『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語4』の登場人物について知りたい人はコチラ
前回のおはなし(『ボスパート』のみ読みたい方)
前回のおはなし(『草ヒロ“撤去”物語4』を通して読みたい方)
山中 「レオーネときて初代ボンゴときて…やはりボスのお目論みの通り、この一帯は穴場のスポットだったようですね!」
秘書 「勿論でございます。信濃様の心眼に狂いはございませんからね。」
ボス 「フフフ…今回は調子がよさそうだ…今度は何が見つかるだろうかな。」
上田 「ボスのお眼鏡にかなうような草ヒロか、撤去し甲斐のある汚らしい草ヒロ・レアな草ヒロだといいですね!」
ボス 「うむ。…そこまで思い通りにいくかは分からないが、まだ何か見つかりそうな気がするのだ。この一帯には、草ヒロの匂いを感じる。。。」
秘書 「信濃様お得意の“草ヒロ臭感知”で、ございますね。」
ボス 「…“あのお方”が会得なさっていた草ヒロ発見術とは比べ物にならないがな。。。」
上田 「“あのお方”…山中さんもまだお会いしたことがないんですよね。一体どんな方なのでしょうか…。」
山中 「『沿革と掟』を読む限りでは、言葉では表すことの出来ないくらいすげぇ伝説的な人みたいだけどな。」
ボス 「…そうだ。なにせ、草滅会の発足のきっかけとなり、そして私の心の支えともなってくれたお方だ。“あのお方”には、感謝してもしきれない。草滅会をここまで育て上げてくださった、草滅会生みの親/育ての親のようなお方でもあり、現役の頃は第一線で草ヒロ撤去に尽力なさった功労者でもあるお方だ。」
秘書 「…左様でございますね。。。」
ボス 「お前たちには申し訳ないが、そう易々と会ってよいようなお方ではない。“あのお方”には、お前たちにも言えないような秘密があるのだ。私だけが知っているような秘密をな。…だが、いつかはお前たちにもお見えになってくださる時が来るかも知れない。」
山中・上田 「…。」
秘書 「私も、信濃様にお仕えする秘書ということで、数年前に一度、ありがたいことにお見えになってくださりましたが、それはそれは荘厳な雰囲気をまとった方でございましたよ。」
山中 「なるほど…。」
上田 「軽口を叩いてしまい、申し訳ございませんでした!ボス!」
ボス 「いや、分かってくれれば別によいのだ。…とにかく、私は世のため人のために草ヒロ撤去に尽力しているが、“あのお方”のためにも働いているようなものだ。一か月に一度の草ヒロ発見/撤去状況の報告に伺い、恐る恐る報告をしたのちに“あのお方”が満足される様子を見せてくださると、どういうわけか心底ほっとするのだよ。。。」
山中 「……。」(さすがのボスも、“あのお方”の前ではやっぱり緊張するみてぇだな…。)
上田 「……。」(ボスがさっきポロっと言ってたけど…。いつか…あたしもお目にかかれる時が来る…のかな…)
ボス 「………おお!お前たち、やはりこの一帯にはまだ草ヒロがいたようだぞ…!」
上田 「…ほっ、ホントですか!?」
山中 「えー……お!…おぉー、アレですか!」
秘書 「流石でございます。信濃様…!」
上田 「馬鹿デカい*******の広告看板の傍らにありますね。」
山中 「ボディは小せぇけど、あの看板のおかげでかなり目立ってるな。」
ボス 「確かに。どうやら**線の車窓からも丸見えのようだが、これもよく今まで塩尻支局の連中に見つからなかったもんだ。」
上田 「…本当に穴場だったんですね~。」
No.035
スズキ エブリイ
ジャマレベル:★☆☆☆☆(道路とは干渉しないが、道路の近くということでこのレベルが妥当か。畑自体は広大だ。)
景観悪レベル:★★★☆☆(鉄道の車窓からも非常によく見える広大な畑に置かれている上に、傍らに設置された巨大な広告看板のおかげで草ヒロにも注目が集まりやすい。これは遠くから鉄道に乗って旅行に来た者どもを失望させるには十分だ!しかし、状態がそこまで悪くないのと、ボディの大きさが小さいため景観悪レベルは星3つといったところか。)
貴重レベル:☆☆☆☆☆(初代エブリイは掃いて捨てるほど草ヒロになっている身近な存在だ。)
総合評価:観光客からの目にも止まりやすい、見苦しいことこの上ない草ヒロは、当然ながら撤去するに限るな!
