「草ヒロ物語」を知らない人はコチラへ。
助手 「やっぱこの辺に畑なんてないですよ~。さっきのエブリイが特殊なだけな気がするんですが。」
博士 「草ヒロは必ずしも畑にある訳じゃないんじゃ。住宅街の駐車場とかに放置されているというパターンもあるんじゃぞ。」
助手 「そんなこと知ってますよ~。曲がり形にも、僕は草ヒロ博士であるあなたの助手なんですから。僕が言いたいのは・・・」
見習い 「住宅街に放置されてるのは草ヒロとは言えないってことです!」
助手 「言われたっ!くそっ。」
博士 「確かに草ヒロの原義は“草むらのヒーロー”、要は草むらに放置されたクルマのことじゃが、別に草むらでなくとも、畑や果樹園に放置されていれば草ヒロ草ヒロと言うとる人がいっぱいおるじゃろ。じゃから、住宅街に放置されているのも草ヒロでいいんじゃないかのう。」
助手 「いや僕は、草むらでなくとも、最低限自然に囲まれていないものは草ヒロとは言いたくないですねぇ。」
博士 「ま、その辺は人それぞれじゃろうな。スーパーカーの定義みたいなもんじゃ。しっかし、一々、駐車場の放置車、駐車場の放置車と言うのは面倒じゃろ。やっぱり草ヒロと言うのが良いと思うがのう。」
助手 「それは、普通に“放置車”って言えばいいんですよ。」
見習い 「駐車場のヒーローで“駐ヒロ”とか、コンクリート上のヒーローで“コンヒロ”とか“クリヒロ”とか・・・、アスファルト上のヒーローで、“アスヒロ”なんかが良いんじゃないですか?」
助手 「いや~、あんま語感が良くないよ。」
見習い 「そーですか~?“駐ヒロ”なんか、オレは良いと思うんですけどね~。」
博士 「使っていくうちに変わるんじゃないか。慣れってやつじゃ。」
見習い 「ですよね!博士!」
助手 「・・・あれ、放置車じゃないですか?」
見習い 「お、早速の駐ヒロですか!」
博士 「いやあれは草ヒロじゃ。」
No.002
スバル レガシィツーリングワゴン2.0
TSタイプR4WD(E-BG5)
1993~96年式
用途:遊び 場所:駐車場
博士メモ:このクルマを見ると、ワシもまだ若かったあの頃の記憶が甦る・・・。いいもんじゃのう。。。
博士 「おぉ、これは懐かしいの~。BGレガシィじゃ。ワシがまだ30代だった頃にバカ売れしてたやつじゃ。ワシの友人がこれと色まで全く同じヤツに乗っとって、休日にはよく乗せてもらってアウトドアに出掛けたもんじゃ。ワシのカリーナでは荷物が積めないからの。」
助手 「はい。あの頃はまだ僕も高校生でしたよ。やっぱレガシィと言えばコレですね!」
博士 「古くは無いが、こういう懐かしいクルマだったらまだ良いの。」
見習い 「埃が結構被っているところを見ると、ずっと動かしてないんでしょうねぇ~。バンパーが凹んだり取れかけているのは、ぶつけられたからでしょうか。」
博士 「昔あんだけちやほやされとったクルマが放置され、埃を被って忘れ去られとるなんて、何だか悲しいのう。ま、それが物置として使われていない遊び草ヒロの宿命なんじゃろうが。」
助手 「まあ、オーナーさんはまだこのアパートに住んでいるのかも知れませんけどね。」
博士 「そうじゃな。じゃが、もしそうならば、定期的に洗車しといてほしいもんじゃがな。」
助手 「はい。しかし、こんな所に放置車があるなんて思いませんよ~、普通。流石は博士ですね!」
博士 「いやいや、まぐれじゃよ、まぐれ。適当に走っとっただけじゃ。草ヒロが見つかるのも、大体偶然というものじゃ。まぁ、長年に渡る草ヒロの研究で、“草ヒロの勘”がついとるのかもな。はっはっは。」
助手 「お言葉ですが博士、流石にそれは、研究ばかりしている博士よりも、探索に慣れている人の方が勘が鋭いのではないでしょうか?」
博士 「ム、言いよるのう。まぁ、オヌシにああ言われてちょっと良い気になったかも知れん。」
助手 「全く、博士はお調子者なんですから。」
博士 「なんじゃ、何か言うたか?」
助手 「い、いや、何でもありませんよ~。」
見習い 「・・・じゃあ、そろそろ行きますか!」
博士 「じゃな。」
つづく
「この物語、物語に登場する団体・登場人物はこのワシも含めてフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないぞい。あ、草ヒロは実在するからの、読者の諸君も、探してみてはどうじゃ?」
「博士、今日のは放置車ですよ!」
「いや、これは草ヒロじゃ。」