おはようございます!
今日は待ちに待ったセンター試験の日ですね!
僕が受験してから早いものでもう3年も経過しましたが、この時期がやって来る度に受験生だった頃のことを思い出します。
センター試験は毎年何らかの“ネタ”を落としていきますが(去年は『リスニング四天王』が話題を呼びましたね)、今年はどのような“奇問”が出てくるのか楽しみです笑
…ところで、タイトルにもありますが、1990年より30年もの間続いてきた『大学入試センター試験』は、今回をもってラスト…要は廃止となり、来年度以降の試験からは『大学入学共通テスト』というテストに変更となるのです。
変わるのは名前だけではなく、解答形式が大幅に変わることになっています。ニュースにもなっているのでご存知の方も多いでしょうが、国語と数学Ⅰ・Aの問題において、マーク方式のみだったのがマーク方式と記述式の混合で解答するという形式になる予定なのです。
ところが、反対意見が多数発生したためか、文部科学省は2019年12月17日に『大学入学共通テスト』で記述式の導入を見送る決定がなされたと発表しました。
昨日の記事で、僕は『センター試験の廃止』に反対の立場であると述べましたが、記述方式の採用がセンター試験廃止反対の理由であった僕にとっては記述方式採用見送りの決定は嬉しい限り。
センター試験一日目の今日は、より詳細に、反対の立場である理由についてお話ししたいと思います。
いち塾講師の戯れ言だと思って興味のある方のみお読みください。。。
● センター試験廃止に反対する理由 ●
○ 記述式が追加される点
のただ一つ!
マーク方式という形式さえ守っていれば、名称だけが変わっても、それだけでなく試験時間や配点が余程ヘンに変わらない限りは僕は反対の立場にはなりません。…まあ、別に賛成もしませんけどね。
…というわけで、記述式の採用が見送りとなった現時点では、センター試験の廃止には反対ではないということになりますね笑
記述式の採用が見送られるまでは、『新共通テストの最大のウリ』が『記述解答方式の採用』だったのですが、それがよくないのです。
以下に、マーク方式を採用することによるメリットとデメリットを、僕が考えられる限り挙げてみました。
● マーク方式を採用するメリット ●
① 公平性が高い
マークを適切な箇所にしているかしていないかで○か×かが決まるため、公平性が非常に高い。
これが記述式になると、想定外で特異的な解答(要は珍解答)が出現した場合、採点官の裁量次第で正解か不正解かどうかが変わってしまい、公平性が失われる。
また、公平性を保つために採点基準を決めたとしても、全ての解答を予想した採点基準を設定することは困難であるため、やはり難あり。
② 正確性が高い
採点は機械が行うため、採点ミスというのは通常あり得ない。
しかし、これが記述式となると人が採点することになるため、採点ミスが発生する可能性は飛躍的に高まる。
③ 採点官が不要
答案用紙を機械に読み取らせる人員を用意すればよいだけなので、人員の確保が容易。
これが記述式になると、専門的な知識を持った人を採点官として採用しなければならない上、センター試験は受験者数も桁違いに多いため、採点が二次試験に間に合うだけの人数を集めることができるのかどうか怪しい。
④ 人件費が安い
採点官が不要であることに関連する理由。マーク方式の場合は機械に読み取らせる人間だけ用意すればよいため、人件費は安く済む。
これが記述式になると、専門知識を有する採点官を確保しなければならず、採点者数が凄まじいために拘束時間も長くなることが予想されるため、かなりの人件費がかかってしまうだろう。
⑤ 採点が早い
マーク方式の採点方法は、機械に読み取らせるだけ。
これが記述式になると人海戦術で採点を行うことになるので、それだけで時間がかかる。また、珍解答が出てきた場合個別に対処しなければならないため、更に時間がかかり、採点ミスがないかどうかをチェックしなければならないため、尚更に時間がかかってしまうだろう。
● マーク方式を採用するデメリット ●
① 途中経過が見られない
マーク方式は答えしか見ないため、いくら考え方が正解だったとしても、計算ミスをやらかせば不正解にされてしまう。
② 解答ミスをしやすい(記述式と比較して)
マークシートは解答欄がひと続きになっているため、問題を飛ばしたりするとマークのズレが生じやすく、またそのミスに気が付きにくい。
③ 解答ミスによる代償が大きい
マークがズレて、それに気が付かず解答を続けて答案を提出してしまうと、それ以降の問題も全て不正解になってしまう可能性が高い。
④ 理解度よりもテクニック重視の試験になる
センター試験はテクニックが重要視される試験であり、単元の内容や本質について理解していなくてもテクニックで正解できる問題がある。
⑤ まぐれで正解してしまうことがある
