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草ヒロ物語3(5)& 草ヒロ“撤去”物語(4.5)

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『草ヒロ物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ物語3』『草ヒロ“撤去”物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ

 

 

 

前回のおはなし(『草ヒロ物語3』を通して読みたい人はコチラ)

前回のおはなし(『小布施チーム編』のみ読みたい人はコチラ)

 

――小布施ご一行は、斜面に広がる果樹園地帯を走っていた――

 

清里 「いやー、こんな急な坂なのにさ、ぜんっぜん疲れないね!わはーい!」

笛吹 だよね~レイレイ!坂でも普通の道みたいにぐんぐん進んでく!なんだか楽しぃ~!ひぃゃっほーっ!」

飯田 「…はしゃぎすぎだろ、お前ら…。」

小布施 「やっぱモーターはすげーな!電動アシスト様様だぜ~!ひゃっはーっ!」

飯田 「………。」(お前もかよ…)

小布施 「なんだ~?飯田~。お前もこの電アシの凄さをもっと楽しめよ~?浮かねぇ顔してねぇでさ!」

飯田 「はい はい!」

小布施 「『はい』は一回だ!」

飯田 「チッ……はい…!」

笛吹 「あ!…ねぇみんな!なんかあそこにクルマが止まってて、人が降りてるよ?」

清里 「あらほんとだ。事故かな~。」

小布施 「…おい!よく見てみろ!側溝に落ちてるんじゃねぇのか!?」

清里 「えぇ~っ!大変だ~!助けなきゃ!」

小布施 「ったく、こんな直線の道でどんくせぇよな~。…まあ、見過ごすワケにもいかねぇし、とりあえず声かけようぜ!」

清里・笛吹 「ハイ!」

 

 

前回のおはなし(『草ヒロ“撤去”物語3』~手下チーム編~へ)

 

笛吹 「すみませーん!」

清里 「大丈夫ですか~?」  小布施 「大丈夫っすか?」

上田 「ああっ、ちょうど良かった~!ちょっと助けていただきたいのですが…。」

山中 「おっ、通りすがりの人かい?…こりゃ助かりました!ヘヘヘ…見ての通り、恥ずかしながら側溝にハマっちまいましてねぇ。どうにも持ち上げたいもんなんだが…3人じゃどうしようもなくって。」

小布施 「そりゃあフーガですもの。重たいでしょう。」

山中 「フーガ知ってんだ君!」

小布施 「クルマ好きなもんで…えぇ。」

清里 「僕たちでよければ、ぜひお手伝いしますよ!ねー、スイちゃん?」

笛吹 「ウンウン!困ってる人を見かけたら、放っておけないもんね!」

山中 「いやー!ありがたいなぁ!」  上田 「ありがとうございますぅ~!」  秘書 「ご協力、甚く感謝致します。」

小布施 「じゃあ、イッチョ持ち上げるとしますか。…おい!ボサーっと突っ立ってねぇで飯田も手伝え!」

飯田 「……、はい…!」

小布施 「では、『いっせーのーせ』で合図を出しますから、皆さんも俺の合図に従ってください。」

上田・秘書 「はい…!」  山中 「全く頼りになるねぇアンちゃん!」

小布施 「いえいえ何のこれしき。…それでは、いきますよー!」

一同 「はい!」

小布施 「いっせーのーせ!!」

小布施 「がっ!」  清里 「よっ!」  笛吹 「ほっ!」  飯田 「んっ!」  山中 「うっ!」  上田 「ぐっ!」  秘書 「…っ!」

一同 「うぐぅぅ~~~っ…!」

 

山中 「おぉお~~っ!!」

ドンッ!!!

 

小布施 「しゃーっ!!」

清里 「やったねスイちゃん!」ヒョイ 

笛吹 「やったねレイレイ!」パンッッ!

山中 「いや~!助かったぜ~。ほんとにありがとな!」

上田 「ありがとうございます!」

小布施 「お礼には及びませんよ。」

秘書 「まったく…なんとお礼をしたらいいのやら…。全ては私のミスなんです…。」

清里 「そうなんですか…?」

秘書 「飛び出してきた動物を避けようとしたら…」

笛吹 「動物だったらしょうがないじゃないですか~。そういう時もありますって!」

清里 「逆に動物の命が助かって、良かったって思えばいいんですよ!」

秘書 励ましのお言葉、ありがとうございます。」(この方々…上田様と同じことを…)

