『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語4』の登場人物について知りたい人はコチラ
前回のおはなし
秘書 「信濃様。景色が開けてきましたね。この先が穴場と思われる一帯でございますよ。」
ボス 「そうかそうか。ククク…楽しみだ。」
山中 「塩尻支局の連中がここを探索していなければ、たくさん見つかりそうな雰囲気ですよね、ボス!」
上田 「大体草ヒロがいる場所っていうのは、何度か探索を行ってきたら分かってくるものですね~!」
山中 「クックック…。やっとリンゴも“草ヒロの匂い”というもんが分かってきたかァ!草ヒロ探索の効率も上がるから、今後に期待だな!」
上田 「ありがとうございます!でも、まだまだ山中さんやボスや水篶さんには敵いませんよ!」
秘書 「いえいえ。大変恐縮にございます。」
ボス 「ところで、塩尻支局の連中が探索していなければと山中は言ったが、この辺はさすがに少しは探したことがあるだろう。」
山中 「ですよねぇ。地図を見れば畑があるってわかりますし…。」
ボス 「草滅会が局を制定してからのはまだ十年も経過していないから、もちろん全ての道をくまなく探索しているわけではないだろうし、探し落としもあるだろうがな。」
上田 「だから、レオーネも見つかったんですよね!」
ボス 「そういうことだ。」
山中 「確かに、局ができてまだそんなに年数は経っていませんし、しかも支部が制定されたのも平成に入ってかららしいですし、現在存在する支部が全てできたのも21世紀に入ってからですもんね!」
上田 「それってあたしが生まれた頃は、まだ全部の支部がなかったってことですよね~。なんか不思議な感覚だなぁ。」
山中 「へぇーっ。リンゴは若いなァ~…って!なんか、レオーネを見つけた時から同じようなことばっか言ってるような気がすんだけどよォ!?」
上田 「アハハッ!」
山中 「あーっ、リンゴてめぇ、若さ自慢ってやつかァ~?こりゃぁ!?wwwwww」
上田 「違いますって~笑」
秘書 「フフフ…。」
ボス 「まぁまぁ山中。よいではないか。こうした草ヒロを嫌う若い者たちが増えて、我々の後を引き継いでくれれば草滅会も今後も安泰なんだ。」
山中 「まあ、そうですけどね。」
秘書 「………!…信濃様!草ヒロを発見いたしました!眼下の畑でございます。」
ボス 「そうか、分かった。」
上田 「さっそく草ヒロだなんて…やっぱりここは穴場だったんですかね?」
山中 「そうかもな!良かったですね、ボス!」
ボス 「ククク…水篶よ。礼を言うぞ。」
秘書 「大変恐縮でございます。信濃様のお役に立てて大変光栄に思います。」
…………
No.032
マツダ ボンゴ
ジャマレベル:★☆☆☆☆(道路とは一切干渉しない、一段高くて一段低い畑の隅に放置されているため、そこまで邪魔な存在ではないな。)
景観悪レベル:★★★★☆(交差点を曲がるときに誰もが見ることとなる案内標識のすぐ脇に放置されている。こうなれば、否が応でも汚らわしい草ヒロが目に入ってきてしまう。これは景観破壊以外の何物でもない!)
貴重レベル:★★★☆☆(初代ボンゴは年式こそ古いものの、バンボディは意外と発見や撤去の報告例が多い草ヒロだ。)
総合評価:邪魔な存在とは言い切れないが、景観を乱している以上、撤去するほかはない!
