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Channel: ころころな趣味。
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草ヒロ物語2(1)

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前回の話(The Prologue)

「草ヒロ物語2」を知らない人はコチラへ。

キャラクターの顔が見たい人はコチラコチラ

 

 

見習い 「ハァ~全くぅ。どーしてオレが運転しなきゃならないんすかぁ~。」

博士 「寝坊したじゃろ!こんぐらいの罰は受けて当然じゃ!」

見習い 「ハイハイ。スミマセンでした。・・・そんな大した会議でもないのに、時間ピッタに来る必要なんか・・・ブツブツ

博士 「なんじゃ?もう一度言うてみぃ。」

助手 「まあまあ博士、落ち着いてくださいよ。・・・それに草田くんだって、軽の方が梅林の狭い道を探しやすいって知ってるでしょ?今回の探索では、草田くんのクルマが一番なんだよ。」

見習い 「・・・まあ、それはそうですけど?」

助手 「これで沢山草ヒロが見つかったら、草田くんの功績を讃えて見習いから助手にしてあげるから。・・・別に問題ありませんよね、博士?」

博士 「フン。こんな若造のご機嫌なぞ取りおって。更に若い新入りでも入ってこなけりゃ、昇格はあり得んぞ。」

助手 「大学生の草田くんより更に若い新入りって・・・そんなコトあるわけ・・・。・・・要するに草田くん、どんなに頑張っても昇格はないってことだね。」

見習い 「いーっすよ別に昇格なんてど~でも。俺なんか運転手やってりゃいいんすよ。」

助手 「あれれ・・・スネちゃって。」

見習い 「・・・・・・。・・・ん?何か駐ヒロっぽいもの、見えません?」

博士 「うむ。確かにありゃ駐ヒロ・・・もとい、草ヒロじゃの。」

 

 

 

No.009

三菱 ミニキャブエステートバン

1984~89年式

用途:遊び 場所:空地

博士メモ:片方だけ割れたテールレンズや、苔で汚れたフロント。古くはないが、着実に草ヒロへの道を歩みつつある、良い個体じゃ。

 

助手 「早速収穫ゲットじゃん。草田くんもやるねぇ。」

見習い 「いやいや、偶然ですってば。・・・ってこれ、ただの4代目ミニキャブかと思いきや、チョット珍しいエステートですね!」

助手 「グレードのデカールとか、4WDの力強いフォントとか・・・バブルの頃を思い出しますねぇ~、博士。」

博士 「うむ。ナンバーが付いたまま草ヒロになっておる。駐車しといたらいつの間にか草ヒロになっとったとかいうパターンかの?」

助手 「そうかも知れませんね。状態も年式相応ですし、レストアも夢じゃないのかも知れませんけど、僕たち草ヒロ趣味人にとってはドンドン朽ちていってほしいですよね。」

博士 「うむうむ。・・・このまま野ざらしにされておけば、10年後20年後は一体どうなるのか・・・。楽しみじゃのう!」

助手 「その間に草滅会に見つからなければいいんすけどね~。いくら看板が陰になっているとは言え、交通量が多くて少しは目につきやすいですし、いつ撤去されてもおかしくありませんよ。」

博士 「う~む・・・。奴らの数ある撤去動機の一つである、場所占領に関しては問題なさそうじゃが、景観破壊の要点は満たされているじゃろうし、見つかったら即撤去ということもあり得るかも知れんの。」

助手 「・・・ま、まあでも、取り敢えず“草ヒ録(地元編)”に登録出来て良かったじゃないですか!」

博士 「確かにそうじゃが、クルマの所有者でもないワシら草ヒロ趣味人には、草ヒロを守る術はないから、撤去を食い止めることは難しいのじゃ。撤去されてゆく姿を指をくわえてみる事しか出来んのがやるせないわい。」

見習い 「そんなことないっすよ博士!」

助手 「前回の探索、博士の説得で1台の撤去を食い止めたじゃないですか!」

博士 「むむむ。そうなんじゃが、日本全国には、ワシらの目に留まることなく消えていく草ヒロ達が数多くいると思うと・・・。」

見習い 「なんか博士にしちゃ珍しく弱気ですね。さっさと次の草ヒロを探しましょうよ!」

 

 

「この物語、そしてこの物語に登場する登場人物・団体は、ワシも含めてフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。」

「“草ヒロ物語2”やっと始まりましたね!」

「おぬし、余計なことを言うでない!」

「は?・・・えっ・・・?ここでは何かしらのトークをするというのが定番だったのでは・・・?」

「・・・。」

「ちょっと博士~。」


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