答えが分からない場合は、とりあえずマークしておけば何分の一かの確率で正解できるため、本当の学力を測れない可能性がある。
これが記述式だと、回答の仕方はいくらでもあるため、まぐれで正解する確率は非常に低くなる。
僕が考えられうる限りでは、マーク方式のデメリットはメリットと同じくらい多いと分かりました。
ここからは、マーク方式を採用することで生じるデメリットについて反駁していきます。
● デメリットに対する反駁 ●
① 途中経過が見られない
→確かに過程は見ずに結果だけしか見られないのは不公平かも知れないが、ケアレスミスを減らせるように努力すればよいだけである。また、国立大学の大半は二次試験で記述方式を採用しているため、センター試験で全てが決まるわけではないので問題はない。
② 解答ミスをしやすい
→マークミスをしないように対策を講じればよいだけである。
具体的には、飛ばした問題にはチェックを付ける、大問を解き終えるごとに見直しを行うなど。
③ 解答ミスによる代償が大きい
→確かにそうだが、これもマークミスをしないように対策を講じ訓練を重ねていれば防ぐことが出来る。
④ 理解度よりもテクニック重視の試験になる
→①の反駁同様。センター試験は国立大学の一次試験としていう位置づけであるため、これで全てが決まるわけではない。
いわばセンター試験は、国立大学の受験資格を得るため、もしくは受験する国立大学のレベルを決定するため、はたまた除法処理能力の高さや要領の良さを測るための試験であり、理解度は記述式の国立大学二次試験で測ることが出来るため、二の次でよいのである。
⑤ まぐれで正解してしまうことがある
→数学や理科系科目は当てはまる数字を答えたり、選択肢が沢山用意されたりしているため、まぐれで正解することはそれほどない。
英語や国語は選択肢が少ないため、まぐれで正解することもあるのだが、センター試験で国立大学の入学が決まるわけではないので、結局①の反駁に収束する。
以上です。
こうして見ると、マーク方式を採用することによって考えられるデメリットは、二次試験を設定したり、本人が努力したりすることによって解消できるものであることが分かりました。
では、この反駁に対して更に反駁されたらどうなるのか…ということを考えたので、以下に述べます。
● 反駁に対する反駁 ●
○ センター試験は国立大学の一次試験の位置づけであり、記述式がほとんどの二次試験の結果も加味して合否を決定するため、センター試験はマーク方式を採用しても問題がない(デメリット①④⑤の反駁)
→センター試験の結果のみを利用して合否を判定する私立大学が存在するが?(デメリット①④⑤の反駁に対する反駁)
…全くその通りであって、僕もこの点に関しては疑問視しています。
センターを受けるだけで合格することが出来る、いわゆる『センター利用』の私立大学は非常に多いのです。
センター試験の大まかな点数を確認するため(センター試験の点数は受験などとっくに終わった後に開示されるのである)や、私立大学の試験や国立大学の二次試験が不合格だったときの滑り止めとして利用している人が多く、需要もあるので私立大学側からしたら『センター利用』を辞める気はないでしょう。
しかし、マーク方式の試験であるセンター試験の結果だけで大学に受かってしまう人が存在することによるデメリットよりも、マーク方式を採用することによって得られるメリットを取る(或いは記述式を採用することによって生じるデメリットを取り除く)方が有用であると考えているため、僕はセンター試験の廃止…すなわち『大学入学共通テスト』で記述式を採用することに反対の立場をとっていたのです。
もう一度言いますが、『大学入学共通テスト』で記述方式の採用が見送られた現在では、『センター試験の廃止』は反対でも賛成でもありません。正直どちらでもいいです。
ちなみに、大学入学共通テストの英語の成績を民間試験の結果を加味して決定する…いわゆる『英語民間試験導入』に関してはどちらかと言えば反対ですが、それについては機会があれば語りましょう。
以上、センター試験廃止について思うところをつらつらと述べていきました。
何か意見がある方は、コメント欄へどうぞ。
記述式の採用が見送りとなったとはいえ、来年は今までとは問題形式は多少変化するでしょうし、浪人になった時の対策を替えなければならないということで、今年の受験生は本当に大変な立場だと思います。
来年以降の受験生にしても、英語の民間試験導入のいざこざに振り回されるばかりで、少々可哀想です。そんななかでも、ひたむきに頑張る高校生から、制度見直しを訴える活動的な高校生もいて、もの凄いシッカリしているなぁと感銘を受けました。
…というわけで、今日の1日目、そして明日の2日目のセンター試験、頑張ってください!
2年前に書いたセンター試験にまつわる記事です。
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