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Channel: ころころな趣味。
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草ヒロ物語(3)

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前回の話

「草ヒロ物語」を知らない人はコチラへ。

 

助手 「やっぱり僕たちの地元は、最初に見つけたエブリイのような草ヒロではなく、さっき見つけたレガシィのような放置車が多いんじゃないでしょうかねぇ?さっきから全然畑なんかないじゃないですか~、博士。」

博士 「ワシからすれば全部草ヒロじゃ。」

助手 「も~、めんどくさいですねぇ~。だから、物置として使われているやつじゃなくて、遊び草ヒロばかりなんじゃないんですかって聞いてるんですよ!」

博士 「怒ることないじゃろう。定義は人それぞれじゃからな。」

助手 「だからそう思っているんならいちいち突っ込まないで下さい!全然話が進みませんよ~。」

博士 「スマンスマン。オヌシの言わんとすることは分かっておるって。ちょっとからかっただけじゃ。」

助手 「も~、博士ったら~。」

博士 「で、オヌシの疑問に答えるとするならば、イエスじゃ。これは地域の特性と言うもんじゃな。その街の土地利用を調査するだけでも、どういう系統の草ヒロが多いのか、草ヒロの絶対数の大小、草ヒロの朽ち具合なんかも、推定できるんじゃよ。」

助手 「ふむふむ。」

博士 「例えば、果樹園や畑地帯は純粋な草ヒロが多いし、昔ながらの住宅地なんかじゃと、放置車両が多いと推測出来、往々にして田園地帯には草ヒロが少ない傾向にあるわけじゃし、果樹園や海沿いの町なんかじゃと、薬害や塩害でボロボロになった個体が多いと推測出来るわけじゃ。」

見習い 「やっと草ヒロ博士らしいことを言いましたね、博士。」

博士 「やっととは何じゃ?オヌシはいつも余計な口をはさみよる。じゃからオヌシは・・・」

助手 「ほらほら、そうこうしている内に放置車っぽいものが見えてきましたよ。」

博士 「クルマで走行(そうこう)中だけにか?」

助手 「・・・。・・・草田君、降りようか。」

見習い 「・・・そうですね、先輩。」

博士 「こ、こら、ワシを無視するでない!勝手に降りるでない!」

 

 

No.003

フィアット パンダ

4×4

1991~99年式

用途:物置 場所:駐車スペース

博士メモ:こんな雪も降らん所で4×4に乗るとは、オーナーさんも中々変わった趣味を持つ方じゃ。ワシとは気が合いそうじゃわい。

 

助手 「初代パンダか。そう言えばこれもあんま見かけなくなってきたね。」

見習い 「セリエ2と呼ばれた改良型の後期型で、どうやら4WD仕様のようですね。」

助手 「パンダに4WDなんてあったんだ。」

見習い 「ええ。なんでも、エンジン横置きのFFベースのクルマとしては初の4WDモデルだったそうですが、なんとデフが付いていないらしくて、あくまでスタックした時の緊急脱出用らしいですよ。なので、もちろんパートタイム式です。」

助手 「へぇ~、それは知らなかった。やっぱり詳しいんだねぇ。」

見習い 「常識ですよ!先輩ももうちょっと勉強してください!」

助手 「はいはい。」

博士 「・・・ハァハァ・・・オヌシたち、ワ、ワシを置いてきぼりにするでない・・・!ハァ・・・!」

助手 「博士、走って来たんですか?・・・老骨に鞭打って。」

博士 「・・・信号で止まったのをいいことに、オヌシらが途中で降りるからじゃろうが・・・!この国道、交通量が多い故・・・ハァ・・・、下手な場所に駐車できないから、駐車スペースを探しとったんじゃよ・・・!ハァハァ・・・。」

見習い 「別に、博士は駐車場で待ってりゃ良かったのに・・・ですよね、先輩?」

助手 「そうだよねぇ。それで僕がケータイで博士呼んで、博士がここに迎えに来てくれれば、僕たちが歩かずに済んだんですよ。それに、もし博士がわざわざここに来るにしても、走って来ることないですよ~。博士もトシなんですから、せめてゆっくり歩いて来れば良いじゃないですか。」

博士 「・・・うるさいうるさ~い!!ワシは草ヒロ博士じゃ。この目で早く見ないと気が済まんのじゃ!」

助手 「そうですか。それは悪うございました~。ところで博士、パンダに4WDがあったこと、ご存知でした?」

博士 「もちろんじゃ。パンダ4×4はの、・・・(草田の説明と大体同じなので略)・・・じゃろ?」

見習い 「博士も割と詳しいじゃないですか~!」

博士 「割とは余計じゃ。ま、ワシはパンダのシンプルなデザインと合理的なパッケージングに憧れたクチじゃからな。結構詳しいんじゃよ。」

助手 「・・・じゃぁパンダに関しては、僕が一番無知ってことに・・・?」

博士 「そうじゃな。もう少し勉強した方が良いんじゃないのかのぅ?はっはっは。」

助手 「く・・・、も、もう行きますよ!」

博士 「おやおや、ちっとからかい過ぎたかの。」

見習い (先輩も先輩だけど、博士も博士だなぁ~。)

 

つづく

 

「この物語、物語に登場する団体・登場人物はこのワシも含めてフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないぞ。あ、草ヒロは実在するからの、読者の諸君も、探してみてはどうじゃ?」

「駐車場所に注意するんですよ~。」

「そうじゃな。交通の邪魔にならんようにな。」


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