前回の話(The Prologue)
「草ヒロ“撤去”物語」を知らない人はコチラへ。
ボス 「さてと、準備もできたし、そろそろ行こうか!」
手下達 「ハイ、ボス!!」
秘書 「では皆さん。私、安全運転で参ります!」
手下達 「水篶さん、お願いします!」
―数分後―
ボス 「取り敢えず梅林を探したいところだが、その道中で何台か見つけられるかも知れん。水篶よ、ちょっと悪いがそこを曲がってくれないか。何だか草ヒロがいそうな気がする。」
秘書 「了解しました。」
上田 「え?・・・もしかしてボス、草ヒロの気配が分かるんですか!?」
ボス 「フフフ・・・。それはどうかな?」
山中 「りんご、多分建物の様子を見てボスは判断したんだと思う。だってこの辺、結構古い建物がチラホラあるじゃんか。」
ボス 「フム。さすが私の優秀な部下だ。まさにそう。私がそう考えたのはそういう理由だ。」
山中 「よっし!ありがとうございます、ボス!」
秘書 「ボス!何やら廃車体と思しきものを前方に認めました!」
ボス 「ククク・・やはり早速見つかったか!行くぞ!」
No.009
スズキ エブリイ
ジャマレベル:★☆☆☆☆(個人宅の駐車場にあるようだし、そんなに邪魔ではないな。)
景観悪レベル:★★☆☆☆(一見現役のようだが、錆がダメだ。)
貴重レベル:☆☆☆☆☆(現役も草ヒロも、普通に見られる。)
総合評価:撤去レベルは2と低いが、撤去出来るんだから、撤去するに決まっているだろう?
ボス 「ナンバーは付いているようだが、車検は切れているようだし、ルーフも錆びているから放置車だなこりゃ。」
上田 「それにしてもボス、凄いです!本当に草ヒロの雰囲気が分かるなんて!」
ボス 「まあな。長年その道で生きていけば分かってくるものなのだよ。さっき山中が暴いたようなトリックもあるしな。」
秘書 「それにしたって、そう一朝一夕に手に入れられるものではないと思います。」
上田 「そうですよ。」
ボス 「これもある意味、嘗ては一緒に草ヒロを探し回った博司のお陰かも知れんな。」
山中 「博司って、あの時遭遇した草研のジジイのことですか?」
ボス 「そうだ。まさか今になって自分の首を絞めていることになろうとは思ってもないだろうな。ククク・・。」
上田 「・・・にしても、どうして屋根だけが錆びるんでしょうね?」
山中 「さあな。草研の奴等なら知ってるんじゃね?あいつらオタクだし。」
ボス 「そうだそうだ。草ヒロの撤去にも結び付かないようなそんな知識は我等にとってはどうでも良い事よ。私たちはただただ、この世に存在する草ヒロを撤去するだけなのだ。」
上田 「そうですよね、ボス!」
秘書 「・・・ボス。草滅データベースに登録完了致しました。」
ボス 「うむ、ご苦労。それじゃあ行くぞ!」
手下達 「ハイ!ボス!」
・・・その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
ストリートビューより、“その後の様子”
ストビューが通っていない場所のため、掲載できません!
また、水篶さんが撤去の際に撮影するのを忘れてしまったようで・・・。
いつか草滅会の誰かが撮りに行きます!
つづく
「この草ヒロが撤去されたというのは事実だ。しかしこの物語、そしてこの物語に登場する団体・登場人物は私を含めてフィクション。実在するものとは、一切関係無い。」
「ボス、“総合評価”の所に出てきている、“撤去レベル”というのは、どうやって算出するのですか?」
「・・・何だ?何故そんなことを聞く?お前なら知ってるはずだろう。新入りじゃあるまいし。」
「はい、知っているのは知っているのですが・・・。」
「・・・何?なら聞く必要は無いではないか。」
「いや、でも一応確認しておこうかな~と思って・・・。」
「・・・フン。まあいい。教えてやろう。・・・撤去レベルというのはな、0~10の11段階で評価する指標だ。数字が大きければ大きい程撤去の緊急性が増す。」
「フムフム。」
「算出方法は至って簡単、単純明快だ。ジャマレベル・景観悪レベル・貴重レベルの星の数の総和を1.5で割ることで算出出来る。1.5で割るのは、最高レベルを10にするためだな。」
「ナルホドナルホド。」
「了解しました、ボス!」