日産車に挟まれるようにして肩身の狭い思いをしていたであろうクルマは、ライバル:トヨタのライトエースでした。
その特徴的な色と形から、薄いぼかしでも車種が分かった方が多いでしょうが…これはただのライトエースではないのですよ。
トヨタ ライトエースバン
ハイルーフ デラックス(H-KM11V)
1978~79年式
山梨県甲府盆地にて 2015年5月23日撮影
後期型の初代ライトエースなのです…!
初代ライトエースは1970から79年まで生産されたクルマで、生産期間は長くも短くもないものの、お手ごろなサイズと価格、そして高い耐久性などから、トヨタ製商用車の看板になるほどのスマッシュヒットをかましたクルマです。
なので、草ヒロでは非常によく見かけるクルマであり、見つけたとしてもそれほど喜びが湧かないクルマ…という位置付けではあるのですが、後期型となると話が違ってきます。
そもそも、前期型と後期型の違いは皆さんご存知でしょうか。
この画像を見て、ピンときた方は旧車や草ヒロに精通している方でしょうね。どこか違和感を覚えるはずです。
①まず一番目につくのが、ヘッドライトベゼルのデザイン。
細かいスリットが何本も入ったものから、三本の大きなスリット(ベンチレーターも兼ねている?)に変わっています。
②次に分かりやすいと思われるのが、フロントのエンブレム。
前期型では向かって右に付いていた"T TOYOTA"のエンブレムが、後期型ではフロントに移動し、デザインも変わっています。それがなんとなくお鼻に見えて、ユーモラスな表情を生み出しているようです。
③車体の損傷が激しくて、ライトベゼルが紛失、エンブレムも無い…そんな時に使える判別法が、ナンバープレート架台の位置。
エンブレムと同じく、向かって左に設置されていたものが中央に移されています。個人的にはアシンメトリーの前期の方が好きです。
④最後に、ナンバープレート架台まで腐食している…という状況の時に使えるのが、オーバーライダーの有無。
前期型のバンパーはまっさらですが、後期型は見ての通りゴム製のオーバーライダーが設置されています(デラックスのみ)。
以上の違いがあり、この後期型は僅か1年しか販売されていないのです。前期型の販売期間と比べると、全然違うのがお判りでしょう。
これではいくら新しくても前期型の方がよく見かけるわけです。
皆さん、一度画像フォルダを漁ってみてください。恐らくきっと、発見した草ヒロの大多数が前期型でしょうから。かく言う僕も、まだ2台しか後期型を見つけることが出来ていません。
後期型のライトベゼル。前期よりもすっきりとしたデザインです。