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Channel: ころころな趣味。
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またまた!地元のネオクラを探せ!(3)

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スズキ ツイン ガソリンA(EC22S-1)

2003~04年式

神奈川県西部にて 2015年3月15日撮影

 

深刻化する環境問題に対するベンツなりの解答として、無駄を徹底的に省き、最小限のシティパーソナルコミューターとして登場させたスマート。小型車市場に不安があったため、スウォッチとの共同開発によりスマートという新ブランドを設立することで保険をかけましたが、世間はスマートのようなクルマを案外と受け入れ、ヒットしました。

ベンツも日本にはKカーなる独自の規格をもつクルマが存在することを知っていたため、日本市場に対しても特に注力。軽自動車規格に合わせたスマートKというモデルも追加して、日本でも大きなヒットを記録しました。

 

…前置きが冗長になってしまいましたが、今回紹介するこのクルマ。ツインを紹介するにあたっての背景を説明したのです。

日本でもスマートがヒットしているのを見て、見逃さなかったのがスズキ。スマートに対するスズキのアンサーがこのツインというクルマであります。

ツインのコンセプトはスマートの丸パクリですが、そこは軽自動車老舗のスズキ。スズキなりのアレンジを加えて、ツインをオリジナリティのあるクルマに仕上げました。

例えばデザイン。ちょっと小賢そうなスマートのデザインをとっつきにくいと感じる人のために、ツインは親しみやすいほんわかデザインを採用。前後の大きなまん丸ライトにまぶたのようなアイライン、全体的にふっくら丸っこいボディ形状に、玩具っぽさを強調した前後無塗装バンパー、上級グレードには赤青黄の原色カラーを用意し、ホイールキャップもボディカラーの色に合わせた可愛らしいデザインのものを用意するなど、とにかく愛嬌のあるデザインに仕上げようとしている心意気が伝わるクルマです。

 

スマートが“オシャレな家電”とするならば、ツインは“子供のおもちゃ”…といったところでしょうか。

「とにかく小さいボディなんだから、おもちゃみたいなデザインがピッタリでしょ?」…という開発陣の声が聞こえてくるかのようです。子供のおもちゃに高級感を求める人はいませんから、安物臭さを隠す必要もなく(モチーフがおもちゃならむしろ武器になる)、余計なコストをかけず安くできるという、“コストカッター”スズキの本領発揮といったところでしょう。

スズキはこういうデザインのクルマを作らせたら本当に上手いと思うんですよね。軽自動車に対してコンプレックスを持っていないというか、安物臭いことを逆手に取って、とにかくシンプルなデザインにしたり、可愛らしくしたり、機能性に特化したりと…変に見栄を張っていない等身大のクルマが多いと思うのです。スズキの軽には。軽自動車なんだからこんなもんでいいんだよ…と言いますか。

勿論、スペーシアカスタムやワゴンRスティングレーのように、軽でも高級さ・豪華さを求める人のニーズに応えたクルマも作ってはいるのですが、アルトやラパン、ハスラー、スペーシア、ジムニーなどなど…等身大のモデルが多めなのは間違いありませんね。

 

…ついつい話が逸れてしまいましたが(スズキが一番好きな自動車メーカーなので…汗)、このツイン、スマートとの違いはデザインだけではありません。なんと、ハイブリッドのモデルもあったのです!

意外と知られていませんが、実はツインにはハイブリッドも設定されており、軽自動車初のハイブリッドとして話題を呼びました。

その機構はTHS(Toyota Hybrid System)のように本格的なスプリット方式ではなく、ホンダのIMA(Integrated Motor Assist system)と似たようなメカニズムを採用したパラレル方式。あくまでエンジンのサポート役としてモーターが直結されただけです。現在のスズキ車の多くに搭載される、マイルドハイブリッドの源流のようなモンですね。

簡易的な構造とは言え、軽初のハイブリッドをつくってやろうという心意気を感じる意欲的なメカを搭載していたのですが、ハイブリッドがまだそこまで一般的でなかったということと、車格の割に高価になってしまったことが災いして全く売れず。哀しいかなツイン自体大して売れなかったので、ハイブリッドは非常に珍しい一品となっております。

 

ツインに関する説明が非常に長くなってしまいました。まだまだ語ろうと思えば語れるのですが、そろそろ読者の皆様も飽きてきたかと(もう読み飛ばされてしまっているかも知れませんね汗)思いますので、この個体についての解説を。

この個体は家から数分で行ける場所に置かれており、僕が物心ついた時からずっとそこにいました。ただ、放置されているというわけではなく、定期的に動いている様子も見ていました。

小学1年生ぐらいの頃…まだ僕がクルマに詳しくなかった頃からその存在を知っていましたが、子供心ながら「変なクルマだなぁ」という印象を抱き、どことなく気になっていたクルマだったので、ツインに対する思い入れは結構強いです。

…というわけで、いつかは見られなくなるかもしれないということで、この探索で初めて撮影に漕ぎつきました。ネオクラではありませんが、レア車・マイナー車ということでお許しを。

 

グレードは、一番廉価なガソリンA。

初期型のガソリンAはパワステは勿論パワーウィンドウも付いていない、カラーもこのスペリアホワイトのみという、とにかく徹底的に安さに拘ったお買い得グレードです。そのおかげか、21世紀のクルマにして49万円という超低価格を実現しました。嘗ての47万円アルトを彷彿とさせますね。


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