長く続くかのように思えた、某所の石切場ヤードのクルマ紹介。
しかし、意外なことに第8回目となる今回で終了です。
メーカーでまとめて紹介したことと、奥の方にある草ヒロは撮影出来なかったことが、ヤードの見た目以上に続かなかった要因でしょう。
以前も書きましたが、このヤードは一度、大移動と車種整理が起きており、その時にどこかへ行ってしまったクルマたちは数知れず…。カペラやチェリー、デルタ750などといった、珍しいクルマも多くいなくなってしまいました。
…さて、気を取り直しまして、石切場ヤードのラストを締めくくるのは当然、珍しいクルマです!
いなくなってしまったクルマよりも珍しい、このヤードで最も珍しい(と思われる)クルマで石切場のクルマ紹介を終えたいと思います!
気になるそのメーカーは…ホンダ!
その時点で、なんだかレアな雰囲気が漂ってきますねぇ…。
ホンダ 1300 クーペ9(H1300C)
1970~71年式
宮城県にて 2015年7月18日撮影
皆さん、予想は当たりましたか?
ラストを務めるのは、世にも珍しき1300クーペでーした…!
愛好家はそれなりにいるため、博物館やイベントではごくまれに登場しますが、草ヒロで見かけることはほぼないと思います。
僕もこの時が初めての発見で、未だに1300クーペの草ヒロはこれしか見たことがありませんからね。
シビックが登場する前のホンダの登録車は、一部を除き本田宗一郎氏のこだわりが沢山詰ったクルマしかなかった反面、実用性に欠け、どれもこれも鳴かず飛ばずに終わってしまいました。
それが昭和40年代のホンダの登録車の草ヒロを滅多に見ない理由の最たるものでしょう。
1300、145、L700、P700、N600Eなどなど…どれも、見つけたら旧車マニアが泣いて喜ぶ、ホンダマニアも垂涎のクルマばかりです。
で、この1300クーペというクルマは、氏こだわりの空冷エンジンを搭載した1300という名前のセダンのクーペVer.です。
いかんとも表現し難い独特な形状のライトベゼル兼グリルが最も大きな特徴で、『クーペ』と名乗るだけあって美しいボディラインをもつクルマでした。肝心の走りの方は、クラス異例の高出力エンジンを搭載した代わりに、エンジンの構造が災いしてフロントヘビーになってしまい、アンダーが出やすく曲がりにくいクルマ…いわゆる『直線番長』だったとのこと。
エンジンは、それぞれキャブレターの個数が異なる95psと110psの二種類が用意され、シングルキャブ車はクーペ“7”、四連キャブ車はクーペ“9”と呼ばれていました。外見で違いを見分けるポイントは、エンブレムとミラーの二つ。
この個体はミラーが砲弾型だったため、ハイパワー仕様のクーペ9だと分かりました。
フロントだけでなく、リアデザインも何だか独特?