フォード フェスティバ1300
キャンバストップ(E-DA3PE)
1986~93年式
山梨県甲府盆地にて 2014年3月30日撮影
多チャンネル化でシェア拡大を狙っていたマツダが、80年代に新たに開発したクルマ。
当時のマツダの登録車で最も下のクラスのクルマがファミリア(今でいうところのアクセラ)であり、今でいうところのデミオクラスのコンパクトカーがありませんでした。・・・というわけで、シェア拡大のためにはボトムレンジも広くした方が良いということで、ファミリアよりも下のクラスのクルマとして開発されたのが、このフェスティバ。
見ての通りフォードバッヂが付けられ、フォードブランドで発売(つまりオートラマ店で販売)されていました。ファミリアをレーザーとして、カペラをテルスターとして販売していたようにマツダブランドで販売することはなく、まずはどれほど売れるか様子見といったところなのでしょう。
実際に販売してみると、キャンバストップを売りにしていたこともあってか、オサレな欧州風のコンパクトカーとして話題を呼び、扱いやすいサイズであったためヒットしたようです。
これはイケル!と調子を良くしたマツダは、フェスティバのシャーシを流用し、レビューというクルマをオートザムブランドで販売することに。しかし、当時マツダのイメージが悪くなっていたこともあり結果は芳しい物にはならず。時を同じくして2代目になったフェスティバも、初代と比べると質感が劣っていたり、デザインもアメリカ人向けの大味なものになったりしたためか、初代より全然売れず、かなりのレア車になってしまいましたとさ。
・・・というわけで、初代よりも年代の新しい2代目の方が珍しいフェスティバですが。初代もそうそう見掛けるものではありません。
それに、初代にはフェスティバ5やフェスティバβという、2代目と同等かそれ以上に珍しいモデルもあるので中々に面白いのです。
フェスティバは勿論日本で作っていましたが、海外輸出用として韓国の起亜自動車も生産しており、3ドア限定の日本産に対して韓国産のフェスティバは5ドアハッチバックと4ドアセダンも製造されていました。それをわざわざ逆輸入して日本でも売っていたことがあり、それがフェスティバ5(5ドア)、フェスティバβ(セダン)です。
韓国製なので勿論左ハンドル。左ハンドルだったこともあってか、3ドアモデルよりは圧倒的に売れていない筈です。
もし見かけたら、即撮影することをお勧めします(笑)。
フェスティバについて長々と語ってしまいましたが、今回紹介する個体を見てみましょうか。
どうやら、普通の3ドアなのでそれほど珍しくはない日本製のようですね。
また、当時人気の高かったキャンバストップ仕様ですから、おそらく一番売れたフェスティバの見た目でしょう(汗)。色も無難な白色ですしね。