぁ~。さすが未来を担う高校生!)
秘書 「それでは、出発しますよ!」
山中 「ハイハイサー!」  上田 「ホイホイサー!」

 
バムッ!!ダダムッッ!!!

ウブッ!!…ブロロロンム!!!

 

…その後、『前編』で登場した草ヒロ:サニーバンは撤去されてしまったそうな。
 

 

ストリートビューより、“その後の様子”

フロント側

 

リヤ側

 

草の多い時期に撮影されたため、少し見づらいですが、錆びた掘立小屋の傍ら、画像中央付近に立っているスパイラルタイプのポールの傍らにサニーがいました。

『前編』でご紹介したサニーの画像と見比べてみると、キレイサッパリ撤去されたことが分かりますね?

草ヒロぼくめつ会の輝かしい活動、これからも応援よろしくお願いいたします。

 

つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』~手下チーム(?)編~のみ読みたい方はコチラ)

つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』を通して読みたい方はコチラ)

 

 

 

小布施 「……フン!なんだアイツら?形勢不利と分かりゃトンズラか…。…な、俺の言った通りロクな人間じゃなかったろ?」

飯田 「まさか草滅会だったとはね…。驚きましたよ。」

清里 「でも“やくざ屋さん”じゃないだけまだよかったじゃないですか~。」

飯田 「…ま、それもそうだけどな。」

笛吹 「…っていうかゆうくん。“うさめつかい”って知ってたんだ。」

飯田 「草滅会な。くさ・めつ・かい。…草ヒロ好きの間では草ヒロを次々と撤去していく憎たらしい存在として有名だよ。」

笛吹 「ふーん。そうなのねぇ~。でも、案外悪そうな人じゃなくて良かったじゃん。」

飯田 「人は見かけによらないってだけだけどな。」

清里 「結局あの女の人もボスじゃなかったみたいね…。」

笛吹 「…ってことは、誰がボスなんだろ?…やっぱり、一番えばってたツルッパゲの人かなぁ。」

飯田 「アイツもアイツでボスって感じの雰囲気ではないと思ったし、奴等の話を聞く限りでは、アイツはボスじゃないだろう。」

小布施 「あの三人の中では一番リーダー基質ではあるだろうけど、ボスって感じの威厳はなかったよな。今回姿を現さなかっただけで、どっかにいるんだろ。」

飯田 「博士たちだったら何か知ってるかも知れませんね。」

小布施 「だな。」

笛吹 「いやーでも、ボスってどんな見た目なんだろ~。」

清里 「なんかアニメとか映画に出てくるような、中折れハットを被って葉巻吸ってて、ハードボイルドな感じのシブ~いオジサンなんじゃないの?」

笛吹 「悪の組織のボスと言えば、そういう感じの見た目だって相場が決まってるもんね~。」

飯田 「オイオイ…そんな絵に描いたようなボスが本当にいるわけないだろ…。」

清里 「でもそんなこと実際に見て見なきゃ分かんないよぉ~。次会うのがちょっと楽しみだな~。」

笛吹 「またあのおねーさんにも会いたいしね!」

飯田 「オイオイ、会う前提みてぇになってるけど、そう簡単に遭遇はしねぇだろって…。ま、今回みたいに草ヒロの撤去を阻止できるのであれば、またお目にかかりたいところだけどな。」

小布施 「おい!そんな話はあとあと。まず草ヒロを見ようぜ!」

 

 

 

No.030
マツダ B360郵便車
1963~65年式
用途:物置 場所:果樹園(ブドウ)
○ 小布施メモ ○

マツダの軽自動車、B360の郵便車の草ヒロだ。飯田によると、中期型で年式は1963~65年らしい。

フロントグリルの形状で分かるっつってたけどよォ…俺はここまで近寄ってねぇから分からなかっただけだ!近付いてたらそんなことくらい分かってたからな!…というのも、近付くには敷地の中に入らなければならねぇから、俺は農道から遠目に観察したのだ。

