スズキ フロンテバン 360
デラックス(LS10)
1969~70年式
長野県松本盆地にて 2015年1月3日撮影
あまり見かける機会が少ない大物車種、フロンテバンのお出ましお出まし~。
デビュー当時発売されていたLC10フロンテとは全く異なるデザインが与えられたフロンテバン。
ただ、全く異なるデザインが与えられたのには訳があります。
バンとしてはスペース効率で不利となるRRレイアウトをLC10が採用したために、LC10をベースにしてバンを作ることはやめ、代わりにFRレイアウトを用いてフェローバンの対抗馬として作ったボンネットバンをフロンテのバンとして売り出したためです。
フェローや巨泉ハイゼットで前例があった角目ライトを採用し、先進性をアピールしました。
バンをベースにエステートなる乗用モデルも作られたそうですが、そちらはバン以上にレアモノらしく、一台も見たことがありません。
さて、こちらの個体についてですが、これは前期型のデラックス。
フロンテバンは1969~73年の4年間にわたって製造されましたが、その短い生産期間の割に顔のバリエーションが豊富で、毎年のようにマイナーチェンジをおこなっていたようです。
フロンテバンは見かける台数が少ないだけに、全ての顔をコンプリートするのは難しいでしょう。
皆さんはいかがですか?
グレードはデラックスと思われますが、タイヤやバンパー、ラジオアンテナから推測できます。
デラックスとスーパーデラックスはメッキバンパーで、スタンダードにはメッキ加工はありません。
また、デラックスとスーパーデラックスはホワイトリボンタイヤを履いています。
そして、スーパーデラックスにはラジオアンテナがBピラーに装備されるため、こちらの個体はメッキバンパーでラジオアンテナなしというわけで、デラックスと判断できるのです。
長年の物置生活により、ボディのシルバーカラーはいぶし銀になり貫禄が出ています。
こんがりと焼かれたような錆も渋みを出していますね。