『草ヒロ物語』について知りたい方はコチラ
『草ヒロ物語4』の登場人物について知りたい方はコチラ
博士 「草滅会の奴ら、ワシらの方を見とらんかったじゃろうな?」
清里 「はい!僕とスイちゃんでシッカリ見てましたけど、ちゃんとハイエースの方をずっと見てましたよ~。」
博士 「そうか。ならいいんじゃが。」
東御 「…でも、音でどっちの方へ行ったかはわかるんじゃないすか?」
助手 「ハハ、確かに…。でも、前へ行ったか後ろ行ったかが分かるだけで、あの先の交差点をどっち向きに曲がったかまでは分からないんじゃない?」
東御 「サァ、どうでしょうかねぇー。耳のいい奴が草滅会にいれば、どっちに曲がったかもわかるんじゃないですか?」
助手 「うーん…。」
博士 「…むむむ。…まあ、なんじゃが、そんなことを今更気にしてもしようがないわ。」
助手 「ですよね。こっちはクルマなんですし、簡単に見失ってしまいますよね。」
笛吹 「そうだたいくん!」
東御 「なんだい綾?」
笛吹 「たいくんってスパイなんだから、草滅会に耳がいい人がいるかどうか知ってるんじゃないの?」
東御 「フフッ。…あー、いるとも。だから見つかってもしょうがねぇかもな~。」
笛吹 「えぇ…やっぱり!?」
助手 「東御くんやっぱり知ってるんじゃん!」
博士 「じゃが、関係ないという結論が出たから問題ない!それでこの話はおしまいじゃ!」
助手 「あっ、スミマセンね博士。…そうそう、博士もこう言ってるんだし、笛吹さんもあんまり心配しないで。」
笛吹 「はーい…。」
ブーブッブ
清里 (あっ、ゆうからLINEだ。なんだろ?)
…………
清里 (えっ、えーっ!?)
清里 (こ、これは…ホントなの…??)
笛吹 「…レイレイ?どうしたの?なんか、すごいビックリしてない??」
清里 「…ん?ううん!?…そ、そんなことないよ。そんなこと!…それよりもね、草ヒロを探さなくっちゃ!」
笛吹 「大丈夫なら、いいんだけど……。わたし心配~。」
清里 「あっ、あそこに草ヒロがいるじゃない!み、見つけられたし、だから大丈夫…。」チラ…
博士 「おっ、清里。なかなかやるのう。確かにあれは草ヒロじゃ。」
東御 「あの草ヒロを見つけてびっくりしたんだろ~?…確かに、いかにも古そうだなぁ。…ん?アレは…よく見えねぇけど、スゲーレアな草ヒロかも知れねぇぞ!」
助手 「へぇーっ!本当!?」
清里 「えっ、そうだったんだ!よかった~アハハ…」(フゥ…何とかごまかせた~…)
――その頃…小布施と飯田は…――
前回のおはなし(『草ヒロ物語4』~小布施パートより~)
飯田 「とりあえずきよに送っときました。まだ確証はありませんが、もう時間がなさそうですので…」
小布施 「うむ。ご苦労だった。清里め…ポカして悟られなきゃいいんだがなぁ…。あの野郎おっちょこちょいなところあるからなぁ。」
飯田 「大丈夫ですよ先輩。やるときはちゃんとやるのがきよですから。それよりも、あの人からの連絡を待ちましょう。」
小布施 「そうだな。」
飯田 「あ。もうきよから返信来た。」
小布施 「やっぱアイツたまげてんだろ?」
飯田 「ですね。信じられないという感じの反応ですよ。…ま、そりゃそうだよなぁ…。」
つづく(『草ヒロ物語4』~小布施パートへ~)
――博士たちは、清里が遠くから見つけた、“ある草ヒロ”の前に到着した…――
東御 「おおっ!これは凄いですよ博士!やっぱりメチャクチャ珍しいクルマで合ってました!」
博士 「そうか。それは凄いのう。それよりもワシはこの朽ち具合が興味深いんじゃが…フムフム…。」
助手 「東御くん、ボクもだけど博士はあまりクルマに興味ないから、ピンと来てないみたいだね。」
東御 「道理で反応が薄いと思いましたw」
博士 「じゃが、そんなに珍しいのであれば、ぜひともその観点でも記録したいところじゃのう。」
笛吹 「レイレイ!なんかさー、あっち行ってみない?」
清里 「い、いいよー!なんかここの丘って、ちょっとウロウロしてみたくなるもんね~。」
笛吹 「それなー!二人っきりでいこいこっ!」
東御 「ちょwwwあいつらw」
…………
笛吹 「博士~!!…こっちにも、草ヒロがありましたよ~!」
清里 「軽トラの草ヒロですよ~!」
博士 「ナヌッ!?」
東御 「おぉ、そりゃスゲーな!…博士!この草ヒロは置いといて、あっちの軽トラをまず見てみましょうよ!」
博士 「うむ。そうじゃな。そうしようか。」
助手 (え~、この珍しいっていうヤツ、ちゃんと記録しとかなくていいのかな~。もしも、もしもこの間に草滅会がやってきたら…。うーん、さすがに心配し過ぎかな…。…でも、やっぱり念のためボクが簡単に記録しとこ…)
助手 (これでよし…)「博士~!待ってくださいよー!」
No.042
三菱 ミニキャブ
1966~69年式
用途:物置 場所:果樹園
○ 笛吹メモ ○
レイレイが見つけた草ヒロがいた、小高い丘を更に奥へと進んでみたら、なんと数十秒で別の草ヒロを見つけちゃった!
