"消防車エリア"の展示車両は前回までにして、今回からは"マニアックエリア"の展示車両を紹介していきたいと思います。
このエリアでは、既にR360とトヨタ消防車を紹介済みですが、ご覧の通りまだ未紹介のクルマがちら、ほら。今回は、マツダのオート三輪荷台を紹介したいと思います…!
暈しがかかっている二台のクルマはまだヒ・ミ・ツですっ…!
マツダ T2000 高床 13尺車
1965~69年式
福山自動車時計博物館 2013年8月5日撮影
まずは、このエリアの中では一番マニアックではない、スタンダードなクルマからご紹介。
マツダのオート三輪Tシリーズの中でも最も大柄なT2000です。荷台の長さはなんと13尺(約4.3m)!
この個体のように、オート三輪には荷台の長さが長いものでは4を超えるものもあり、三輪車ということもあってその長さの割には小回りは利いたので、狭隘道路を通り長尺物を積み込む機会が多い、林業に従事する人たちから愛され、千三終了後から20年以上たった後でも、林業関係では普通に現役だったとか。
この個体も、アオリ戸の屋号からすると木材を扱う店で使われていたようで、ながーい荷台を生かして数多くの木々をこれまでに運んできたのでしょう。
屋根の意味があまりないような半分青空駐車の状況でも、現役かのように見える状態を保っているのは凄いと思います。
もう一台は…
マツダ T600 バキュームカー
1964~71年式
福山自動車時計博物館 2013年8月5日撮影
「K360?言うてマニアックかこれー?」
…という声があってもおかしくはないかも知れませんが、よーく見てください。…見えにくくて恐縮ですが、リアフェンダーの形状とエンジンルーバーがK360とは違いますよね?…そう、これはケサブローの登録車仕様であるT600なのです。
更に特筆すべきなのは、ただただT600だった…というだけに留まらず、なんとこれはバキュームカー!このヘンな緑色も、バキュームカーと聞けば納得です。
水洗式便所が極々一般化した現在、バキュームカーを街中で見ることはまずありませんが、昭和30年代では都心部でもまだ一般的でした。このT600も、かつては広島の都心部を縫うようにして各家庭のおトイレを巡り、せっせせっせとウンチやおしっこを集めて回っていたのでしょうなぁ。