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東御 「…博士に助手さん、ちょっと提案なんですけど、果樹園ばかり探すのではなく、一回住宅街に入ってみてもいいんじゃないですか?」
清里 「たしかにずっと果樹園の中にいると、また草滅会の人たちに出会ってしまうかも知れないしね~。」
東御 ……ピッ 「…だよな!助手さん、住宅街へ向かいましょうよ!」
助手 「うん、そうだね。僕もそれがいいと思うよ。」
笛吹 「これまで家ばかりの草研の周りで探索してきましたが、結構草ヒロが見つかりましたもん!長野の住宅街でも見つかるかもですよ!」
助手 「長野の住宅地ならではの放置車が見つかるかも知れないね!…というわけで博士、果樹園は草滅会とバッティングしないようにすることも兼ねて、住宅地へと向かいます。」
博士 「うむ。いいんじゃないのか。いろいろな場所に出向いていろいろな草ヒロを観察・記録したほうが、草ヒロ学的にも収穫があるというもんじゃわい。」
…………
――住宅街にて――
…………
東御 「助手さん!向こうの駐車場に、見るからに放置されてるクルマがいますね。」
助手 「あ、ほんとだ!あれは放置だね完全に。」
笛吹 「たいくんさっすがー!」
清里 「大気の予想通りだったね~!こんなすぐに草ヒロが見るかるなんて…!」
東御 「へへへ、まあな~。」
博士 「オヌシ、中々スジがいいんじゃないのか。」
東御 「あざっす博士!」
…………
…………
助手 「…じゃあ、さっそくクルマを降りて撮りに行きましょうか!住宅街ですし、いつでも動けるようにボクはクルマの中で待ってますよ。」
清里・笛吹 「ありがとうございます草川さん!」
東御 ……ポン 「…あっ、草滅会の奴らがこっちへ向かってるようですよ!」
博士 「ナヌッ?」
東御 「また新入りの奴らのようです。」
助手 「まさか…」
清里 「何でここが分かるんだろ~?」
笛吹 「まるで後をつけてるみたいじゃん。こわーい…。」
清里 「スイちゃん、僕が付いてるから大丈夫!」
笛吹 「レイレイ~!」
東御 「まあ、偶然だろう。こういうこともあるんじゃないのか。」
助手 「…なんかボクたち、毎回の探索で草滅会に一回は必ず遭遇してますけど、これってかなりの偶然ですよね、博士。」
博士 「うむむ…いわゆる、“腐れ縁”というやつじゃろうかのう。」
助手 「正直切りたい縁ですよね。」
東御 「…あの、もしかしたら奴らもうすぐこっちに来るかもしれないんで、サッと行った方がいいんじゃないですか?…あ、俺はクルマの中に隠れてます!草ヒロメモは車内で書きますから!助手さんもどうぞ草ヒロのところへ行ってください!」
助手 「う、うん。ありがとう。じゃあ、そうさせてもらうね。」
No.038
ダイハツ ミラ
1983~85年式
用途:無し 場所:駐車場
○ 東御メモ ○
軽ボンバンブームの発端となったスズキのアルトに対抗して、長年のライバルメーカー;ダイハツが送り出した刺客がコイツだ。
昔ながらの丸目だったアルトよりも先進性をアピールして、角目ライトで登場。当時にしては斬新だった角目ライトを60年代に採用したのも巨泉ハイゼットやフェローだったし、ダイハツは角目ライトが好きなのかもな。
…ところでこれは、特に物置としても使われていない、一部の草ヒロマニアの間では『遊び草ヒロ』と呼ばれている形態の草ヒロだ。言い方は悪いけど、ぶっちゃけ駐車場の“穀潰し”というわけで、正直撤去されても仕方がない気がする。
…こんなこと書いたら博士に怒られそうな気もするけどな笑
P.S.
