『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ
前回のおはなし(『草ヒロ“撤去”物語3』~ボスパート編~より)
ボス 「…よし、じゃあ続きを話そうか。」
勝沼・牧丘 「よろしくお願いいたします!」
※これより、ボスの実体験に基づいた回想シーン(現代標準語訳)
ボス(16) 「…わかりました!おじさんと手を組みますよ…俺!」
ドン(31) 「…ククク。さすがに決断が早いな。善は急げというものだ。やっぱりキミは見込みがあるよ。」(フッ…やった…)
ボス 「それで、一体どうやって草ヒロを撲滅するんですか?」
ドン 「私の計画では、草ヒロを探索・撤去する団体を全国に展開したいと考えている。一つの都道府県に一つの支部を作り、そこに数名の会員の配置し、草ヒロを撤去するためのユニックや探索車を導入して撤去活動に励むのだ。長野や山梨などは草ヒロが多いから、支局を展開するのも良いだろう。」
ボス 「なるほど…確かにそこまですれば撲滅できそうですが…そこまでするのにかなりの時間と労力とお金がかかりそうですね…。」
ドン 「金に関しては心配するなといっただろう…!金に糸目は付けない。私は金ならいくらでもあるのだ…!それに、草ヒロをこの世から葬るためなら、いくらでも金をかけてもいい。」
ボス 「おじさん…一体何があったの?そこまで草ヒロを嫌うなんて…」
ドン 「お前さんだって草ヒロに親友を殺されたんだから、死ぬほど嫌いだろ?……私にも、私にだって…事情があるのだ…。草ヒロは…絶対に許すことは出来ない存在だ。この世に存在することを、到底許されるべきではない!…この世界に草ヒロなど不要!存在する価値もない!ただのゴミクズだ!社会のガンと呼ぶに相応しいっ!…ハアッ…ハァッ…」
ボス 「……。」(す、凄い顔……)
ドン 「おっと……つい、熱くなってしまったな…。…まあ、何故私がここまで嫌いになったのかは、おいおい話すとしよう。キミも、嫌いになった秘密を私に知られてしまったわけだしな。」
ボス 「ええ。とても気になりますよ…。」
ドン 「実はそのことはまだ誰にも話していないのだ。ずっと心の中に仕舞っておいたことなのだが、話せるのはキミにだけさ。願い事を聞いてくれたお返しだ。」
ボス 「ありがとうございます!」(見た目はおっかないけど、意外と優しいところもあるんだな…)
ドン 「さて、取り敢えず私と一緒に拠点に来てくれ。撲滅するための手立てを共に考えようではないか。」
ボス 「拠点…?」
ドン 「だから、草ヒロを撲滅するための組織の本部だよ。私が購入した家さ。目立つといけないからボロ屋なんだが、案外居心地がいいんだぜ?」
ボス 「…ハイ!…ではおじさん、よろしくお願いいたします…!」
ドン 「フフ…」
そして、私と“あのお方”は、草滅会を二人で創り上げていったのだ。
最初の活動は地道だ。
とりあえず協力者を増やすために、草ヒロがいかに有害な存在であるかということを、ビラや街頭演説でアピールしたのだ。私は学校がないときにしか活動は出来なかったが、“あのお方”はいつも尽力なさっていた…。活動する場所も、草ヒロや放置車問題に頭を抱えている人間が多い地域を選んだ。
この活動に眉をひそめる者もいたが、尽力した甲斐あってか…徐々に我々の活動に賛同する者も増えていったのだ。
そして私は、“あのお方”と共に活動していく間に、“あのお方”の優しさに触れ、元気も出てきた。最初はぎこちなかった関係も、どんどん親密になってきた。
そして、よっちゃんを失った傷は完全に癒えたわけではなかったが、日々の広報活動や草ヒロ捜索活動も、よっちゃんの仇を打つためだと考えると、気分は楽になったものだ。
そして…“あのお方”との出会いから数年が経過し、会員数が100名を超した時、ついに、『草ヒロぼくめつ会』が正式に設立され、“あのお方”は会長になり、私は“あのお方”から直々に本部長として任命された。
説明マン
「説明しよう!この回想では『草ヒロぼくめつ会』となっているが、これは現代標準語訳されているからだ。草滅会が設立された当時はまだ“草ヒロ”という単語が存在していなかったため、実は設立当初は『放置車ぼくめつ会』略して”放滅会”という名前だったのだ!」
「某雑誌によって“草ヒロ”という単語が作られ、そして“草ヒロ”という呼び方がメジャーになってきたときに、現在の草ヒロぼくめつ会という名前に改められたのである。よって、これまでの回想や以下の回想でも、本来は“草ヒロ”ではなく“放置車”や“廃車体”と言っているのだ!」
ドン(??歳) 「諸君!諸君らの精力的な活動のおかげか、私の同胞はついに100名に達した!これを記念して、この集まりを、『草ヒロぼくめつ会』と正式に命名する!」
会員 「うおおーっ!!おーっ!」パチパチパチパチパチ!