しかし、草ヒロというものは何も近寄らなければ楽しめないというわけでもない。逆に、遠くから草ヒロ全体を俯瞰してみたり、草ヒロとその周囲の風景を併せて見ることで新たに気付かされるポイントや感動も多いのだ。

ほら、飯田が撮ったこの写真からでは分からないが、俺が見ている所からだと、ボディが真っ二つに割れそうなのが一目で分かるぞ。

俺のおかげでこの草ヒロは、草滅会の魔の手から一時的にでも逃れることができたわけだが、こんな状態では老い先長くはないだろう。大雪でも降れば、ポックリ逝ってしまうのではなかろうか。

P.S.

飯田から奪い取ってやった草ヒロメモだが、やはり思った通り中々面白いなこれは。書いてみると具合がいい。

俺は書き物が好きな性分なのかも知れないな。これはもう少し、書かせてもらうぜ~?

 

飯田 「こりゃ凄いよな~。」

清里 「なんだか草ヒロの王者な風格が出てるよね~。」

笛吹 「何十年もこの地に生きてきた、長老さんみたいね!」

飯田 「これはB360と言って、マツダの軽自動車なんだ。この赤い色と荷台のマークから郵便車だと分かるな。全くこんなクルマがいるとは…山梨は魔境だな!」

笛吹 「郵便車の草ヒロって、そんなに珍しいものなの?」

飯田 「そうだ。だってただでさえ生産台数が少ないのに普通は使い終わったら解体されるもんなんだ。」

清里 「じゃあ、なんでこのクルマは今も残ってるのさ。」

飯田 「それはだな、おそらくオーナーの知り合いが郵政省の職員か何かで、払い下げたものを譲ってもらったんだろう。そのへんはあんまり詳しくはないから何とも言えないけどな。」

清里 「ふーん。ゆうの知識には毎回驚かされるよね。」

 

小布施 「おい飯田!ちょっとこっち来いよ。」

飯田 「はい?」

 

小布施 「…コイツ、ここまでボロボロだと崩れて土に還るのも時間の問題だろうな…。」

飯田 「そうですね。草滅会に撤去されるまでもなく、数年で崩壊してしまうかも知れませんね。…しかし、そんな諸行無常を感じさせるのが、草ヒロの醍醐味の一つでもあるんじゃないでしょうか。」

小布施 「その通りだな。」

笛吹 「…ゆうくん、なんか凄いこと言ってるねぇ。」

清里 「諸行無常とか言って…。悟り開いてるね~!」

飯田 「これが草ヒロの楽しみ方の一つなんだよっ…!」

清里・笛吹 「お、おう…。」

飯田 「草ヒロは勿論見ても楽しいけどなぁ、草ヒロの過去や未来のことについて思いを馳せるのも楽しいもんなんだぜ?」

小布施 「見えないところは頭の中で補填するってわけだな。どんな趣味でも、視覚以外の所でも楽しんだりするだろ。背景について考えるのはなにも草ヒロだけに限ったことじゃない。」

笛吹 「なるほど~。多趣味なオブさんが言うと説得力が増しますね…。」

清里 「クルマだけじゃなくて、カメラや鉄道とかスキーとか…他にも色々趣味をもってるって言ってましたもんね!」

小布施 「おうよ!趣味はたくさんあればあるほど世界が広がるってやつだ!…ま、あんまり手を広げ過ぎても、力の入れようが弱いと全てが浅薄になっちまうから難しいところなんだけどな。」

清里・笛吹 「ほほー…こりゃ勉強になりますねぇ…メモメモメモ…」

小布施 「ほんとお前らなァ~!…まあでも、趣味が少なくっても一つのことに集中して深く深く追求して行きゃあいいから、気にすることもねぇ!」

清里 「ぼく、お料理ぐらいしか趣味ないけど、ブッセさんの言うとおりに、もっと深みを目指してみますよ!」

小布施 「そうだぞ!その意気だな!」

笛吹 「わたしも、お菓子作りやテニスぐらいしか趣味ないけど、オブさんの言うとおりに、いろいろ手を広げるのではなく、もっと入れ込んでみますよ!」

小布施 「そうだな。」

清里 「そして~?」  笛吹 「そして~?」

小布施 「そして…?」

清里 「スイちゃんにもっと喜んでもらえるようなお料理作るんだ!」  笛吹 「レイレイにもっと喜んでもらえるようなお菓子を作るんだ!」

清里・笛吹 「ねー!」[手を取り合う]