もーちょいレイレイと二人で歩いていたかったけど、博士がお手柄って言ってくれたからまあいいかな!
新しかったときは、まん丸お目目で可愛いデザインだったのかも知れないけど、今はライトの周りが錆てクマができたみたいになって、ちょっと怖いかも…?
清里 「早く来てくださいよ~!博士~!」
笛吹 「草ヒロを見つけたと思ったら、更に別の草ヒロがこんな近いところにいたんですよ~!」
博士 「…ほぉー!それはなかなか豪華じゃのう。…確かに草ヒロは密集しているところには密集しているもんなんじゃが、このレベルの草ヒロが密集しとるとは、さすがは長野県じゃのう。」
助手 「クルマを物置にする、という文化が根付いている地域では、近くの果樹園がクルマを物置に使っているのを真似て、自分の果樹園でも物置にしようとする人が出てくるから、草ヒロが一つの集落に一極集中する…という現象が発生するんですよね、博士。」
博士 「そうじゃそうじゃ。簡単な内容じゃが、よう説明してくれたわい。」
助手 「一言余計ですっ!笑」
笛吹 「そうなんですね~。」
清里 「勉強になります~!メモメモ。」
博士 「ホッホッホ。車種の珍しさだけにこだわらんと、草ヒロをこのような形で楽しむのも面白いじゃろ?このクルマはトラックじゃが、物置として使われていたようじゃし、なかなか興味深いのう。」
助手 「あれ…そういえば東御くんはどこへ?」
清里 「あっ?さっきまでいたのに。」
? 「あーあ、ついに見つけちゃったな~。」
? 「ホホー、やっぱりここだったアルネー?」
? 「フフフ…。お約束通り見つけてあげたわよ!」
? 「とっとと諦めるんだね…まったく!」
清里 「うわっ!?」
笛吹 「うええーっ!?」
助手 「そそ、そんなバカな!」
博士 「もう来よったったか!オヌシらめ!」
後編へつづく
「この物語と、この物語に登場する団体や登場人物は、全てがフィクションじゃぞ。実在するものとは、一切関係ないからのう。…ちなみに、マイケルと言えばジャクソンじゃな。」
「…博士!こんなときもダジャレを言ってる場合じゃないですよ!」
「じゃから、この物語と登場人物はフィクションじゃけど、マイケルと言えば、ジャクソン。すなわちマイケル・ジャクソンというわけじゃ。ホッホッホッホ!愉快なこt」
「そういうことじゃないですっ!!…またしても草滅会?に見つかってしまったじゃないですか!…これってもしかして…」
「うむむ…どうも変じゃのう。じゃが、この物語を見る限りでは、小布施たちが裏で動いてくれているようじゃし、きっとこの謎も解明してくれるじゃろう。」
「そんな呑気に構えないでくださいよ~!博士~!」
「仕方ないじゃろ!ワシかて、今からどうにか出来るなら何とかしたいと思っとるわい!じゃがな、“ココ”にいるワシらには、もうこの物語をどうすることもできん。見つかってしまったという事実は変えられないのじゃよ…。」
「…うう…。」