上田 「ところで…あなたたちは高校生?」

清里 「ええ、そうです!」

上田 「やっぱりねぇ~!若々しい感じがしてたよ~!」

小布施 「俺は高校2年で、こいつらは高校1年です。あの、レンタサイクルで…ちょっと…甲府盆地を観光がてらサイクリングしておりました。」

飯田 (…いくら面の皮が千枚張りの小布施でも、やっぱり草ヒロのことは人には言えねぇよな…。)

上田 「そうなんだ~。先輩後輩でサイクリングだなんて、よっぽど仲が良いんですね。“青春”って感じがしちゃうな~。」

小布施 「いえいえ、ハハハ…。」

上田 (このメガネ、てっきりこの子たちの親かなんかなのかと思ってたけど、まさかコイツまで高校生だったなんて…とても高校生に見えね~…)

山中 「まったく、懐かしいやら羨ましいやら…。ここ山梨はいろいろな自然があるから、楽しんで来いよ!もう俺たちのことは気にしなくていいからな!」

清里 「はい!ありがとうございます!…しかし、ここで出会ったのも何かのエン。あなたたちのことは僕たち、忘れませんよ!」

山中 「いいこと言うじゃねぇか!イケメン!」

清里 「いやいや、そんな…ははは…」

笛吹 「レイレイと協力して人助けしたなんて、チョー思い出に残るもんねー、レイレイ!」

清里 「そうだね、スイちゃん!」

上田 「あらあら?もしかしてあなたたち、恋人同士?」

清里 「そうです!この子は僕の彼女で、スイちゃんって呼んでます!」

笛吹 「…で、この子はわたしの彼なの!レイレイって呼んでるんです!」

上田 「ふふん…二人ともカワいいじゃん!レイレイくん、スイちゃんを大事にするんだよ!」

清里 「もちろんですとも!」

上田 「あなた、すっごい可愛らしくて優しい顔してるから大丈夫だろうけど、むしろそのおかげで恋のライバルも多そうね。」

清里 「へへへ、いや~そんなことないですよ~。」

笛吹 「レイレイはわたしの大事な大事なカレなんですもの!他の人に明け渡したりしないわ!」

清里 「僕もスイちゃんのことはだーれにもわたさないもんねー!」

上田 「フフフ…その意気だ!頑張ってね!」

清里・笛吹 「はーい!」

 

小布施 「チィっ…!」

飯田 「先輩…。」

小布施 「…おうよ!なんだかあの三人、怪しくねェか?」

飯田 「ええ。僕は最初っから怪しいと思ってましたよ。…だって、スーツ着た三人組が黒塗りの高級車に乗っているんですよ!うち二人はサングラスまでかけて顔も見せてくれませんし。」

小布施 「ひょっとすると、“その筋”の人かも知れねぇな!こりゃおっかねぇぜ…。」

飯田 「下手したら、“運び屋”とか“受け子”とかやらされそうですよね…。早いとこお別れした方がいいかと。」

小布施 「そうと決まれば…」

 

山中 「ちょっと君たち、さっきからこそこそと何話してんだ?」

上田 「何か話したいことがあったら、話していいんだよ?」

飯田 「あっ…!いえ…その…えー…これはこっちのはなs

小布施 「いや俺たち、お昼ご飯、どこで食べようかな~という話をしていたんですよ。」

上田 「あっ!それなら…」

小布施 「いえ、もう決まったんで、俺も腹減ってきましたし、これでお暇させていただきますね!…おい!飯田!清里!笛吹!行ぐぞ!」ヒューン…!

飯田 「はーい。」ヒュン…!

清里・笛吹 「はッ?…は、はいはい!」

清里 「ええと…じゃあ、なんだか慌ただしくなってしまいましたけど、皆さんさよなら~!」

笛吹 「またどこかでお会いできるといいですね~!」

山中 「おう!クルマには気ぃつけてな!」

上田 「じゃあね~!レイレイくん、元気でね~!あとスイちゃんも~!」

清里 「ありがとうございます!」 笛吹 「皆さんもお気お付けてー!」

秘書 「行ってらっしゃいませ…!」

 

つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』~手下パート編~へ)

 

 