ドン 「しかし!…まだ全国展開というにはほど遠い!神奈川や山梨・長野をうろついているだけに過ぎん!いつかは全国に同胞がいるように、諸君らは『草ヒロぼくめつ会』の会員としての矜持をもって、責任を果たしてもらいたい!」
会員 「ははーっ!」
ドン 「それでは!いくぞ!…『我々は草ヒロを撲滅するために!我々はこの世から使命を帯びた!そうだ!草ヒロは撲滅されるべき存在!殲滅されるべき存在!この世から草ヒロをなくすために!我々は今日も頑張るぞ!撲滅だ!撲滅だ!撲滅だ!』」
会員 「我々は草ヒロを撲滅するために!我々はこの世から使命を帯びた!そうだ!草ヒロは撲滅されるべき存在!殲滅されるべき存在!この世から草ヒロをなくすために!我々は今日も頑張るぞ!撲滅だ!撲滅だ!撲滅だ!」
ドン 「草ヒロぼくめつ会、万歳!!」
会員 「……!…草ヒロぼくめつ会、万歳!!」
ドン 「そうだ。…これからは、最後に『草ヒロぼくめつ会、万歳』…と、言うことを忘れぬようにな…!」
会員 「ははーっ!承知いたしました鉄木代様っ!」
会員 「…我々は草ヒロを撲滅するために!我々はこの世から使命を帯びた!そうだ!草ヒロは撲滅されるべき存在!殲滅されるべき存在!この世から草ヒロをなくすために!我々は今日も頑張るぞ!撲滅だ!撲滅だ!撲滅だ!草ヒロぼくめつ会、万歳!!」
ドン 「ククク…。」
※回想終わり
ボス 「…と、いうわけだ…。」
牧丘 「イヤー素晴らしいお話ですね!草滅会が設立されたのは、そういういきさつがあったわけだったのですか!」
勝沼 「いつ聞いても素敵なお話でございます!」
牧丘 「…ところで、“あのお方”が草ヒロを嫌いになったのはなぜなんでしょうね?」
勝沼 「こら牧丘!そんなことを聞くもんじゃない!それは草滅会の中でも、信濃様しか知り得ない機密事項なのだぞ!」
牧丘 「へぇっ?そうなんですか?」
勝沼 「そうだそうだ!…“あのお方”の過去を探ろうなど、不敬にも程があるぞ!」
ボス 「まぁまぁ、気になるのは分かるからあまり言ってやるな勝沼よ。」
勝沼 「は、はぁ。」
ボス 「…だが、さすがの私でも、そのことについては話すことは出来ない。すまないな。」
勝沼 「とんでもございません信濃様…!こちらこそ、ウチの牧丘が無礼を働いて申し訳ございませんでした…。」
ボス 「…しかし話してスッキリしたな。……そうだ。アイツらに連絡を取っておくか。」
勝沼 「あいつら…と、仰りますと?」
ボス 「私の可愛い部下と秘書さ。体調も回復したわけだし、そろそろ合流したい。」
勝沼 「はっ!左様でございますか!…とあれば、場所を教えてくださればどこへでもお送りいたしますよ!」
ボス 「すまないな。…では、そうさせてもらおうか。…ちょっと電話を失礼するぞ。」
勝沼 「はい!どうぞどうぞ!」 牧丘 「お構いなく…!」
――その頃…山中たちは草ヒロを見つけていた…――
前回のおはなし(『草ヒロ撤去物語3』~手下チーム編~より)
No.028
日産 ダットサントラック
ジャマレベル:★★☆☆☆(私有地にあるとはいえ、果樹園のど真ん中にあるからオーナー的にはジャマでしょう。)
景観悪レベル:★★★★☆(草ヒロの状態が汚らしいことはもちろんですが、周囲に散乱しているゴミや掘立小屋が、その汚らしさを倍増させています。これは、みんなまとめて撤去すべきでしょう。)
貴重レベル:★★☆☆☆(520型ダットサントラックは、インパクトの割には珍しさは薄いです。)
総合評価:汚らしいからには、撤去。ただ、それだけです。
山中 「うほっ!これは撤去し甲斐ある草ヒロだなぁ!」
上田 「そうですね!いかにも汚らしい草ヒロって見た目ですもん!」
秘書 「ドアの外装は剥がれ…屋根は抜け…一体何をしたらここまでの状態のなるのでしょうか。…いかにも臭そうで、有害物質を垂れ流していそうです。」
山中 「こんなもん見つけちまうと、やっぱり草ヒロは害悪だって改めて気付かされるな!」
上田 「生かしてはおけませんね!」
秘書 「ユニックで釣り上げたときに崩れそうなので、その点はちょっと注意しなくてはなりませんね。わざと崩して二回に分けて運ぶのもよさそうですね…フフ…」
上田 「さすがユニックの水篶さんですね…。」
山中 「撤去の専門家はさすがに着眼点が違うなぁ。」
秘書 「いえいえ。…とは言え、どのように草ヒロを撤去するか考えるのも、草ヒロの楽しみ方の一つでございますから…。」
山中 「さっき草研のガキどもにボロボロの軽を奪われたから、こういう草ヒロを見つけられるとスッキリすんな!」
秘書 「不完全燃焼でしたからね。ロクに観察することも出来ず…」
ブーッ!…ブーッ!!
