いすゞ ビークロス(E-UGS25DW-S)
1997~99年式
山梨県甲府盆地にて 2019年3月3日撮影
草ヒロアワード2019において、『まだまだ元気で賞』を受賞した個体であるため、見た記憶が残っている方も多いのではないでしょうか。
何やらみょうちきりんな見てくれのクルマですが…車種が分かる方はいらっしゃいますか。
リアには“ISUZU”と書かれてはいるものの、全く古臭く見えない革新的なデザイン…まさか、いすゞが新型のSUVを出したのか…!?
…もちろん、そのようなことはありません。
これはビークロスという、20年以上も昔にいすゞが開発し世に出したSUVです。
総販売台数は聞くところによると2000台にも満たないという…当時から既にキワモノ扱いされていたクルマ。
そのデザインは、現代でも通用する…否、現代のデザインですら陳腐なものに見えてしまうほど未来的で素晴らしいものに仕上がっております。この画像だけでは分かりませんが、フロントやサイドも「そうくるか…!」と言いたくなるほど挑戦的なデザイン。
下半身は全て樹脂製、スペアタイヤはリアゲートに埋め込まれているなど…この画像だけでも明らかに尖ったデザインのクルマだということはお分かりいただけるかと思います。
ビークロスの見た感じの印象は、泥土を蹴散らしながらオフロードを豪快に走るというよりも寧ろ、未来世界の透明チューブの中を浮揚しながら走っているような姿が思い浮かんでしまうものですが、見かけによらず走りはかなり本格的。
“オフロードを走れなさそうでやっぱり走れない”、最近流行りのなんちゃってSUVなど屁でもありません。そこはさすがのいすゞクオリティ。
90年代にSUVブームがやってくる前から本格派RVを扱ってきたいすゞの矜持を感じます。
ビークロスについてついアツく語ってしまいましたが…いすゞが日本における乗用車の販売から撤退した現在、いすゞの乗用車をメンテナンスしてくれるディーラーがない中、未だにこんなに綺麗に頑張り続けているビークロスを見つけておいて、『まだまだ元気で賞』を与えない理由がありません!
よって、オーナーさんへの敬意も添えて、陰ながらまだまだ元気で賞を贈呈した…というわけです。
これからもお元気で!
これ、草ヒロアワード2019の時のコメントのコピペじゃあ…。。。?
おまけ
このビークロスがいたヤードに残されていた、ブリヂストンと横浜ゴムの古い看板。
ブリヂストンは、設立者の石橋正二郎氏の名字に由来しており、石橋を英語で直訳するとストーンブリッヂ(石→stone 橋→bridge)となり、それを語感がよくなるように改変してブリヂストンとしたようです。
このトリビア、中学二年生の時に友達に教えてもらったときはメチャクチャ驚きました笑
『へぇーっ!そうだったんだー!』みたいな感じで笑
また、ヨコハマタイヤの古い看板には必ずと言っていいほど描かれているタイヤのキャラクター。
看板が古くなって色褪せたり錆びたりしてくると、タイヤの顔がホラーの様相を呈することになり、小さい頃トラウマを植え付けられたという方も多いのではないでしょうか。
この看板もご多分に漏れず、錆びて恐ろしげな形相になっており、不敵な笑みを浮かべてコチラを窺っているようで笑
…ちなみにこのキャラクター、スマイレージという名前が付けられており、横浜ゴムと資本関係にあったアメリカのタイヤメーカー:B.F.グッドリッチ社内でデザインされたキャラクターだそうで…道理でバタ臭い顔をしているわけですな。
顔が錆びていない通常の状態でも苦手だという人も多そうです。