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草ヒロ物語4(7)& 草ヒロ“撤去”物語4(6.5)

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『草ヒロ物語』について知りたい方はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい方はコチラ
『草ヒロ物語4』/『草ヒロ“撤去”物語4』の登場人物について知りたい方はコチラ

前回のおはなし(『草ヒロ物語4』より)

 

 

博士 「さっきから草滅会の新入りの連中の動向がどうもおかしいんじゃが、一体何が起こっとるんじゃろうな?」

助手 「ホントですよ~!まるでボクらの居場所が筒抜けになっているようじゃありませんか。」

笛吹 「もしかして、コッソリ後をつけられているんでしょうか…?」

清里 「でも、僕たちが絶対草ヒロを見つけるとは限らないし、そんなことしたら自分たちも損だと思うんですけどね~。」

助手 「確かに…」

博士 「東御の奴がおるから安心しとったばかりか、こっちが草滅会の後をつけることだってできたんじゃが、どうにもうまくいかんみたいじゃのう。」

東御 「すっ、スミマセン博士!…まったく、あいつら何を考えてるんだか…?」

笛吹 「たいくんのせいじゃないよ!」

清里 「大気はスパイとして草滅会に通じてるから、その分色々と気を回さなくちゃいけないもんね。大変だと思うよ。」

東御 「すまんな、おまえら…。」(うっ…そんな風に言ってくれるなよ…玲に綾…。)

博士 「わーったわーった。ワシも別にオヌシを責めとるわけじゃないんじゃよ。ただ、何だかしっくり来んというだけじゃ。」

東御 「博士は別に気にしなくていいっすよ。ただ、思う通りの結果が得られなかったというだけで…スパイとして失格っすね…オレ…。」

助手 「まぁまぁ東御くん。そう腐らずに。…よしじゃあ、一旦状況を整理しようか。」

笛吹 「状況~?」

助手 「東御くんは僕たち草研に所属してるんだけど、所属しようと思ったときに、草滅会に新たに入会したキミの彼女さんである松本まりあさんも、東御くんに対して草滅会に入会しないかと誘ってきたんだよね。」

東御 「はい。その通りっす。」

助手 「向こうも誘ってきたのをいいことに、ボクたちは東御くんをスパイとして使うことにしたわけだ。」

東御 「ええ。」

助手 「その諜報活動は、草滅会の居場所を僕たちに知らせると同時に、もし草滅会が発見した草ヒロがあったとすれば、分かり次第それをボクたちに報告して、草ヒロが撤去される前に記録してもらう…といったところだね。」

東御 「そうすね~。」

笛吹 「なるほど~。そーゆーワケだったんだ~。」

清里 「そ~いえば、なんで大気が草滅会から身を隠そうとしているのかって、ちょっと分からなくなりかけてたしね~。」

東御 「おいおいお前らw」

博士 「…そういえば気になっとったんじゃが、草滅会側にはどういう顔でおることになっとるんじゃ?」

東御 「それはですね…草研とは全く関係ない人間で、草滅会には入会はしたけれど、今回の探索には参加していないって感じっすよ。」

博士 「そりゃそうじゃろうな。今回の探索に参加しとったら、オヌシはまずここにはおらんわな。」

助手 「……。」(う~ん、なんだか忘れているような…)

笛吹 「あーっ!」

清里 「どしたのスイちゃん?」

笛吹 「なんかみんな考え事してるからつい見逃しそうになっちゃったけど、あそこに草ヒロがいますよ!」

博士 「なんじゃと!?」

 

 

 

 

 

No.041
トヨタ ハイエース ワゴン
1981~82年式
用途:物置 場所:果樹園
○ 助手メモ ○
ハイエースの草ヒロを、笛吹さんが発見した。ボクは運転と博士たちの会話に気を取られて見つけられなかったけど、複数人で探索をしているとこういう恩恵が得られるのはいいよね。

…ちなみに、今日の探索で2代目ハイエースはこれで3台目になる。しかも立て続けに見つかった。ここまでよく見かけるということは、当時はよほど売れたんだろうなぁ。

この個体はワゴンだけあって、サイドのストライプやカーテンなど、装飾品が豪華だった。物置として使うにしても、カーテンの存在は秘匿性を上げるにはお誂え向きだろうね。

 

助手 「おおっ!本当だ!」

博士 「でかしたぞオヌシ!」

笛吹 「へへへっ、それほどでも~笑」

東御 「そしてまーたハイエースか~w」

笛吹 「またって?…あ、確かに。ライトの形が違うから別のクルマに見えたけど、よくみるとボディの形はさっき見つけた2台の草ヒロとおんなじだね!」

博士 「タイヤが外されて、物置として生き続けていく気概を感じる良い草ヒロじゃのう。状態はよさげじゃが、これは今後の熟成に期待じゃな。」

清里 「タイヤが外されてると、なんかいいことがあるんですか?」

博士 「うむ。例えば、草ヒロは放置を続けていくと地面に埋まっていくんじゃが、タイヤがなければタイヤが地面に埋まるまで待たなくとも安定して物置にすることができるんじゃ。」

清里 「ほほー、なるほど~。」

笛吹 「へぇーっ。そうなんですね~。」

助手 「それに、車高もタイヤが無くなった分低くなるから、腰の低いお年寄りでも中のものを取り出しやすくなるっていう利点もあるんだよ。」

博士 「他にもいくつか利点はあるんじゃが、オヌシらも後学のために考えてみぃ。今度のミーティングで聞くからの。」

清里・笛吹 「はいっ!」

 