山中 「ふーん…。車種は何の変哲もないエブリイだったか。」
上田 「これじゃ草研の奴らはあまり悔しがらないでしょうね~。」
ボス 「…だが、景観は明らかに乱している。撤去し甲斐は十分にあるぞ。」
上田 「それはまったくもってボスの仰る通りですね!*******の大看板のそばにありますから、電車に乗っていれば否が応にも見えてしまいますものね…!*******のイメージも、この草ヒロのせいで堕ちてしまいかねませんし、これは撤去するしかないですよ!」
秘書 「遠くからだけでなく、近くで見ても汚らしいですよ。割れたガラスの補修跡が貧乏臭くて見苦しくてこの上ありません。」
山中 「こういう地道なゴミから撤去することで、大きな効果を得られるというモンっすよね。」
ボス 「うむ、全くだ。…ということで、満場一致で撤去で決定だな。」
山中 「ま、いつものことですけどねwww」
上田 「アハハーそれは言えてますね~。」
ボス 「なんたってこの世には、撤去する必要のない草ヒロなどひとつも無いのだからな…!ククク…!」
秘書 「『草ヒロは是即ち全て害悪!この世の秩序を乱すもの、それが草ヒロ!』…でございますからね。」
山中 「『草ヒロを生かしておかば、悪を呼び込む。禍(わざわい)を呼び込む。』」
上田 「…『草ヒロを除すれば、福が舞い込み世に光が差す…』」
ボス 「うむ。……『我々は、草ヒロを撲滅するために!』」
秘書 「我々は、この世から使命を帯びた…!」
上田 「そうだっ!草ヒロは撲滅されるべき存在!殲滅されるべき存在!」
山中 「この世から草ヒロをなくすために!我々は今日も頑張るぞ!」
一同 「……撲滅だ!撲滅だ!撲滅だ!…草ヒロぼくめつ会、万歳!!草ヒロぼくめつ会、万歳っ!!!」
………シーン………
ボス 「ハッハッハッハ!実に愉快だ…!ククク…クク…ク…。………。」(…この格言は私の青春の一ページ。“あのお方”が、すべて御造りになられた…。“あのお方”が唱えられた格言や箴言をひとたび口ずさめば、すぐさま気力や勇気が湧いてくる…。本当に素晴らしいことだ…。この世から草ヒロを全て無くすまで…私はくたばってはいかぬ…!いかぬのだ…!)
つづく(『草ヒロ“撤去”物語4』を通して読みたい方はコチラ)
つづく(『ボスパート』のみ読みたい方はコチラ)
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
ストリートビューより…“その後の様子”
巨大広告看板の近くで鎮座していた草ヒロは…
ほらご覧の通り。見事にして撤去されました。
撤去後のストリートビューがなかったため、航空写真で失礼します。
しかし、看板の目前には、草ヒロのようなものが何もないことはしっかりと確認できることでしょう。
「この物語と、この物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無い。」
「今回は“あのお方”の話が結構ありましたけど、これは何かの伏線ですかね?」
「さあな。…だがな、ちょいとメタ的な話をすると、“あのお方”は『草ヒロ“撤去”物語5』で登場するかも知れないし、『草ヒロ“撤去”物語6』の展開に大きく関わってくるキーパーソンとなるかも知れない、だそうだ。」
「かも知れない…ですか。。。」
「うむ……。」
「しっかし、今回の話の終わり方もちょっとばかしいつもと違うような…なんだか最終回のような、しんみりとした感じでしたよね。」
「そうだな…。」