小布施 「あのねェ…!…うーん、やっぱりー、コイツらにはアドバイスしなきゃよかったかなー。」

清里 「えぇ~!なんでですか~?ブッセさん!」

笛吹 「わたしたち何か変なこと言いましたか?オブさん!」

飯田 「…なんにも分かってねぇんだな…お前らは…ハハハ…。」

小布施 「だぁーっ!もういちいち腕をつかんでくるなァ!うっとーしぃ!行くぞ!もう!」

清里 「ねぇねぇ!その前に、みんなで写真撮りません?すっごい草ヒロ見つけた記念と、草滅会の人たちから草ヒロを守った記念ってことで!」

笛吹 「いいね!レイレイ!」

小布施 「はぁー…ったく…。んどくせぇなぁ…。…まあしゃあない。付き合ってやらぁ!」

飯田 「でも、誰かが写らないことにならないか?」

清里 「大丈夫だよゆう!こんなこともあろうかと、僕ね、山梨行くって聞いてスマホ用の三脚持ってきたんだ!だから全員で撮れるよ!」

飯田 「おお、そりゃいいな…!」

笛吹 「さすがだわ~!レイレイ!」

小布施 「…ったくよォ、観光に来たわけじゃねぇのにそんなもん持ち歩きやがって…。」

清里 「と、とにかく撮りましょブッセさん!」

 

 

清里 「はい、並んで並んで~!…んーと…じゃあ、僕はゆうとスイちゃんの間に入るね~。」

飯田 「おう。」  笛吹 「待ってるよ~レイレイ!わたしの隣に飛び込んできて…!」
清里 「はーい!…じゃあタイマーセットすんね~。」
小布施 (やれやれ…ま、こういのもたまには悪くねぇか…ハハ…)

 

カシャ!

 

清里 「どーなったかな~?」

笛吹 「楽しみ楽しみ~!」

 

 

 

 

清里 「イイ感じだね!」

笛吹 「ね!」

清里 「じゃあ、もうちょい草ヒロが入るように撮ってみよっか!」

飯田 「そうだな。これだと人メインで草ヒロが二の次って感じだし…。写真得意な小布施先輩。…この写真どうですか?」

小布施 「あ?べつにいいんじゃねーの。でも他に撮りたかったら勝手にしろい。」

飯田 「は、はい。」(なんか不機嫌だな…)

笛吹 「オブさんあれだよきっと。本当は自分の一眼使って撮りたかったんだけど、三脚を持ってきてないから撮れなくてムスッとしてるんだよ~。こんなスマホのカメラじゃだめだ。一眼じゃないとってね!」

清里 「へへ~そうなんだ~w」

小布施 「おい…!聞こえてるぞ…。もう行ってもいいか?次の草ヒロ?」

清里 「スミマセンスミマセンブッセさん!別に悪口じゃありませんから!」

笛吹 「スミマセンスミマセンオブさん!オブさんのことはほんとうに尊敬しておりますから!」

小布施 「だから調子いいっつってんだよおめぇらはよ!」バシィ!
清里 「あっ!いったーい!」

笛吹 「あーっ!わたしのレイレイに暴力振るった~!暴力はんたーい!」

飯田 「あの…もう、茶番はいいからさっさと撮ろうぜ…?」

笛吹 「あー、そうだね、ゆうくん。」

 

 

 

小布施 「…ってオイ、なにやってんだよおまえら…そこで撮んのか?…俺はそこには入らねぇからな!」

清里・笛吹 「……?」

小布施 「だって私有地だろそこ!許可とってるならまだしも、勝手に入ってるじゃねーか!…さっきから思ってたけどよォ!」

清里 「まったく~!ブッセさんはお堅い人だなァ?」

飯田 「なにも盗るような物がないからいいと思うんだけどな。」

笛吹 「ねー。」

小布施 「フン…!」(こういう軽薄な連中が敷地ン中勝手に入って土地を荒らしていくんだ。…全く…)

 

 

清里・笛吹 「イイェーイ!」

カシャ!

