スズキ ワゴンR
RX(E-CT21S)
1995~97年式
神奈川県西部にて 2015年4月2日撮影
※撤去されました
『乗用車感覚で乗り回せる背高ノッポな軽自動車』という、今までありそうでなかったコンセプトを引っ提げて、1993年に登場したワゴンR。
ダイハツのムーブ、ホンダのライフ、スバルのプレオ、三菱のトッポBJ…軽自動車を製造している全てのメーカーが対抗商品を出すという、軽自動車の一大ジャンルを築き上げた偉大なクルマです。
実は軽トールワゴン、ミニカトッポがワゴンRよりも先に登場していますが…あれはただ、ミニカの背を高くしただけのクルマ。座面はミニカと同じ高さであるため、足元はミニカと同じ窮屈さです。それゆえ、ワゴンRのコンセプトとは似て非なるものとして考えるべきでしょう。
その点ワゴンRは座面を高くしてあるので、居住性はかなり良好とのこと。
こう見えて実は、ミニカトッポと全高はほとんど変わらないのです。
コンセプトは奇をてらっていますが、デザインはシンプルで、気取らずガンガン使い倒せる良き生活の相棒になりそうな道具感を演出。
ワゴンRはモデルチェンジを繰り返すごとに乗用車チックになっていくわけですが、個人的には初代前期型のデザインが一番好きですね。
また、初代は左右非対称のドア数の4ドアモデルも用意されており(一応2代目にもありますが)、それがまた実用性を度外視した遊び心を感じさてくれるのですよ…!
現在ワゴンRは、ワゴンRがベースになって大ヒットしたハスラーのあおりを受けて売れ行きが伸び悩んでいますが、今後のモデルチェンジに期待したいところ。3年ほど前にリリースされた現行ワゴンRのFAモデルは、初代を意識した原点回帰を狙ったような見てくれではありますが、どうせやるならもっと初代に似せた方が良かったと思います。
デザインのせいだけで売れ行きが悪くなっているわけではないでしょうが、秀作デザインを連発していた2010年代のスズキにしては、どうも半端なデザイン感があるのは否めません。
…ワゴンRについていろいろ語ってしまいましたが、この個体についてのお話をしましょう。
実はコレ、僕が小学校低学年の頃から存在を知っていた歴史ある放置車両。家のすぐ近くにあり、チャリで友達の家に遊びに行く時や、クルマで買い物に行くときに近くを通っておりました。
しかし、古くないという理由で長らく撮影していませんでしたが、ネオクラを撮影しまくる探索であることと、フォロワーさんというゲストを交えて行った探索であること、そして初代ワゴンRがすでに見かけなくなっていたこともあって、初の撮影に踏み切りました。
タイヤの空気は多少抜け、ボンネットのコーティングは剥がれ、ナンバーは隠され、放置車としての貫禄はありますね。
丸いボールが付いたアンテナや、ダッシュボード上のファー、どでかいドアバイザーなど、90年代~00年代に流行ったヤンチャなカスタムが懐かしい一台でした。昔はこれまた懐かしのアイラインも付いていたのですが、どういうわけかいつの間にかなくなっていました。
…そしてこの子を撮影した1年後、ついにはワゴンRそのものがなくなってしまいました。いくら古くないとはいえ、昔から知っている草ヒロだったので寂しかったですねぇ。
年式とグレード判定ですが、フロントグリルのデザインとヘッドレストの形状より、前期型の中期or後期モデルと分かり、カラードバンパーが装着されていてボンネットにエアインテークがなく、尚且つドア枚数が4枚のため、NAグレードの中では最上級のRXと分かりました。
スズキ ワゴンR
RX(E-CT21S)
1995~96年式
神奈川県西部にて 2015年4月2日撮影
※撤去されました
実はこの探索ではもう一台ワゴンRの放置車を発見しました。
昔からその存在を知っていた一台目の個体とは対照的に、この子は今回の探索で初めて見つけたもの。たまに通る道沿いにいたのですが、まさか草ヒロが居たなんて…。
おそらく、一見すると草ヒロに見えないからいままで気付かなかっただけだと思われますが…。
タイヤに草が絡まっているので放置車なのは間違いないです。
リアしか写していませんが、フロントは先程お見せしたので…爆
……し、初代のワゴンRは、リアスタイルもとっても魅力的なんですよ!
この個体の年式・グレード判定ですが、ヘッドレストの形状より、前期型の中期モデル以降の個体と分かり、リアにドアハンドルが付いていてホイールがスチールホイールであるため、前期型の中期モデルでグレードがRXと分かりました。
前期の後期モデル以降は、RXにはアルミホイールが履かされるため細かい年式の判定ができるのです。