草ヒロメモ。今日の探索でまだ書いてないのは、助手さんの話によるとあとは博士だけらしいから、博士に渡すか。…なんか怒られそうな気もするけどな笑(二回目)
清里 「ふーん、軽自動車の草ヒロなんだね~。」
笛吹 「この後姿…もしかしてこれって…」
清里 「あっー!」
清里・笛吹 「昨日見つけた草ヒロじゃん!」
笛吹 「オブさんとゆうくんと一緒に自転車で探したとき、あたしがこっちかもって言った先で見つけたやつと同じだよね!」
清里 「うんうん!…それに、廃屋のそばにいたのとも同じだよね!…まあ、それはゆうによると、乗用と商用で厳密にいうと違うクルマみたいらしいけど。」
博士 「ほーん。オヌシら、昨日の探索でもミラを見つけたのかの。」
清里 「そうなんです。このクルマって、結構草ヒロで見つかるんですか?」
博士 「うーむ…ワシはあまり車種の観点から草ヒロを研究しとらんから何とも言えんがの、多い方なんじゃないのか。」
清里 「なるほど~そうなんですね~。…あっ!…草ヒロを車種の視点から研究するのもいいかも!」
助手 「おぉ、いいじゃん!博士もやってないような新たな研究テーマで研究していくのもいいと思うよ。」
清里 「えへへ、やっぱりそうですよね!」
笛吹 「じゃあわたしも、レイレイと一緒にけんきゅーするー!」
清里 「一緒に頑張ろうね、スイちゃん!」
前回のおはなし(『草ヒロ“撤去”物語4』~新入りパートより~)
チャン 「アラアラアラ~?」
清里・笛吹 「えっ!?」クルッ
大月 「もしかして君たちって、草研の人たちですよね~?」
原 「まーたアンタたちと会うなんて。…ツイてるんだかツイてないんだか…まったく…!」
松本 「まぁまぁデブ美さん、草ヒロの前で出会えたんですからいいじゃないですか。」
チャン 「草ヒロ、横取りするに限るネー!」
大月 「ウンウン!」
博士 「まーた出て来よったか草滅会!」
…………
笛吹 「…うう、それにしても、ここが分かったかのようにピンポイントで出会ったよね~。」ヒソヒソ…
清里 「…まあ、大気も言ってたけど、偶然じゃないかな。運が悪かったってことだよ…。」ヒソヒソ…
博士 「コレコレ。他人事みたいに言いおってからに…!」ヒソヒソ…
助手 「…まあまあ博士、大気くんのおかげで分かったんですから、少しは感謝しないと!」ヒソヒソ…
博士 「じゃが、草滅会の輩に見つかってしもうたではないか!…なんかさっきから変じゃのう…。」ヒソヒソ…
原 「…こらアンタたち、さっきからなにヒソヒソ話してんだよ、まったく…!」
松本 「置いてけぼりにするなー?」
大月 「とにかくね、この草ヒロは草滅会が撤去する!運が悪かったと思いなよ?」
チャン 「ハッハー!今度の草ヒロは果樹園の中にいなくて状態がいーから、高く売れそうアルネ!」
大月 「…うっ、うんうんチャンさん!そうだといいよね…ハハ…」
博士 「くぅ~!…またしても、オヌシらに奪われることになるか…!」
松本 「チョットー!人聞きの悪いこと言わないでよね、博士みたいなジイさん!」
博士 「博士みたいじゃのうて、正真正銘の草ヒロ博士じゃ!」
松本 「えっ…ホントに博士なの…。ちょっwウケるんだけどw」
チャン 「コスプレかと思てたアルー!」
大月 「今時こんな博士らしい博士がいたとはね…ハハ…」
博士 「うるさいうるさーい!!!オヌシら!笑うでない!」
松本 「ハイハイ、そんなことはいいから!…要するにね、アタイたちは放置車に悩める地域住民のため、ひいては世の中のために草ヒロを撤去しているのよ。アンタたちは草ヒロの写真を撮ることが趣味なんだったら、ここで撮ればいいだけじゃない!アタイたちを止める必要なんてないはずよ!」
大月 「ほんーと、マリの言う通りだよ!」
原 「まったく同意だわ…もぅまったく…!」
助手 (うっ、いつもそこを突かれるとキツいんだよなぁ)
博士 「ぐぐぐ…」(どう言い返せばいいのやらの…)
松本 「ほら、なにも言い返せないじゃないの。」
? …ガラッ…!! 「いや、言い返せるぜ!」
松本 「なっ…!?」キョロッ
原 「うわっ、何者だぃアンタ!?」(なんか、あのプロレスラーのマスク被ってるし…)
大月 「なんだなんだ~?あのマスクマンは!?」
助手 「博士、あ、あれって…」
博士 「ほほう。」
笛吹 「たいくん?あの人…」コソコソ…
清里 「そ、そーじゃない?」コソコソ…
松本 「…おーい、平田だろオマエ!?」
………シーン…………
松本 「アレ………?」
? 「ギガガガガ…って違うわ!…とだけ言っておこうか。そして俺はマスクは脱がんぞ!オレは、草研の新入りさ。…ところで、話は聞かせてもらったぞ。どうやらアンタは草ヒロを撮ればそれだけでいい、撮った後は撤去されても別にいい、だから草滅会に撤去させろと言ったな。」
松本 「…そうよ、何か問題ある?」
? 「コチラは学問で草ヒロを研究しているのだ。お前たちは仕事で草ヒロを撤去しているように、こっちも遊んでいるわけではないのだ。遊びと一緒にしてもらっちゃ困る。」
松本 「だ、だから何だっての!」
大月 「………。」
? 「…だから、一度撮影した草ヒロでも、時が経つにつれ、何らかの変化が生じることもある。周囲の景色に変化が生じることもある。その結果と原因についても考察していくのが、草ヒロ学という学問の一部なのだ!」
松本 「ハ、ハァ!?」
清里 (大気、頑張れー!!)