 

清里 「さーて、どんな感じかな~!」

 

 

 

笛吹 「あーっ!レイレイすっごいいい笑顔じゃん!」

清里 「スイちゃんだって~!」

飯田 「オイオイ…お前が手ぇ伸ばすから、やっぱり俺の顔がちょっと隠れてんじゃねぇかよ…。」

清里 「あはは…ごめんゆう。もう一回撮ろっか!…ブッセさんごめんなさい。あと、もう一回だけ!…お願いします!」

小布施 「おう。…別に構わん。」

清里 「ヤッター!ありがとうございます!」 

 

カシャッ!

…シャッ!

 

飯田 (あれ…?…今なんか、シャッター音が二回聞こえたような…。)

飯田 「おいきよ。2枚撮ったか?」

清里 「ん?1枚しかとってないけど?…なに?またなんか写り悪かったの?」

飯田 「いや、なんでもない…。」(空耳か…?)

 

? 「ドォ~ンブロゾォ~…!…哀れ也愚か也…“クソヒロ”好きのクソガキどもめ…!」

? 「コリはいいトコを捉えることができましたでゲスねぇ…ケケケ…!」

? 「ワザワザ、このような“シケたクソ田舎”まで来た甲斐があったというものだ…。…だが早まるなよ?もうしばらくは温めておくのだ。」

? 「ははッ。かしこまりましたでゲス。」

 

飯田 (…?人の気配…?)

 

 

 

 

清里 「よし!今度はちゃんと撮れてる!」

笛吹 「いいじゃんレイレイ!ゆうくん!こんどはちゃんと写ってるよー!…あれ?」

小布施 「おい飯田ァ!」

飯田 「はッ…!」

小布施 「お前なにぼーっとしてんだ?もう腹減って来たってか?…あともう少しだけ頑張ろうぜ~?」

飯田 「いや…別に、なんでもないです…。」(なんか気になるな…)

小布施 「じゃあ行こうぜ!次なる草ヒロを求めて!」

清里・笛吹 「りょーかいデッス!!」ピシッ!!

 

つづく

 

「この物語、そして物語に登場する団体・登場人物は、全てフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。じゃが、草ヒロは実在するから、読者の諸君も探してみるといい。草ヒロの世界が広がるぞい!」
「ぼくたちだけじゃなくて、なんと新人クン達まで草滅会に遭遇していたとは…。驚きましたねコレは。」

「しかも、最初で会ったときは両者ともお互いが敵であることに気付いてなかったのが面白いのう。」

「まあ、そりゃまさか、偶然出会った人が草ヒロ撤去しまくる人間だとか草ヒロ撮影しまくる人間だとか思いませんものね普通。…でも、小布施くんや飯田君は怪しいということには気づいてましたね。」

「いや、それは別に普通じゃないのかのう。スーツ着た三人組、しかも内二人はサングラスをかけちょるなんて、普通に考えたら特異的というか、ヘンとは思うじゃろう。」

「…ええと、つまりそれは…清里くんと笛吹さんが、アホの子というか…少々楽観的すぎたということで…?」

「まあそうじゃろうな。だからといって、ヤツらを責める気にもならんがの。」

「ですね。とにもかくにも、草ヒロを一台でも守ってくれただけでもありがたいことですよ!」

「『無印』も『2』もその展開じゃったが、今回もそうじゃのう。ころころの中では、草ヒロ物語のストーリーフォーマットはこれで決まり!状態なのかも知れんのう。マンネリが心配じゃて。」

「……。」


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