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――小布施たち四人は、草ヒロを求めて果樹園地帯を東から西へと渡っていた…。既に正午はとうに過ぎた頃のこと…――
飯田 「おぉっ…!見てください先輩。草ヒロですよ…!」
小布施 「やれやれ…やーっと見つかったか~。」
笛吹 「セットの草ヒロ見つけてから随分走ったような気がするけど…いったい今どこなの?」
清里 「はぁ~…。いくら電動っても、漕ぎ続ければさすがに疲れるね~…。」
笛吹 「ねー。」
飯田 「ふむ。…どうやら、ここは**市のようだな。」
笛吹 「…どこそれー?わかんなーい!」
小布施 「甲府盆地の***の辺りだよ!山梨探索すんってんなら山梨の地理ぐらい勉強してこい!」
笛吹 「ちょっとぐらいは知ってますよ~?…でもぉ、全て知ってるワケじゃないんですから…。」
小布施 「言い訳無用!だから勉強しろっつってんだよっ!」
笛吹 「はーい、すみませーん…。」
清里 「もう、ブッセさんたら…笑」
No.034
ダイハツ ハイゼットパネルバン
1974~79年式
用途:物置 場所:果樹園(モモ)
○ 清里メモ ○
きよによると、ハイゼットって名前のクルマの4代目で、中期型らしい。顔も何にも残ってないのに…よくそこまで分かるなぁ。僕なんか、DAIHATSUって書いてあるプレートからダイハツのクルマだって分かるのが精一杯だよ。
あと、タイヤが地面に半分近く埋まってるのがビックリした!
さっきまで見つけてきた草ヒロとは違って、邪魔する物もないし、ジックリ近くでハッキリと観察できたから気付いたんだけどね…。
かなりの時間放置されてきたんだろうなぁ。このボディの錆もすさまじいし…時代を生き抜いてきた長老さんって感じがしたよ。
P.S.
草ヒロメモ、ブッセさんが書けって言ってきたからまた書くことになっちゃった!
まあこれも、草研でうまくやってくためには必要なことなんだろうな。これから頑張ろっ…!
飯田 「ふーん。サブロクたまごハイゼットの中期型か…。」
笛吹 「ねぇこれさぁ、ここまで疲れた甲斐はあったって感じの草ヒロじゃない?…それだけはわたしにも分かるよ!」
飯田 「そうだな。凄い錆びてるしな。中々見ごたえがあるぞこりゃ…。」
小布施 「パネルバンみてぇだけど、これはモノ沢山詰めそうでいいよなぁ。」
笛吹 「ええ。中身とか見えなくて、プライバシー的にも安心ですよね~。」
清里 「錆びすぎて壊れそうなのがちょっと心配だね…。」
飯田 「うん。これはちょっと酷い錆だな…。表面的な錆なら問題ないんだが、鉄の内部まで侵食しているんなら、いつ崩れてもおかしくないかもな。」
笛吹 「…にしても静かなところー。周り果樹園しかない…。」
小布施 「ここは日本でも有数の桃の果樹園地帯だからな。見渡す限りモモの果樹園だ。」
清里 「近くの川のせせらぎの音が癒されちゃうな~♪」
笛吹 「果樹園用の水路かなんかなのかなぁ。小っちゃくてすっごく可愛いかも!」
清里 「うん!まるでスイちゃんみたい!」
笛吹 「えへへ~///」
飯田 「…良い時間になって来たなぁ。…もうそろそろ1時かぁ。」
笛吹 「さすがにお腹空いたよぉー…。」
清里 「それなー。ブッセさん、僕たち、お腹ペコペコなんですけど~…」
飯田 「先輩、俺もちょっと腹ごしらえしたくなったんですが。」
小布施 「うむむ…。博士らに先を越されたくはない…が…!腹が減っては戦は出来ぬというし……昼飯に、すっか!」
清里・笛吹 「やったー!」
清里 「ブッセさんありがと~!」 笛吹 「オブさんは命の恩人!」
