背高ミニバンに囲まれて、ひと際目立つ車高の低いクルマがいます。
あれは、もしや・・・。
トミーカイラ ZZ
1997~99年式
神奈川県にて
うぉっ!ZZだ!!
・・・と、声が出てしまいましたが(汗)、それ程珍しいクルマなのです。
旧車ばかりを扱う当ブログを読んでいる方の中には、トミーカイラというメーカー名すら聞いたことがないという方もいらっしゃるでしょう。
まずはその辺の解説から始めたいと思います。
トミーカイラというのは、京都府に存在した自動車メーカー・トミタ夢工場のブランド名でありまして、創業者で社長の富田氏と副社長の解良氏の名前を組み合わせてトミーカイラというブランド名になったのです。
トミーカイラは、既に市販されているクルマをチューニングする、いわばハルトゲやアバルトのようなメーカーであり、R33ベースのM25やK10ベースのm13が有名なのではないでしょうか。
そんなトミーカイラもコンプリートカーではなくオリジナルカーも製造したことがあり、それがこのZZというわけです。
ZZは、2.0L直4DOHCエンジンをミッドシップに搭載するMRのスポーツカー。
馬力は180~200psと、決して高出力とは言えませんが、ボディは軽量なアルミモノコックに軽量なFRPを被せただけの簡単な構造のお陰で車重は710kgと非常に軽いものになっており、加速やコーナリングはかなり高性能でしょう。
気になる生産台数はというと・・・なんと僅か206台。これはもう、一生に1度見られるか見られないかのレベルです。
イベントならば可能性はありますが、公道上で見られたのはかなりラッキーと言っても過言ではない筈。
是非ともフロントの可愛いお目目も拝見したかったところですねぇ。
トミーカイラに関連して、マイナーメーカーの乗用車を1台紹介します。
ミツオカ ヌエラ
2004~08年式
神奈川県にて
トミーカイラ程ではないとはいえ、ミツオカもマイナーなメーカの部類に入るでしょう。
ミツオカ車の紹介は当ブログ初でしょうから、ミツオカというメーカーについての解説から始めたいと思います。
光岡自動車は、富山県に本社を置く自動車メーカー。
中古車販売店がミツオカの起源であり、社長がクルマ好きだったことから中古車販売だけでは飽き足らず、自作の自動車を作ることを決意します。
1980年代に開発部を設け、“ゼロハンカー”と呼ばれる50ccエンジンを搭載するミニカー「BUBUシャトル」を発売。
ミツオカ最初の本格的な乗用車は、ベンツSSKをモチーフにした「BUBUクラシックSSK」というクルマ。1987年に登場し、200台限定で販売されました。
これらのクルマの成功により、90年代からガリュー、リョーガ、ビュートなど・・・次々と新型車を世に送り出し、今に至ります。また、ミツオカは中小企業なので、エンジンやシャーシなどは自作せず、他の自動車メーカーから購入し、外装だけをオリジナルに手掛けているのです。
社長が現代のクルマは好きではなく、旧車が好きという理由から、ミツオカ車はどれもこれもレトロチックなデザインになっています。
ジャガーやロールスロイスなどの外車にとてもよく似ていますが、パクリではありません。
たまにミツオカ車はパクリしかないという的外れなことを言う人がいますが、あれはパクリではなくリスペクト。光岡自身が、ビュートはジャガーMk2をモチーフに、ガリューはロールスロイスがモチーフになっているなどと、公式に発表していますから。元ネタがすぐに分かるように、あえて似せているのです。
また、オロチという完全オリジナルのデザインのクルマもあり、ヤマタノオロチをモチーフにしたという強烈なデザインなので賛否両論はあるかと思いますが、自分は自社デザインの完成度の高さが分かるクルマだと思っています。また、オロチは社長が日本にはないスーパーカーを作りたいという思いだけで製造・販売までこぎつけたという、中小メーカーらしい反骨精神というか心意気も含めて大好きです。
会社の解説はここまで。
このクルマに関してですが、これはヌエラという名前の7代目アコードがベースになっているセダン。
初代はアコードベースですが、2代目は10代目カローラがベースとなっています。
丸目二灯とウインカーの3連ヘッドランプが特徴的です。ボンネットの造形に結構なお金がかかってそうなクルマですね~。