『草ヒロ物語』を知りたい人はコチラ
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―――AM 10:00 街の駅やまなし―――
博士 「どうやら、やっと着いたようじゃの。」
助手 「ええ、街の駅に到着でーす!みんな、ご乗車お疲れ様でした~。」
見習い 「はーい。先輩もお疲れっす!」
清里・笛吹 「ありがとうございました!」 飯田 「ありがとうございました。」
小布施 「草川さんの方も、運転お疲れ様でした。」
助手 「いえいえ、僕は運転が好きだし、いいってことさ!」
博士 「さて…。さっき決めたように、オヌシらだけがここでレンタサイクルを借りて一時別行動をするんじゃが…。オヌシらは高校生じゃし、別にワシらが着いて行かんくてもレンタルは出来るな。」
清里 「はい、大丈夫です!」
笛吹 「いざとなれば、我らがオブさんもいますし!」
小布施 「おうよ!この俺がいる限りは大丈夫だ!…博士、こいつらの面倒は俺が見ますんで、安心して探索しててください!」ガララッ
飯田 (先輩風吹かしちゃって…ま、小布施は確かに頼りになる先輩だから俺も安心ではあるけどさ。)
博士 「よろしく頼んだぞ!」
見習い 「小布施がいるなら確かに俺らも安心っすね!」
小布施 「そんなことより…いいんですか~?」
博士 「なにがじゃ?」
小布施 「博士たちはもう出発してもいいんですよ~?」
博士 「なにゆえオヌシにそんなことを指図されねばならぬのじゃ。」
小布施 「…博士側には運悪くどデカいエルグランドという“ハンデ”があるんですし、俺たちに負けて恥ずかしい思いをしなくても済むように、少しでも探索時間を稼いだ方がよろしいかと…思ったのですが?」
飯田 (唐突な煽り…!?)
博士 「ぬわんじゃと…??このワシに喧嘩を売っとるのか?ワシに対する挑戦か!?見習いの分際で生意気なことを言いおって!」
小布施 「……」ニッ
博士 「オイ草川ぁ!とっととクルマを出すのじゃ!せっかくワシの深い深い慈悲の心で探索開始は同時にしてやろうとおもっとったのに…!ワシらに探索時間を余分に与えたことを後悔させてやろうではないか!」
助手 「まあまあ博士、落ち着いて…!」
見習い 「たかだか探索なんですから、あんまりムキにならずn」
博士 「たかだかとはなんじゃ!?ワシらは草ヒロ研究所の人間じゃぞ!?…草ヒロ探索をないがしろにするとはどういうことじゃぁ!?」
見習い 「わーっスミマセンスミマセン…!」
博士 「…全く!…これじゃから最近の若者は…!ブツブツ…ブツブツ
飯田 「先輩、博士を怒らせてどうするんですか…!?」
小布施 「フフン、俺があてもなく博士を煽ったと思っているのか?」
飯田 「は…?」
小布施 「ククク…もうじき分かるさ。」
飯田 (なんだなんだ…?…そういえば、いつの間にか綾ときよが消えてる…?)
ウィーン
清里 「ブッセさーん!自転車もう乗れますよ~!」
笛吹 「ゆうくんも出発しよーよ~!」
小布施 「でかした!早いぞお前ら!」
飯田 「ええっ?いつの間に…?」
小布施 「ククク…。飯田…驚いただろ?…クルマから降りた時点で俺が清里と笛吹にレンタルの手続きをするよう指示出しといたんだ。」
飯田 「は、はぁ…。」
小布施 「身分証明は代表者だけでいいから、あとはあいつらにお任せしておけばいいってことさ。奴等いつもふざけているようだが、やるときはやるってことは俺にはお見通しさ。…そして俺は、その間に博士を煽って時間稼ぎアーンド精神力を削ぐ…。」
飯田 「おぉ…。」
小布施 「案の定、博士はカチンときて…ほら、さっき今すぐクルマを出せとのたまっていたが、まだ助手たちにムダなお説教をしているようだぜ…?ククク…面白れぇよなぁ?」
飯田 「先輩、“見かけ通りに”狡猾で食えない人ですね…」(何たる切れ者!そこまで考えていたなんて…たかだかこんな遊びで…。)
小布施 「ああん?それはどーいう意味だ?…って、博士じゃねーんだからそんなのはあとあと、今はとっとと出発だ!…今の発言、昼飯の時にコッテリ追及してやっからな!」
飯田 「フ……。」
小布施 「おい!清里!笛吹!そして飯田も!…行くぞ!!」
清里・笛吹 「はーい!」 飯田 「はい はい…!」
小布施 「では博士、お先に失礼しますよ?」
博士 「なっ…!?なぜにもうチャリンコがあるんじゃ?おぬしらはまだそこに居たんじゃ…?いつの間に手続きを済ましおった!?」
小布施 「集合はこの場所に15:00でしたよね?」
博士 「質問に答えるのじゃ!!」
助手 「小布施くーん、それで合ってるよ~!また会おうね~!」
博士 「おいぃ!ワシの話を聞かんか!」
小布施 「先ほどは失礼しました。これも全ては草ヒロのためですから!」
博士 「なんじゃと!?」 見習い 「計画的犯行…!?」
清里 「ではでは~」
笛吹 「バ~イビー!博士~と助~手の~おふた~りさ~ん!」
飯田 「それではお先に失礼します…!」
博士 「……。クァカーッ!!なぜクルマを出さん!時間がないのじゃぞ!時間が!」
助手 「だって博士が『ワシの話を聞け』って…」
博士 「口答えする気か!?これだからワシはあれほど…ブツブツ ブツブツ
