このシリーズも今日を含めてあと2台。
終盤になってきましたね。
ディーノ 246GT
1968~74年式
魔方陣スーパーカーミュージアム 2014年7月13日撮影
製造はフェラーリ(一部フィアットの関りもあり)が行いましたが、ブランドはディーノです。
スーパーカーマニアの方でもない限り、ディーノと聞いてもピンとこない方がほとんどでしょう。しかし、このクルマが誕生したいきさつは、実はディーノブランドの誕生に深~く関わっているのです。
24歳という若さでこの世を去った、エンツォ・フェラーリの息子であるアルフレード・フェラーリが自力でV6エンジンを開発します。自分の愛する息子が作ったそのエンジンを見たエンツォはとても喜び、「このV6を載せたクルマを作ろう!」と意気込みました。
・・・こうして誕生したのがディーノブランドと、第一号車の206GT。
ディーノというのは、アルフレードの愛称であり、アルフレードが開発したエンジンを載せたクルマを販売するブランドという意味を込めてそう名付けたのでしょう。また、206GTの開発にこぎつけた頃はアルフレード亡き後だったので、愛する息子を形見ともいえるクルマに投影させるために、息子の愛称を名付けたということもあるのでしょう。
・・・しかし、このブランドは長く続かず、206GTの後継として誕生した2400ccエンジンを搭載する246GT/246GTSを最後に廃止。
つまり、ディーノブランドの市販車は、206と246の2種類しか作られなかったというわけです。
この数年後にV8エンジンを搭載する308GTが誕生しますが、V12エンジンではないエンジンを搭載するクルマながらも、ディーノの名は付けず、フェラーリ初のV8エンジン搭載車として登場しました。ある意味このクルマが、スモールフェラーリと呼ばれるモデルの先駆けとも言えます。
そういう点で考えると、僅かなブランドだったとしても、後年のフェラーリに与えた影響は大きいでしょうね。
ディーノのエンブレム。
オプションでフェラーリのエンブレムも付けられたようですが、純正ではフェラーリのエンブレムはどこにも付いていないことから、明確に区別していたのでしょう。
車名エンブレム。
少し錆が発生していますね。これもある意味リアルで好感を持てます。