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ぶらり博物館めぐりの旅 in 広島(11)

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ダイハツ DBC-1

1974年式

福山自動車時計博物館にて 2013年8月5日撮影

 

ヨーロッパの国々が、ガソリン車を廃止して電気自動車(EV)へシフトしていこうという風潮が盛んになり始めたり、アメリカのEVメーカーのテスラが、ここ数年で一気に業績を伸ばしてBIG3を脅かしていたり、モーターだけのクルマを使うモータースポーツ、"電気のF1"と呼ばれるフォーミュラーEが話題になったりと…ここ最近のクルマ業界を牛耳る存在となりつつある、EV。

…てなもんで、EVというと、最近現れてきたジャンルのクルマだと思っている方も多いでしょうが、構造自体はガソリン車よりも単純なので、実はかなり昔からありました。

 

とはいえ、EVはガソリン自動車よりも効率が悪いため、EVが台頭してくるのにはある条件がありまして、当たり前と言えば当たり前ですが、それはガソリンが不足したとき。

例えば、日本が戦時中においては燃料は戦闘機に回されていたので、終戦直後は自家用車向けの燃料が不足し、EV専門のメーカーが雨後の筍のようにひょこひょこ現れておりました。中でも有名なのは、プリンス自動車の前身であるたま電気自動車というメーカー。また、EVだけでなく、ガソリンの代わりに木炭を燃料として動く木炭自動車なるものも台頭しました。

…あれから数十年が経ち、次なるEVブームが訪れたのはオイルショックの頃。オイルショックによって石油の価格が高騰し、ガソリンの値段もそれに合わせて急上昇。また、大気汚染対策の意識も高まるという、EVがブームになって当然という時期がありました。

それが1970年代で、CVCCエンジンの開発でマスキー法をクリアしたホンダ以外の日本の自動車メーカーは、EVの開発に着手していたと言います。しかし、まだ技術が未熟であったため、構造は簡単でも充電時間の問題やバッテリーの航続時間など課題は山積みで、結局量産されたEVが現れることはありませんでした。

 

…とまあ、EVについて軽ーく簡単に語ってみましたが…というのもそれは、今回紹介するこの謎のオート三輪はEVに深く関わりがあるからです。…というか、コレ、EVです。

エンブレムを見ていただければわかるように、これはダイハツが開発したDBC-1というEV。デザインは嘗てのバーハンミゼットを想起させるような懐かしいもの。時代に合わせてライトは二個に増え、テールランプはMPミゼットのような形状の大きめのものを採用。恐らくハイゼットの流用ではないかと思われます。

大阪の会社ということもあって、来る大阪万博に向けて開発され、ビジターの足として用いられていたとか。他には、S37ハイゼットのEVを改造した観覧車的なものもあったようです。…よくよく考えてみれば、大阪万博ということは、開発はオイルショックよりも数年前から始まっていたということになります。案外時代を先取り、先見の明があったクルマなのかも知れませんね。


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