BMW M1
1978~81年式
魔方陣スーパーカーミュージアムにて 2014年7月13日撮影
今でこそM2からM7まで、BMWの各ボディに“M”と呼ばれる高性能仕様が設定されていますが、昔はM1だけ。唯一無二の存在でした。
というか、これがのちのMシリーズの初めの一歩ともいえるでしょう。
現在のMシリーズはベース車両が存在していますが、これはベース車両ナシの完全オリジナル。
エンジンはBMWらしいシルキー6で、キドニーグリルも採用されてはいますが、駆動方式はMRと、これまでのBMWには一切無かった駆動方式を採用。ライトもリトラクタブルを採用して、フェラーリやランボルギーニなどの当時話題になっていたスーパーカーメーカー達の輪に入ろうと努力した痕跡が散見されます。
初のMRモデルを製造するにあたり、ランボルギーニに開発とシャーシ関連の製造を委託。
しかし、BMWとランボの間で紆余曲折があったため、結局イタルデザインとドイツのコーチビルダー:バウアに委託することとなったそうな。
そんなこんなで製造にこぎつけたものの、ハンドメイドのため生産台数は500台に満たず、BMWがかねてより意気込んでいたM1でのモータースポーツ参戦での結果も芳しくなく、BMWの歴史の中ではあまり日の目を見ることがなかったクルマです。
そんなM1ですが、日本に入ってきたのはごく少数・・・というか、入ってきたのか?と思ってしまうくらい貴重な存在。
画像検索をかけても日本のナンバーを付けた個体はヒットしませんし、日本にいるM1はもしやこれだけではないかと思ってしまいます。
そんな貴重なクルマが見られるこの博物館は凄い!
「M1」のステッカー。
このクルマと混同してしまうことを避けるためか、1シリーズをベースとした“M”モデルは「M1」という名前ではなく「1シリーズMクーペ」という名前で販売(ただし、日本での正規輸入は無し)されました。
BMWではありませんが、もう1台少しマイナーなスーパーカーをご紹介します。
アルファロメオ モントリオール
1970~77年式
魔方陣スーパーカーミュージアムにて 2014年7月13日撮影
生産台数はM1とは比べ物にならない程多い3700台超えですが、日本には十数台ほどしか輸入されていないという貴重なクルマです。
モントリオール万博でプロトタイプが出展されたことから、この名が付きました。
デザインはアルファロメオのアイデンティティを取り入れつつも、オリジナリティあふれるデザインが散りばめられています。
センターに堂々と配置された逆三角形がたのエアインテークや、サイドのルーフからフェンダーにかけて刻まれたスリットが目につきますが、最も注目すべきは・・・ヘッドライト!
現在とは異なり、丸目か角目しかライトの形が作れなかった当時。他のクルマと差別化するためにライトの数を増やしたり縦型にしたり、リトラクタブルにしたり・・・と、様々な方法が模索されてきましたが、これもその一環でしょう。
ライトの上部をスリット入りのカバーで被せることで、表情に迫力さが加わります。暗い場所でライトを灯けると、スリットの隙間からさす光が幻想的なものになったり・・・ということもあり得るかも知れません。
これは唯一無二のグッドデザインでしょうね。