笛吹 「…オブさん、お昼ご飯、どこで食べることにしたんですか?」

清里 「そういえば、僕もお腹減って来たなぁ~。」

小布施 「ちげぇよバカ!あれは、奴らから逃げるための口実だよ!」

笛吹 「逃げるって…何でですか?」

清里 「あの人たち、見た目はともかく、話してみると意外と優しいですよ?ブッセさんやきよはあんま話してないから分からないのかも知れないけどさ。」

笛吹 「ねー。それにレイレイ、特に女の人は中身も見た目もすっごくいい人だったよね!」

清里 「うん!」

小布施 「あのなァ…黒いスーツ着た三人組、なかでも男二人がグラサンかけててよ、黒塗りの高級車に乗ってるんだぜ?」

飯田 「ちょっとは怪しいと思わなかったのか?」

清里 「いや、困ってる人は放っておくわけにもいかないし…。」

小布施 「ま、まあ、それはいいんだけどよぉ…」

笛吹 「それに、見た目は怖そうでも実際話してみるといい人たちだったしねぇ?」

小布施 「カーッッ!…だから、ちげぇっての!ホンっっトにオメェらは分かってねぇな!…悪魔はな、みな優しいもんなんだよ!あの優しさに気を許したところで、一気に態度を豹変させて畳みかけてくるもなんだぜ?“ヤクザ屋さん”ってもんは!」

清里 「や、ヤクザ屋さんって…考え過ぎだと思うんですけどねぇ…。」

小布施 「おめでたさんはこれだから困るぜ!もしあのままズルズルと話しを続けてたら…急にクルマん中押し込まれて、どっか連れてかれてよォ…ヤクの運び屋だとかサギの掛け子出し子受け子…あとはダフ屋行為にノミ行為…最悪、イカガワシイ接客とかやらされてたかも知れねーんだぞ!

清里・笛吹 「ゴクリ…」

小布施 「…もはや、悪事の宝石箱や~!犯罪のエレクトリカルパレードや~!」

飯田 (なんだその例え…)

笛吹 「ひえぇ~っ!やだ怖いよぉ~~レイレイ~!」

清里 「もう逃げたから大丈夫だよ、スイちゃん!…でも…もしあの人たちが本当に“わるもの”だったら…あの女の人がボスなのかなぁ?」

小布施 「いわゆる、女ボス、女組長ってやつだな。…そういや、やけにグラサンの二人がヘコヘコしていたような気もするし…」

 

説明マン

「完全に考え過ぎである。それに、女にヘコヘコしているのは、グラサン男の中でもハゲてない方だけである。」(キートン山田風に)

 

 

――草滅会の連中と、まさかの遭遇を果たし、別れてから数分後…――

 

小布施 「おいおい飯田~。なんだ?ここ…!どこ来ちまったんだよ?」

飯田 「そうですねぇ。斜面に広がる果樹園地帯に草ヒロが居ると思たんですが、思いの外住宅街が広がっていますね。」

小布施 「やっぱり、オレの言うとおりに従ってた方が良かったんじゃねぇのかなァ~?」

飯田 「……チッ」

清里 「あっ!ゆう!…あそこに、古そうなクルマが止まってるお家があるよ!」

飯田 「なに…!?」

笛吹 「あー、ほんとだ~。わたしでも古そうって分かる~。だって、錆びてるじゃん!あのクルマ!」

小布施 「錆びてるだと!?草ヒロじゃねぇかそれ!」

飯田 「おぉ、おおお…!」

 

 

 

 

 

小布施 「す、すげーっ!」

飯田 「フフフ…」チラッ

小布施 「なんだよ飯田その目!…フン。そうだな!草ヒロがあったな!うん!悪かった!…これでいいんだろ?これで!」

飯田 「えぇまあ。とにかく、俺に付いてきといてよかったですね、先輩。」

小布施 「なんだその言い方は!」

笛吹 「まあまあオブさんもゆうくんも落ち着いて…。」

清里 「草ヒロ見よーよ!ね!」

飯田 「そうだな…!」

 

 

 

 

No.026
ダイハツ クオーレ
1982~83年式
用途:物置 場所:廃屋
○ 飯田メモ ○

なんと!どこか怪しげな三人組と別れた後、ふと迷い込んだ扇状地に広がる住宅街の行き止まりにあった廃屋に、草ヒロが三台も放置されていた!草ヒロ探索をしていて、このような瞬間が最も感動するといっても過言ではないだろう…!

行き当たりばったりで道を進み、最奥の地まで来たと思ったら、そこには放棄された廃屋が…というシチュエーション、痺れるなぁ。この寂しげな雰囲気が堪らないのだ。

車種もクオーレというシブい選択。L55系ではミラの方が良く見るだけに、これは更に嬉しいところ。グレードとフェンダーミラーであることから、後期型の前期モデルだということが分かった。

P.S.