笛吹 (たいくん…すごいなぁ)
? 「草ヒロ学をこの草ヒロから学ぶ標本の一つとするためにも、この草ヒロを撤去してもらっては困るのだよ。」
原 「…ふーん。で、その草ヒロ学とやらは世の中の役に立つのかぃ?」
? 「ウッ…!」
原 「結局、自己満足の学問なんだったら、趣味と同じじゃないのさ?」
大月 「そうそう。世間になんらかのフィードバックがあるんだったら話は別だけどね。…でもなァ、草ヒロ見て考察してはい終わり…じゃ、何の役にも立ちやしないよね。まだ、俺たちのやってることの方が断然意味あるよ?」
チャン 「町が綺麗になって自然もきれいになって世の中の役に立つし、しかもおカネにもなるアルネ!」
? 「うぐぐ…」
松本 「ふん、結局その程度だったってわけね。…まあいいわ。ちょっとは反論できたみたいだから、今ここから立ち去るわ。」
大月 「ええっ?形勢逆転でせっかくこっちが優勢になったのに…。マリ…ホントにいいの…?」
松本 「その話はまたあと!今はここを立ち去りましょ!」(…撤去しないとは一言も言ってないもんね~)
原 「瑞季ったら諦めが悪いんだから…まったく!…ささ、行くよ。」(撤去しないとはマリ、言ってないものね。マリも同じこと考えてるさきっと。)
チャン 「えーっ、せかくチャンさんのパパンママン助けるお金になると思たのにー!みすみす逃すアルかー!?」
松本・原 「そういえばもっと諦めの悪いのがいた…笑」
…………
つづく(『草ヒロ“撤去”物語4』~新入りパート~を読みたい方はコチラ)
…………
助手 「東御くん、ありがとう!」
東御 「いえいえー!なんか最後は言いくるめられてしまいましたけど、取りあえず追い返してやりましたよ!」
博士 「それだけでも充分じゃて。」
笛吹 「凄かったよ~!たいくん!さっすが演劇部だね!」
東御 「へっへーっ?いつもやってることだし、こんなん朝飯前よぉ!」
助手 「そっかー、そういや東御くん演劇部だったのか~!どおりで真に迫ってるなぁと思った笑」
清里 「にしても、いい機転の利かせ方だよね~。」
笛吹 「素顔のまま新入りたちの前に出たら、たいくんのカノジョさんと顔を合わせることになっちゃうし、スパイだってことがバレちゃうもんね。」
博士 「或いは、裏切り者と思われるかじゃな。」
笛吹 「でもそれを解決する方法が、このプロレスマスクだったってわけね…!マスクを被れば、誰だか分からないもんね。」
助手 「しかし東御くん、よくこんな懐かしいもの持ってたね。もしかしてプロレスファン?」
東御 「い、いや、そういうわけじゃないっすけど。こういうことがあった時のために持っておこっかな~って思って!」
助手 「あらほんと!?ハァー、何から何まで凄いねぇ。言葉が出ないや…。」(声でバレなかったのかは気になるところだけど…)
博士 「ホッホッホ!全くもって大したもんじゃわい!…正直、オヌシは半信半疑じゃったんじゃが、今回の件でオヌシは信頼できると思ったわい。」
東御 「いえいえそんな~。」
助手 ボソッ…「博士がここまで素直に褒めるなんて珍しいな…ハハ…」
博士 「何か言うたか?」
助手 「い、いいえ?」(ホントに地獄耳なんだから~!笑)
つづく(『草ヒロ物語4』を読みたい方はコチラ)
「この物語と、この物語に登場する団体や登場人物は、全部ひっくるめてフィクションじゃ。実在するものとは、一切関係ないわい。」
「今日は筆者の時間がないということで、これでおしまい!です!」
「なにぃ?」
「また加筆するかもしれません!では!」