ボス 「初代ボンゴのようだな。」
上田 「にしてもすごい場所に放置されていますね…」
山中 「だな。畑の端っこの崖だから、下の大通りからも姿が見える。まるで晒し首みてぇだな。」
秘書 「哀れな草ヒロの姿でございますね。」
上田 「とりあえず下へ行って、フロントを見てみましょうか!」
ボス 「そうだな。」
…………
ボス 「むむむ…まさか、ちょうど交差点を曲がるときに標識を見ると草ヒロが目に入るように置かれているとはな…。」
山中 「まったく巧妙な罠というか汚らわしいというか…見たくないものを無理やり見せられるのは堪ったモンじゃねぇっすよ!」
上田 「それに、どこに置いてあるか一発で分かってしまうような写真が取れてしまうから、ろくに加工もしない草ヒロ好きがネットに画像をアップでもしたら、これに目を付けた草ヒロ好きがわんさか集まってきて、周囲の治安も悪くなり、周辺住民にも大迷惑が掛かりますよ!」
秘書 「仰る通りでございます。これは今すぐにでも撤去しなくてはなりませんね…。」
ボス 「しかし…長野支部、特に塩尻支局の連中は一体何をやってたんだ?…ネットを漁れば、どこかの誰かがそうしたように、標識に大した修正を加えていない、あるいはまったく修正を加えていない画像は出てくるだろうし、そこから場所を特定するのは容易のはずだ。」
山中 「まあ、それを言ったら今まで画像を見つけられなかった俺も、草ヒロ好きを跋扈させる一助となっていたということになってしまいますね…。」
ボス 「うむ。私も、草ヒロ好きがアップする画像には、これまで以上に注視する必要があるようだな。。。」
上田 「とはいえ、写真から特定せずとも、国道沿いにいるわけですから、ちょっと探索すれば見つかりそうなものですけどねぇ。」
山中 「確かに。もしかしたら、ずっと保留にしていた物件なのかも知れねぇな。」
つづく(『草ヒロ“撤去”物語4』を通して読みたい方はコチラ)
つづく(『ボスパート』のみ読みたい方はコチラ)
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
ストリートビューより…“その後の様子”
これは撤去前の様子です。
撤去後が…
こちらになります。
案内標識の傍らに置いてあった邪魔な草ヒロは、草滅会の手によって葬り去られました。ボンゴだけでなく、脇にあった荷車も同様です。
そのおかげで、標識の周りもスッキリし、交差点を曲がる際に草ヒロによって惑わされることなく、安全に運転することができるようになりました。
空も晴れ渡り、まるで草ヒロの撤去を祝福してくれるかのようです。
「この物語と、この物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無い。」
「しっかしこんな堂々と放置されていた草ヒロ、よく今まで撤去されていませんでしたねぇ。」
「またその話か。…だからな、長野支部や塩尻支局の連中が今まで気付いていなかったか、或いはいつか撤去しようとマークしていたかのどちらかだと、結論が出ただろう。」
「申し訳ございません、ボス!確かにくどい質問だったかも知れません!」
「そう思うのなら、この話はこれで終わりだ…!」
「しかし、お言葉ですが…ボス、やはり納得できないことが…」
「まだ何かあるというのか…!?」
「果たして、国道沿いにあるのに、俺たちが見つけるまで発見できなかったということがあるのでしょうか?…また、こんな景観悪になるような草ヒロなんか、見つけたその日に撤去してもいいくらいだと思うのですが…」
「うむむ…それは知らん!!…悪いがな、連中に直接聞いてみるしかない。」
「そうですか…」
「あぁ、そうだ。このような考えはどうだろう?…発見はしたけれども、あえて放置しておいて、草ヒロ好きの輩がなにか問題行動を起こすまで待っていて、その瞬間を捉えて草ヒロ好きのイメージを悪化させる…こういう狙いがあったのかも知れんぞ!」
「なるほど!確かにその可能性もありますね!さすがはボスです!………まあ、草ヒロが及ぼす悪影響から町を守ることを第一に考えている優秀な会員であれば、真っ先に撤去するとは思いますが…」
「……。…なんだなんだ、今日の山中はやけに突っかかってくるな。」
「いいえ!とんでもございません!ボス!…ただ疑問に感じたことを口にしているだけであります!独り言ですので、そこは何卒…」
「……。」
「そうだボス、本編でポロっと口になさった、『どこかの誰か』って、一体誰なんです?」
「…………。…そのような画像をブログにアップしないように、気を付けなければならないぞ。我々も。」
「俺たちは大丈夫っすよ。今回だって、ちゃんと加工したんですから!それに、もう撤去しましたしね。これで周囲の治安が悪くなるようなことはありませんよ!」
「いや。昔の話だ…。」
「昔…?」
「だから、暇を見つけて画像を差し替えていかねばならんのだ。」
「いったい誰に話してるんですか…?」
「自戒だ。」
「……?」