さて、今日紹介するクルマは…?
和製ミニこと、ダイハツのミラジーノ。
これが出た時は多くのクルマ好きに酷評されたようですが、そんな批評家たちの批判とは裏腹に、大ヒットをかましたクルマです。
イギリスのミニは欲しいけど、外車だから敷居が高く、値段も高い、壊れやすい、アフターサービスも良くないしそもそもディーラーが少ない…などなど、ミニが欲しくても色々な理由で躊躇していた人たちの目には、このクルマは魅力的に映った筈です。
デザインやサイズに関してはミニとかなり近く、それでいてミニとは異なりジーノは軽ですから、維持費の点でも販売価格を見ても安いですし、日本のメーカーが作ったわけですからアフターサービスもばっちりで故障も少ないなど、よほどミニにこだわりのある人でない限りはこれを選んだことでしょう。メーンの5ドアのみならず、3ドアモデルもあってMTも選べ、更にミニには存在しないターボモデルもありましたからね。
ダイハツもクルマ好きからの批判が来ることが分かっていたのか、ダイハツ側は苦し紛れにもコンパーノをモチーフにしたデザインと言い張っているようですが、ミニライトのホイールを装着したグレードが設定されていたり、クーパーのボンネットストライプが付けられたりと…あからさまにミニを意識しているとしか言いようがありません。2代目はフロント・リア共に完全にBMWのミニですしね。
大阪の会社なんですし、ここは開き直ってミニをモチーフにしたと言ってもらえれば、クルマ好きからの評価は変わってきたのではないでしょうか。
ダイハツ ミラジーノ1000(L701S)
2002~04年式
栃木県北部地域にて 2015年4月12日撮影
勘のいい読者諸姉諸兄の方々なら分かっていたでしょうが…実はコレ、ヒットしたミラジーノではなく、鳴かず飛ばずに終わった普通車仕様のミラジーノ1000でした。
見た目が軽モデルとほとんど同じに見えますが、エンブレムやナンバーの他にも、ホイールアーチモールやサイドモール、フェンダーモールといった装飾品が装備され、オーバーライダーにゴムが付かされている他、リアゲートの取っ手のデザインも変更されているなど、案外と相違点が多いです。
とは言え、一般人の目にはほとんど同じ見た目の割に、税金や車検などの維持費が余計にかかったりするということで、軽モデルのヒットの割には売れることはありませんでした。
「黄色ナンバーじゃ恥ずかしい」という謎のコンプレックスを抱いている方々には僅かながら受け入れられたでしょうが、軽でも白色のナンバーが装着出来る現在では、こういうクルマが出ても全くヒットしなさそうです。