博士がいっつも書いているという草ヒロの観察メモ。別行動後はきよと綾が書いていたらしいけど、綾が俺に書くよう頼んできたから俺が書くことにした。こういうマメなメモは個人的には大好きだ。それに、綾に頼りにされてるって思うと……いや、ないでもないさ。

 

笛吹 「あーっ、これ!わたしが見つけた草ヒロと同じじゃない?」

清里 「そうだねスイちゃん!お尻のデザインがすっごくよく似てるね!色違いだね!」

飯田 「いや、これはクオーレと言って、綾が見つけたミラとは似ているけど別物だな。」

清里 「へぇーっ!そうなんだ~!」

笛吹 「ゆうくんってば、さっきから色んなクルマ知っててすごいね!」

飯田 「い、いやぁ…。ちなみに、ミラは商用車だけど、クオーレは乗用車なんだ。」

笛吹 「ふーん。…なんだかよくわかんなーい。」

小布施 「あれだな。ミラはお仕事用で、クオーレは家族みんなで乗るクルマって感じだ。」

清里 「なるほど!ブッセさんナイスフォロー!」

笛吹 「なるほど!すっごい分かりやすい説明でした!」

小布施 「フフン、まあな!」

飯田 (………。)

笛吹 「でさ、奥の方にいるクルマはなんだろ?」

清里 「スイちゃんいこいこ!」

笛吹 「うん!」

小布施 「車種が楽しみだぜ!見た感じ、ホンダのアクティかな、あれは。」

 

 

 

No.027
ホンダ アクティストリート
1981~82年式
用途:物置 場所:廃屋
○ 飯田メモ ○

クオーレと共に廃屋で朽ちていた草ヒロ三台組の一味。『初代アクティストリートか…別に珍しいものでもないな…』と思って前に回ってみると、生産期間が短くてレアな前期型だったのだから驚いた。ミラだと思ったらクオーレだったというのと同じ期待の裏切られ方だ…!これには普段クールな俺でも興奮を禁じ得なかった。

四角いボディを活かして物置となっている様だが、廃屋になっているため、用途は物置でもその実態は遊び草ヒロだろう。持ち主失き後も、未だに健気に物置としての職務を全うしている姿には、心を打たれた。。。

P.S.

俺がこうしてメモを書いている間、きよと綾と小布施は楽し気に会話をしている。俺は無口な人間であることは自覚しているが、蚊帳の外になってしまうのも寂しいものだ。

そういえば…きよと綾は、ミラやタイタンを見つけたときでも普通に会話に入っていたが、いつこのメモを書いたのだろう。

 

小布施 「これはホンダのビジネスカー:アクティのファミリー仕様のアクティストリートってやつだな。」

笛吹 「へぇーっ、そうなんですね~。」

小布施 「俺がこれまで草ヒロ探索したときに何台か見つけてたから知ってた。ちょっと俺がいつも見つけてるやつと顔が違うみてぇだが…前期型ってやつなのかなこれは。」

清里 「なるほどなるほど…。ブッセさんがよく見つけるってことは、これはそんなに珍しくないってことですね。」

小布施 「…まあそうだな!年式が違うだけで、珍しさは変わらねぇだろう。」

笛吹 「ちょっと!こっちの緑色のクルマも気になるね~!」

清里 「車種はなんだろ~?」

笛吹 「オブさん分かります??」

小布施 「むむむ…!?これはだなァ…」

 

 

 

No.028
日産 サニーエクセレント
1973~76年式
用途:遊び 場所:廃屋
○ 飯田メモ ○

アクティと向き合うようにして放置されていた、残る一台の草ヒロの正体は、B210サニー…と思わせておいて、まさかの上級車種のサニーエクセレントだった!…またしてもいい意味で期待を裏切られてしまった…。一体何なんだここは…。

ミラかと思ったらクオーレで、初代中期・後期のアクティストリートかと思ったら前期型で…そして極めつけは、サニーだと思ったらサニーエクセレントだったとは…。上位車種らしく、凝ったデザインのホイールキャップや、輝かしいメッキパーツが装着されているのがいいな。

コイツは特に物置としても使われていないようだ。捨てるのが勿体無くて置いておいたのだろうか…?

P.S.

草ヒロメモを書くのはとても楽しいが、次草ヒロを発見したら、いっちょここは小布施に任せてみよう。TN-7やミラを見つけたとき、さもクルマを知っているか口ぶりだったが、その知識量はどの程度のものなのだろう?試してやれ。

…なんだか、感じの悪い言い方になってしまったかも知れないが、奴は自分だけメモを書いていないという状況は我慢ならないだろうから、ちゃんと役回りを振ってあげているというものだ。

……?またちょっと、トゲのある言い方になってしまっただろうか。…よくないな。俺ときよだったら、きよの方がよほど感じいいだろうな…。綾が大好きなのもよく分かる。きよみたいな優しくて明るくて可愛らしいイケメンとこの俺だったら、そりゃあきよを選ぶわな。仮に俺が女だったらそうするし…。