小布施 「急に元気になりやがってコイツらはぁ…!」
飯田 (やれやれ…笑)
清里 「メモも書いたし写真も撮ったし…それじゃあ行きましょうか!お昼!」
笛吹 「おっひる~~♪おひる~♪」
飯田 「…あぁ。そうだな。どこ食いに行こうかなぁ…。」
清里 「わぁー!いざ食べるってなると迷うね~!…やっぱここは、ファミレスでしょ?」
笛吹 「それなー。わたし色々食べたいし、デザートも食べたい!」
飯田 「…俺は、すぐに飯が出てくるマックとか吉牛がいいんだが…。」
清里 「うーん…。ゆうの言うように、確かに早くご飯食べて探索した方がいいのかなぁ。」
笛吹 「えぇー?…オブさんどう思います?」
清里 「そっか!やっぱリーダー格の人が決めるのがいいですよね、こういうことは!」
飯田 「鶴の一声ってやつだな。…先輩、どうですか?」
小布施 「…うーむむむ…。」(確かに飯田の言う通り…草ヒロ探索をするなら、牛丼屋だとかラーメン屋みてぇな一品料理の店が良いんだろうが…。実は俺もファミレスでガッツリ食いたいのだ…。)
飯田 「先輩…?」
清里 「ブッセさんも迷ってるのかなァ。」
小布施 「うーむむむ…。」(しかし、草研の人間として、そんな考えでいいものか…ファミレスがいいなんて言ったら、こいつらに示しが付かん…。)
清里 「流石のブッセさんでも迷っちゃう?食べ物のこととなると!」
飯田 「先輩。俺らのことはいいんですよ?別に。」
笛吹 「…あれもしかして、さっきのひと悶着で、自己主張できなくなっちゃった系ですか?」
清里 「こらスイちゃん、ブッセさんに面と向かってそんなこと言っちゃ駄目だよ?」
笛吹 「テヘ!」 飯田 (影だったら言っていいのか…)
小布施 「うるせぇぞ…。」(…ち、違う。そんなことはない…!)
清里 「ほら?言わんこっちゃない…!」
笛吹 「あーん、オブさんごめんなさ~い!」
小布施 「…よしっ!!」
清里 「うわっ!?」 笛吹 「わわっ!?」 飯田 「…!」ビクッ!
清里・笛吹 「ついに決めましたか!?」
小布施 「…ジャンケンだ!!」
清里・笛吹 「へ?」
小布施 「ジャンケンで決めるぞ!これが一番公平だ。」
笛吹 「あー、そっかー!確かにその手があったよね~。」
清里 「僕じゃ思いつきませんでしたよ!ブッセさん、いいアイデアですね!」
飯田 「…しかし先輩、案外と民主主義な面もあるんですね。先輩だったら自分の好きなようにすると思っていたんですが。」
小布施 「あァ?…なんか文句あんのか?」
飯田 「い、いえいえ、全然大丈夫です…。はい。」(やっぱおっかねぇな…ハハ…)
小布施 「…ってことでじゃあ、昼飯ジャンケン、行くぞぉ!」
清里・笛吹 「ハイッ!」 飯田 「はい…。」
小布施 「最初はグー!」
一同 「ジャン?」
一同 「ケン?」
…
一同 「ポンッ…!」
笛吹 「あーっ!負けたぁ~!」 小布施 「ふむ…。」 清里 「おぉっ!やったー!」 飯田 「クッ…。」
清里 「勝った勝った~!僕の勝ち~!…ってことで、ファミレスがいいです!」
笛吹 「わたしもファミレスが良かったからいいよ!」
小布施 「おう、それじゃそうしようか。」(よし…計算通りだ…ククク…)
飯田 「…うー…。まあ、ファミレスってなったらファミレスでいいんだけどさ。どこがいいんだよ?」
笛吹 「えーとねー、わたしロイホかジョナサン!」
飯田 「えっ?きよが決めるんじゃねぇの?」
笛吹 「ほぇ?」
清里 「いや、いいのいいの!こっからまたジャンケンで行くファミレスを決める人を決めればいいじゃん!」
飯田 「…めんどくせぇ…。」