山中 「おっ、電話だ。」
上田 「まさか…ボスから!?」
山中 「どれどれ…おおっ!…ボっ、ボスだ…!」
秘書 「…と、いうことは…」
上田 「おおっ!?」
山中 「こちら草滅会本部会員の山中でございます。」
………
山中 「……!……ボス!ボスですか!?」
上田・秘書 「……!」[二人顔を見合わせる]
山中 「…ご無事でしたか!ボス!……本当に良かったです!ずっと心配でした…!ボスゥ…!」
………
山中 「…いえいえ、とんでもございませんよ…!」
上田 「ウフフ…山中さん、すごく嬉しそうですね!…もちろん、あたしもですけどっ!」
秘書 「私も、信濃様がご無事だったことは大変嬉しく思います。フフ…。」
山中 「…はい!…はい!」
………
山中 「…えっ?合流ですか!もちろんですとも!俺も、ボスとずっと探索したかったんですから!」
………
山中 「……ええ!ボスの普段からのご指導のおかげで結構草ヒロが見つかりました!リンゴも水篶さんも…もちろん俺もですけど、草ヒロを見つけて…」
上田・秘書 「フフフ…」
山中 「…そして……ボスに、一つお話ししなければならないことがあるので……っそのためにも、すぐに合流しましょう!」
………
山中 「…ええ。場所は……。」
つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』~チーム山中~編のみ読みたい方はコチラ)
――その頃ボスたちは…――
………
ボス 「…私も、お前らと再会することを楽しみにしてるよ…フフ。」
ツー,ツー,ツー…
ボス 「すまないな。…というわけで、**市の***の****へ向かってくれ。」
勝沼 「承知いたしました、信濃様!」
牧丘 「しかし信濃様の部下の方、凄く嬉しそうでしたね…!」
勝沼 「興奮気味に話しているのが伝わってきましたよ。」
ボス 「フッ…聞こえていたか。あいつらはいい部下だよ。あのような部下をもてて、私は幸せ者だ…。」
勝沼 「私も信濃様のようなお方が本部長で幸せでございますよ!」
牧丘 「全くその通りです!」
ボス 「…ハハ、よせよお世辞は…。」
勝沼 「滅相もございません!」
ボス 「しかし、電話して気になることが一つあったのだが…『話したいこと』ってなんだろうな。」
勝沼 「話したいこと…ですか。」
牧丘 「草ヒロではありませんか?」
ボス 「草ヒロだったら、収穫が凄かっただのレアモノを見つけただのって言うと思うんだがなぁ。」
牧丘 「…うむむ。仰る通り…。」
ボス 「それに、ちょっとだけ声のトーンが下がったような気もした。…なんか深刻そうな雰囲気を一瞬感じたよ。」
牧丘 「なんか悪いニュースかなんかですかねぇ?」
ボス 「…まあ、杞憂だといいんだけどな。」
勝沼 「信濃様、ナビの設定が完了いたしましたので、目的地へと向かいます!」
ボス 「よろしく頼む。…さっきから助けてもらってばかりで申し訳ないな。」
勝沼 「いえいえ。我々が今こうして活動できるのは、信濃様のたゆまぬご活躍のおかげでございます故。信濃様の頼みとあらば、何でも承りますよ!」
牧丘 「会員としては当然の務めでございます!」
つづく
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
撤去された後の風景をご紹介するお馴染みのコーナー:“その後の様子”は、準備中でございます。
もう少しお待ちくださいね。
「この物語、そしてこの物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いことを覚えておいてくれ。だがしかし、草ヒロが撤去されたというのは本当だぞ…!」
「いよいよ次回で最終回ですね!ボス!」
「長いようで短い探索だったな。波乱の展開が次々と巻き起こって、刺激的な探索になったよ。」
「いよいよ次回でボスと再会できるって思うと、居ても立っても居られませんね!」
「どのような再会になるのか、楽しみだな…。」