 

小布施 「うーんとな、…サニー。これは日産の、サニーだな。うん。」

笛吹 「へぇーっ。さすがオブさん、分かるんですねー!」

小布施 「でも、顔は良く見えねぇし、サニーってところしかわからねぇ。顔が見えたら詳細も分かるんだがなァ…。」

笛吹 「じゃあ、こんなときはゆうくんに…ってあれ、ゆうくんどこかなぁ?」

小布施 「…さっきから声がしねぇと思ったら…。…あ、あいつ何か一所懸命にメモってやがる。何してんだ?」

笛吹 「あー、わたしが渡した草ヒロ観察メモね。」

清里 「ブッセさんご存知なかったんですか?」

小布施 「知らねぇな。」

清里 「博士って、いつも草ヒロを見つけたら観察記録を簡潔にまとめて書いてるらしくて、僕たちが別行動するって決まった時に、博士から書いてみるように言われてたんですよ。」

笛吹 「そうです!それで、レイレイが最初に書いて、レイレイが次にわたしに書くようにすすめてくれたんです。」

小布施 「ふーん…なるほどな。」(なんでまずこの俺に頼まねぇんだあのジジィはよォ…)

笛吹 「…で、わたし結構書くの大変だったし、クルマにも草ヒロにもそれほど詳しくないから、次は一番詳しいゆうくん書いてもらうことにしたんですよ~。」

小布施 「そういうことだったか。…じゃあ次俺書くわ。あいつ、メッチャこれからも書く気満々って態度だけどよぉ、この俺が書かなくってどうすんだよ~。俺だけ書かねぇって不公平だろ?」

飯田 「…先輩、何か言いました?」

笛吹 「あ、ゆうくん!」

清里 「ゆう、さっきからずっと凄い熱心に書いてたねぇ。」

飯田 「ふふん、まあね。」

小布施 「おい飯田!そのメモ、俺によこせって!次は俺が書くんだぞ!」

飯田 「…えぇ、別に構いませんよ。」(ククク…案の定食いついてきたな…www)

小布施 「よし、じゃあ!次なる草ヒロを求めて出発だぁ~!…飯田!清里!笛吹!行くぞ!」

清里・笛吹 「おーっ!!」  飯田 「はい はい…!」

 

つづく(『草ヒロ物語3』~小布施チーム編~のみ読みたい人はコチラ)
つづく(『草ヒロ物語3』を通して読みたい人はコチラ)
 
「この物語、そして物語に登場する団体・登場人物は、全てフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。じゃが、草ヒロは実在するから、読者の諸君も探してみるといい。こんな廃屋を、諸君らも見つけられるとええのう!」
「なな、なんと!小布施くんたち、知らず知らずのうちに草滅会のヤツらと交流していたのですね!…ボクたちがヤツらの見た目の特徴を教えていなかったから、全く気付かなかったのでしょうけど。」
「まあ、人助けぐらいはいいんじゃないのか。いくら敵対している存在だからといって、トラブルに見舞われているのに助けないのは人間としてどうかと思うんじゃ。困ったときはお互い様じゃしのう。」
「いや、それは勿論わかってますけどぉ…。」
「まぁ、小布施はヤツらが草滅会だと知っていたら絶対助けんじゃろうが、清里と笛吹であれば、たとえヤツらが草滅会だと分かっていたとしても、助けていたと思うぞ。」
「あの子たち、優しいですもんね。」
「草ヒロの経験は浅いが、そういうところは評価できるのう。」
「…そういえば。飯田くんは助けるでしょうかねぇ。」
「飯田か。奴は基本無口じゃからのう…。イマイチ何を考えとるのかよぉ分からんわい。」
「ですね。」
「今回、ヤツらが発見した草ヒロの観察メモは飯田が書いたみたいじゃが、案外結構書きよるの。」
「草ヒロに対する熱量や知識は、小布施くんをも凌いで新人クンたちの中ではトップクラスでしょうね。そしてクルマの知識は、メモを見た感じでは草田くん、あるいは草田くん以上に詳しそうですね。草研トップクラスですよ!」
「そういう点では見込みのあるヤツじゃな。奴が書いたメモを見てみたら、なぜか奴の胸の内まで追記してあったが、あんなことを考えていたとはのう…。」
「ええ。あれには僕もちょっと驚きましたよ…!無口の人が考えることはよく分かりませんね。…しかし飯田くん、P.S.の部分見られても大丈夫なんでしょうかね?」
「さあの。」
「笛吹さんや小布施くんに見つかったら、なんだか気まずくなりそうな内容でしたが…。」

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