ゼネラルモーターズ キャデラック エルドラド(E-AE44K)
1993~2002年式
神奈川県中央部にて 2014年12月13日撮影
ロゴを撮影後、少し進んでいくと今度はドでかい放置車両が佇んでいました。
アメリカの“BIG3”の一つである、ゼネラルモーターズが展開している高級車ブランド・キャデラック。そのキャデラックがかつて発売していた最高級のパーソナルクーペがエルドラドです。
その歴史は長く、アメ車全盛期の1950年代初頭に初代が誕生し、「これぞアメ車」と言うべき程の豪勢なデザインで改良を続けていきました。
豪勢なのは見てくれだけではありません。心臓部もアメ車らしさ満点です。初代の時点で5400ccなどという化け物のようなエンジンを搭載していましたが、FMCの度にどんどん大きくなり、6・7代目の時点で最大8200ccのエンジンを搭載するモデルまでありました。流石は「ガソリンが水よりも安い」という噂が立つアメリカならではですね。
ちなみにこれは10代目。
この時期にはアメ車のネームバリューも下がってきており、欧州車や日本車に比べるとかなりマイナーになってきました。また、環境問題に関する討論も盛んになってきた時期でもあるため、4900ccという比較的小排気量(最終的には4600ccにまで下がる)のエンジンを搭載してデビューしました。
アメ車・大排気量・クーペというネガティブイメージ揃い踏みのクルマは、時代がもう必要としていなかったのでしょう。この代を最後に、キャデラックの高級クーペ・エルドラドはひっそりと消えていったのです。
この個体はナンバーこそ付いているものの、塗装のコーティングが剥がれてきているので放置車両でしょう。恐らく、高騰し続けるガソリン代がかさんで維持し続けることが出来なかったのでしょう。
顔に陰がさしているだけに、このキャデラックが物悲しそうに見えてきます。