今回は、かつて一世を風靡した日産の功労車のネオクラが二台登場します。
…さて、みなさんは何を思い浮かべますか?
日産 ブルーバード SSS(U13)
1991~93年式
神奈川県西部にて 2015年4月15日撮影
まず一台目。ブルーバード。
現在はシルフィという名前に変わり、ブルーバードの名は完全に消えてしまいましたが、系譜は潰えずに残っています。
しかし、随分と影が薄くなったものです。ブルーバードシルフィの頃は結構見かけていたのですが、シルフィになってからは急に見かけなくなった気がします。モデルチェンジも随分と行っていませんし、このまま忘れ去られそうな気も…。
かつては好敵手で熾烈な販売競争を繰り広げたトヨタも、コロナの後継:プレミオの販売に苦労しているようですし、このクラスのセダンはもう需要がほとんどないのかも知れませんね。
さて、このブルーバードですが、これは9代目となるU13型。個人的にはどうも印象が薄いモデルです。
310~U12ブルは草ヒロや放置車として、あとはイベントや博物館でよく見かけますし、U13の次のブル――すなわち最後のブル――であるU14型は僕が小学校低学年の頃はそれなりに走っているのを見かけていましたから、懐かしの記憶の中には刻まれています。
それに対してU13は草ヒロや現役としても見ないし、昔見かけた記憶もあまりない…ということで印象が薄いのです。
また、U13はセダンとHTでデザインが大きく異なっているというのも、印象の薄さに加担しているのかも知れません。
これはセダンモデルですが、U13のセダンに出会うのは恐らくこれが初?
これに出会うまでは、HTの顔だけがU13の顔だと思っていましたからね。
グレードは、お馴染みのスポーツグレード:SSS。U13においては、SSSはセダン専用グレードのようです。
日産 サニー 1500
スーパーサルーン(E-FB14)
1994~95年式
神奈川県西部にて 2015年4月15日撮影
二台目はサニーでした。
こちらもブルーバード同様、1960年代から続く歴史ある車名でしたが、B15サニーをもってサニーの名はなくなりました。
日産によると直々の後継ではないらしいですが、サニーが担っていたポジションはティーダラティオに任されることに。
しかし残念ながら、販売不振によりティーダラティオの後継であるラティオは日本での販売が中止され、ブルーバードとは違ってサニーの家系は完全に途絶えることとなってしまいました。
これに関してはトヨタとは対照的です。
サニーのライバルだったカローラは、カローラスポーツのおかげでこれまでの『年寄り専用車』という印象を大きく変えることに成功し、再び表舞台に立てるほどの注目が集まるようになりました。
プレミオはリストラの瀬戸際に立たされているようですが、カローラはしばらくは安泰のようですね。
閑話休題、サニーの話に戻りましょう。
このサニーは、バブル絶頂期に開発されたB13型の次の世代のB14サニーです。先程紹介したU13ブルとは同世代に当たります。
バブルが崩壊したことで、このクラスの大衆車に不相応な豪華さを誇っていたB14とは打って変わって、身の丈をわきまえたようなシンプルな大衆車になりました。
…とは言え、前期型のデザインは派手さはないものの、どこか個性的な雰囲気も醸し出しており、リアの横一文字テールランプに至っては歴代随一の特徴的なデザインだと思います。
何回かのマイナーチェンジによって、せっかくシンプルだったフロントのデザインがゴチャゴチャしてきたり、リアのテールランプが没個性的なデザインになってしまったのは、個人的には残念に思いますね。