前回のおはなし(『草ヒロ“撤去”物語4』より)

 

チャン 「フフーン。またまた会たアルネー?」

清里 「えっ!?」

大月 「何たる偶然でしょ~。」

博士 「また草滅会か!」

助手 「いっ、いきなり来ましたね!草滅会!」(…えっ、東御くん大丈夫!?…ってアレ?いつの間にかいなくなってる…。)

博士 「オヌシら、なぜこうもワシらと遭遇するのじゃ!?ワシらの邪魔をするのも大概にせい!」

松本 「邪魔なんてしてませーん。偶然会っただけだよ、偶然ー。」

原 「ま、完全な偶然というより、遠くの県道からアンタたちの姿が目立ってたから草ヒロも見つけられたってだけなんだけどね…まったく…!」

大月 「そうそう、君ら集団で行動してるから目立ち過ぎなんだよ~。」

チャン 「足りないアタマでちょとは考えるアルー!」

助手 「め、目立ってるのは、そそそっちも同じじゃないですか…!」

松本 「ふん?そんなこと知らないわよ。別にこっちは草研なんかにかまう必要はありませんし、近隣住民に声をかけられたときの対策も万全を期しているわけですから、問題ありませーん。」

助手 「ぐっ…!」

博士 「おのれ…」

笛吹 「でも、本当に後をつけられてるみた~い…。こわいよぉ~…」

清里 「大丈夫だよスイちゃん!僕が付いてるから!」

原 「フン…。ウチら、とんだ濡れ衣を着せられてるようだねェ。…ウチらは別に後をつけたりなんかしてないさね。」

大月 「俺らは草ヒロの気配が分かるし、お前たちがただ目立っている。それだけだよ。」

松本 「なんなら、後をついてきていないことを確認しながら探索して、アンタたちが草ヒロを見つけたら、またアタイたちがその草ヒロの気配を察知して遭遇してあげましょうか?」

助手 「そ、そんなことできるわけないじゃないですか!」

チャン 「それはどうアルカナ~?」

博士 「…よし!オヌシらがそこまで言うなら望むところじゃ!草ヒロの気配を察知してワシらが見つけた草ヒロを見つけてみぃ!」

助手 「ちょっと博士!そんなこと言っていいんですか!?」

笛吹 「もしわたしたちが草ヒロを見つけたとして、それがバレて撤去されても文句は言えませんよ~!」

清里 「それに、草ヒロのためにもならないじゃないですか…!」

博士 「…う…うるさいっ!そんなことあやつらができっこないと思っとるから受けただけじゃ!奴らに恥をかかせるのじゃよ!」

松本 「ふ~ん。面白いこと考えるのねぇ、なかなか。」

原 「…ま、後悔するのはアンタたちだろうけどね、まったく…!」

博士 「とにかく、草ヒロも記録し終わったのなら、ここを去ろうぞ!…そしてオヌシら、絶対後をつけてくるんじゃないぞ!」

大月 「分かってますよ。…なら俺たち、このハイエースの方をずっと見てるから、あなた方はその間にどこへでも行きなよ。」

原 「そうさね。ウチらが本当にハイエースの方を見続けているか確認するために、アンタたちの中から一人、ウチラが視界から消えるまでずっとウチらの方を見ておけばいいじゃないか。」

松本 「アタイたちは1分待つわよ。アンタたちは車なんだし、1分もあったら角を曲がれて結構先へ進めるでしょ。」

博士 「むう。ワシらのことを舐めくさりおって…。行くぞ!」

助手 「はいっ!」

笛吹 チラッ (ちょっとかくれんぼみたいで面白そうね~笑)

清里 コクッ (ね~。博士たちには悪いけど、何だかワクワクしてきたかも~!)

 

つづく(『草ヒロ物語4』へ)

つづく(『草ヒロ“撤去”物語4』へ)

 

 

 

 

――小大笑学園の近くのカフェでなにやら調査を続けていた小布施と飯田は、ちょうどその頃…――

 

前回のおはなし(『草ヒロ物語4』~小布施パートより~)

 

飯田 「あっ、やはり分かりました…!」

小布施 「やっぱり目論み通りだったか?」

飯田 「ええ。ビンゴです。今、twitterを確認したんですけど…」

小布施 「あとは奴からの連絡待ちだな。この情報も本当に正しいかどうか精査してもらわんとな。」

飯田 「これも罠かも知れませんしね。」

小布施 「うむ。奴から連絡が来てそれが正しかったら、このことを清里に報告しろ。」

飯田 「はいっ…!」

 

つづく(『草ヒロ物語4』~小布施パートへ~)

 

 


「この物語と、この物語に登場する団体や登場人物は、全部ひっくるめてフィクションじゃ。実在するものとは、一切関係ないわい。…ちなみに、カチンコを鳴らすときの掛け声は、アクションじゃな。」
「…博士、まだダジャレを言うつもりですか…」
「じゃから、この物語t登場人物はフィクションじゃけど、カチンコを鳴らすときは『アクション!』という掛け声をかけるというのが相場じゃというわけじゃ。ホッホッホッホ!愉快なことじゃて。」
「カチンコって、映画の撮影とかで使うコレ→🎬ですよね。一瞬何のことかはわかりませんでした。」
「意外と知らないものの名前ってあるもんじゃからのう。また一つ賢くなれたんじゃないかの。」


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