清里 「嫌ならゆうは参加しなくていいんだよ?」
飯田 「う……。」
小布施 「おーし!いいアイデアじゃねぇか~清里~!これで俺にもチャンスが回って来るってわけか!」
笛吹 「オブさんなんかやる気ですね…。もしかしてホントはファミレス行きたかったのでは…?」
小布施 「るせぇっ!」
笛吹 「ウフフ…。」
清里 「じゃあ、僕はサイゼかびっくりドンキーがいい!」
笛吹 「わたしはさっきも言ったけどロイホかジョナサンね。」
小布施 「俺はナァ…ステーキガストかビッグボーイだ!」
清里 「…がっつりいきますねぇ…。」
笛吹 「やっぱ腹ペコだったんだよオブさんも!」
清里 「…で、きよは結局どこでもいいの?」
飯田 「…んーと、じゃあ……やよい軒がいいかな。」
清里 「おっけー♪」
笛吹 「なんだ~、ゆうくんもなんだかんだで食べたい店あんじゃん!」
小布施 「じゃあとっととおっぱじめようぜぇー!!…最初はグー!」
一同 「ジャン?」
一同 「ケン?」
…
一同 「ポンッ…!」
清里・笛吹 「あーん!」 小布施 「だーっ…!」 飯田 「…。」
一同 「…あーいこでー…?」
…
一同 「ポンッ!!」
小布施 「っっしゃー!俺の勝ちだァ~!」
清里 「じゃあ、ステーキガストかビッグボーイってわけですね。」
飯田 「しかし、こんな所にあるのか…?」
小布施 「調べるか!……どれどれ…?」
小布施 「はァ~?この近くにねぇ!ステガもボーイも!」
飯田 「やっぱりな…。」
小布施 「一番近くても甲府市の中心街まで行かなきゃなんねぇ!」
清里 「んーまあ、行けなくはないですけど…。」
笛吹 「わたしもう疲れたよぉ~…」
飯田 「俺はせめて、笛吹市くらいまでなら行けるんですけどね…。」
小布施 「じゃあ、その範囲で行けるレストラン探すか…!」
清里 「じゃあ、もっかいジャンケンしよ!」
飯田 「元気だな…お前…。」
清里 「だーってお昼がかかってるんだもーん!」
笛吹 「じゃあ、わたしとゆうくんとレイレイでジャンケンね!」
清里 「うん!」
飯田 「いや、俺はもう何でもいいかな。」
笛吹 「なーんだ。つまんないの~。」
清里 「じゃあスイちゃん、いっくよー!」
笛吹 「いつでもきて!レイレイ!」
飯田 (やれやれ…。)
清里 「最初はグー!」
清里・笛吹 「ジャン!ケン!…ポン!」
清里 「やったー!」 笛吹 「あーん!また負けた~!」
飯田 「結局きよが勝つのか…」
小布施 「よしじゃあ清里、お前どこ行きたいんだっけ?」
清里 「サイゼかびっくりドンキーです!」
小布施 「じゃあ調べてみっか。びくドンはあるか分かんねぇけど、サイゼはさすがにあるだろ…。」
つづく(『草ヒロ物語3』~The epilogue~へ)
「この物語、そして物語に登場する団体・登場人物は、全てフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。じゃが、草ヒロは実在するから、読者の諸君も探してみぃ。」
「あれま。最終回だってのに、なんか、半分以上『どこで昼ご飯を食べるのか?』っていう話じゃありませんか今回?」
「うむ。…まあ、高校生らしくて微笑ましい気もするがの。ホッホッホ。」
「あら博士、柄にもないことを言いますね。確かにそうなんですけど…最終回ですよ?『3』の!」
「柄にもないは余計なお世話じゃ。…まあ、仲が深まってくれれば団結力も上がるし、そうすれば探索スキルも底上げできるし、草滅会と遭遇したとしても対処しやすくなるじゃろうから、ワシとしては構わんのじゃ。」
「まあ…それもそうですね!」(最終回なのになぁ…)