前回はトヨタのスポーツセダン、セリカ・カムリを紹介しましたが、今回は打って変わって日産のマイナーなハッチバックを紹介しましょう。
ところで、日産のマイナーなハッチバックと言えば、皆さんは何を連想しますか?
ブルーバードオーズィー、オースターユーロハッチ、スタンザFXハッチバック、サニーハッチバック、ラングレーハッチバック、ルキノなどなど・・・とまあ色々ありますが・・・その内のどれでもありません。
今日紹介するのは・・・リベルタビラです!
リベルタビラと聞いても、知っている人は知っているでしょうが、知らない人は「何かの呪文ですか?」ってなるでしょうが、それもそのはず。兄弟車種の投入のし過ぎですっかり影が薄くなり、全然ヒットしなかったのです。
リベルタビラの始まりは、遡ればバイオレットまでに行き着きます。
革新的な直線デザインで大ヒットした510型ブルーバードですが、FMCして610型になる際、510とは一線を画す曲線デザインになった上、大型化して登場した為、大変不評でした。そのお客たちの期待に応えるため、610より小さいサイズ、つまりは510と同じ車格で現れたのが、バイオレットなのです。
・・・その後、大きくなってしまったブルーバードは910型で再び小さくなって登場したのですが、そのせいでバイオレットの立場が無くなってしまい、3代目になる頃には影のような存在になってしまったのです。
・・・で、3代目バイオレットはバイオレットリベルタという名で販売され、ここでやっと本日の主役・リベルタビラとの関係が現れてきます。
何を隠そう、リベルタビラはバイオレットリベルタの後継、すなわちバイオレットの後継というわけです。
そのリベルタビラが何故売れなかったのかと言えば、やはり自社ライバルの多さでしょうね。そもそも、前身のバイオレットにも兄弟車種がおり、標準的なバイオレット、スポーティなオースター、ラグジュアリーなスタンザという構成でした。
そしてバイオレットの後継として登場したリベルタビラにも、兄弟車種が設定されていたのです。・・・それが、パルサーとラングレー。元来ラングレーにはセダンが設定されておらずハッチバックのみで(パルサーは両方ありました)、逆にリベルタビラも初代はハッチバックが無く、セダンしかなかったので差別化が出来ていた筈なのですが、何を血迷ったか日産は、FMCでラングレーにもセダンタイプを与え、リベルタビラにはハッチバックタイプを与えてしまったのです。詰まる所、同社の同じクラスに3台もの競合車種が犇めき合ってしまい、共倒れという結果に終わってしまいました。
非常に前置きが長くなってしまいましたが、そういうわけでリベルタビラは悲劇のクルマとなってしまったのです。
では、カタログを見ていきましょうか。2代目のリベルタビラです。
パルサー、ラングレーは普通のリアデザインでしたが、リベルタビラはこの様に特徴的なリアスタイル。
・・・まあ、唯一の特徴といったところでしょうか。
フロントはこんな感じ。・・・普通でしょう?一般的な80年代のクルマって感じです。
内装、性能、その他諸々のアピールページ。
最初のページで女性向け車両と思わせといて、スポーツ感覚をアピールするというのがイマイチよく分かりません。
装備品です。
走りの面に関する話が書かれています。
グレード一覧。
上級車種、ブルーバードを意識したSSSというグレードも設定されていたようですね。セダンだけでなく、ハッチバックにも設定アリ。これでSSSのためにハッチバックを諦めたり、ハッチバックのためにSSSを諦めるということがありません。
お馴染み主要諸元表。
神奈川県で購入したものですが、新潟で配布されていたカタログというのが凄いです。色々な人の手に渡ってきたのでしょうか。
以上です!最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!