見習い (は~あ…)
助手 (全ては小布施くんの手のひらの上で踊らされてたってわけか…。さすがだよ小布施くん…笑)
笛吹 「わー!あそこさ、果樹園密集してんじゃん!レイレイ!あそこに行ってみよ?」
清里 「うん、いいねスイちゃん!あそこになんか草ヒロが居るかもね!」
飯田 「先輩も、行きましょう!」
小布施 「おう!もちろん俺もそっちに行こうと思ってたぜ?…だってよぉ、明らかにさっきまでの場所と雰囲気が違うじゃねーか…!」
清里 「ブッセさんもそう思いますよね!僕もなんですよ~!」
笛吹 「オブさんもやっぱ、何か感じますか?」
小布施 「草ヒロのニオイ…ってやつを感じるぜ…!ゼッタイなにかいるに違いねぇ…。行くぞ!オメェら!」
清里・笛吹 「ハイっ!」
飯田 (何かを感じているというより、ただ主導権を握りてーだけだろ…)
No.022
ダイハツ ミラ
1982~85年式
用途:物置 場所:果樹園(モモ)
清里メモ:スイちゃんが行こうって言ってくれた道を進んでった先にいた草ヒロ。草ヒロ探索って、一人では難しいってことがよく分かった。きよによると、このクルマはミラっていうみたい。カクカクしててレトロなデザインがかわいい~!僕は草ヒロに詳しくないから、状況と目で見た感想しか書けないけど…草ヒロ的にはどうなんだろう?? あとで博士に聞いておこっと。
P.S. 記録のために、博士がいつも書いているらしいメモを書いてみたんだけど…こんなもんかなぁ?みんなにも書いてもらおー。
飯田 「本当に草ヒロが居た…。偶然か…それとも本当にニオイを感じていたのか…?」
小布施 「あ?偶然ってなんだよ?感じたに決まってんだろ~?飯田クンよ~。」
飯田 「は、はぁ…すみません先輩」(んどくせーなぁーいちいち…)
清里 「ブッセさん流石です!」
笛吹 「オブさんは我らがリーダー!よっ、大統領!」
飯田 (お前らもそうやっておだてるからぁ…)「…まあ、いずれにしろ草ヒロが見つかって良かったですね。」
小布施 「そうだ!終わり良ければ総て良し!結果オーライってやつだ!」
清里 「…にしてもまさか、こんなすぐに見つかるとは思ってもみなかったね~。」
笛吹 「うん!博士たち、たぶんまだ草ヒロ見つけてないでしょ!」
飯田 「だろーな。車種は初代のミラ、そして後期型。それほど珍しくもないけど、最初はこんなもんだろ。」
笛吹 「へぇーっ、ゆうくん車種分かるんだ!それに、世代とかいろいろ分かるんだね!」
飯田 「ま、まあね…。」
笛吹 「すごーい!クルマ博士みたい!」
飯田 「///…いやいや、そんな、大したことないから…///」
清里 「ブッセさんは知ってました?」
小布施 「…ン?……フン、当然だろ!」
清里・笛吹 「さっすがぁ~!」
小布施 (いや…さすがに前期だ後期だは分からなかったな…。でも、ミラだというのは分かったぞ!…なんとなくなんだが…)
笛吹 「さっきのトラックとは違って、ちゃんと物置になっているのがイイよね~!」
清里 「うんうん!さっきのクルマはちょっとかわいそうだったよね…。あんなふうに雨風に晒されちゃって…ゴミみたいな物も載せられて…。」
小布施 「それに比べて、コイツは屋根付きだし、異例の好待遇のようだな!」
清里 「ええ!この子もきっと喜んでますよ!」
飯田 「錆も少ないようだし、割かし丁寧に扱われているのかも知れないな。」
笛吹 「写真も撮って観察もしたことだし、そろそろ行こー?」
清里 「うん!」 小布施 「そうだな!」
小布施 「博士たちに一目置かれるようにドンドン発掘してやろうぜ!行くぞ!お前ら!」
飯田 (まーた始まった…)
小布施 「それに笛吹、お前が道をそれなければ草ヒロは見逃していた…。草ヒロ探索は初めてだと言っていたが、ビギナーズラックってやつか?とにかく、期待してるぜ?」
笛吹 「オブさん…!!」
清里 「ブッセさんの期待を裏切らないためにも、頑張ろうね、スイちゃん!」
飯田 (ふーん…。小布施にもこんな一面があったとは意外…。どうせまた自分の手柄にするものとばかり思ってたが…。)
小布施 「ま、俺がもし草ヒロの気配を感じたら、お前らにはその指示に従ってもらうけどな!」
飯田 (……。)
つづく
「この物語、そして物語に登場する団体・登場人物は、全てフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。もちろんワシも含めて、じゃ!」
「なんか新入りの子たち、たくましいですね。ちゃんと早速草ヒロを見つけたようですし、記録も撮ることが出来てますよ?」
「ホッホッホッ!やはり見込みのある連中じゃて!ワシも小布施の言動には憤怒してしもうたが、実力があるのは確かなようじゃの。」
「しっかし博士もみっともないですね~。あんな高校生の言うことにいちいち腹立てて、まんまと作戦に乗せられて…。」
「うるさい!そのことは禁句じゃ!」
「…分かりましたよ。…ま、そういう頑固なところ、博士らしくて僕は嫌いじゃないですけどね。」
「なんじゃと~?オヌシはなんにも分かっておらん!これだから…ブツブツブツ
「……。」[肩をすくめる]