今日は、日産の放置車&レア車をご紹介します。
日産 キューブ(Z10)
1998~2000年式
神奈川県西部にて 2015年9月20日撮影
“立方体”という名前の通り、(本当に立方体の形状というわけではありませんが)この時代のクルマにしては珍しいカクカクしたスタイルで登場した、日産キューブ。
小型のトールワゴンというコンセプトは軽自動車のワゴンRや、丁度クラスが被っているマツダのデミオに触発されたものと思いますが、デミオにはない斬新なデザインコンセプトと、より角ばった形状による見切りの良さで当時はかなり売れました。・・・しかし、新型が出たり年数が経ったりしたため、大ヒットの割には今ではめっきり見かけなくなりましたね。
「こんなクルマ、まだまだ走ってるだろ~。撮る価値ねぇよ」・・・と懐疑的なそこのアナタ、一度一日中道路を走ってみて下さい。意外と出会いません、きっと・・・!一日で1台遭遇すればいい方だと思います、多分・・・!
僕もこの記事で紹介するにあたり、「そう言えばこんなクルマあったなァ~最後に見たのいつだっけ・・・?」という気分になりましたから・・・!
これを撮影する数か月前までは、この駐車場にラシーンの放置車両もいたのですが、この日には既にいなくなっていました。
僕がよく利用する図書館のすぐ近くの駐車場に放置されていたので存在は知っていたのですが、あまり古くないのと身近過ぎる立地故に撮影する機会をズルズルと伸ばし・・・結局、ラシーンはどこかへ旅立っていきました。
もうさすがにキューブまで撤去されてはまずいと思い、この日撮影することにしましたが・・・。ラシーンもなんだかんだで見かけないクルマなので残念です。
ラシーンは撤去されたのに、キューブはされないとはこれ如何に。どうせキューブを残すならラシーンも撤去しないでいただきたかったところ。
日産 ルネッサ(N30)
1997~2000年式
神奈川県西部にて 2015年9月20日撮影
このクルマは未だ現役ですが、マイナー車ということでご登場いただきました。
彗星のごとくすぐに消え去ったクルマの為、クルマ好きでも若い人はその名を聞いたことがないという方が多いかも知れません。・・・その名も、ルネッサ。
これだけ見ると、本当に何の特徴もない、RVブームに触発されて作っただけのステーションワゴン型RVにしか見えないかも知れませんが、実はこのクルマには・・・外見の没個性的のみでは終わらせない、凄い秘密が隠されていたのです。・・・まあ、その秘密のお陰で惨敗に終わったのですがね(汗)。
秘密というのは、このクルマのフロアの構造にあります。
元々このクルマは、予てから電気自動車に力を入れていた日産が、電気自動車用に開発したクルマだったのです。
電気自動車は電気のみで動くクルマなので、ガソリン車よりも大きいバッテリーが必要でした。そんな大きい電池を置いておける広いスペースをどこに設定しようかと考えた結果、床下という結論に至りました。
そこで・・・居住フロアよりも更に下に空間を作り、そこに電池を置くことにしたのです。いわゆる二重構造フロアというもので、元来電気自動車として開発が進められていたベンツのAクラスも、電池を置いておくスペースとして二重構造フロアを採用していました。
しかし、まだ技術的にたらない部分があったため、現在のリーフの様に大量生産できるわけもなく、ルネッサのEVはごく少数が生産されただけに終わりました。よって残るはガソリン自動車となるわけですが、大きいバッテリーを搭載する必要のないガソリン車には二重構造フロアなど無用の長物だったのです。
床下をバッテリースペースにとられている分、居住スペースの床が結果的に高くなってしまうわけで、それを背の低いステーションワゴンとしてデザインされたルネッサに採用するとどうなるか。異様に屋根が低くなってしまうのですよ・・・!
電気自動車ならまだ納得できなくもない理由ですが、ガソリン自動車だと床下が空の状態なので、重心が高くなるわ屋根が低いわでそりゃあ居心地が悪いのなんの。
そのような悪評が付き、ヒットするまでもなく4年の短い生涯に終わったのです。もしこのクルマを今の日産が開発していたら、もう少しましなパッケージングになっていたと思うと不憫でなりません。
日産 サニー(B14)
1997~98年式
神奈川県西部にて 2015年9月20日撮影
最後はB14サニー。
前期型と違って特にデザインに面白みのない後期型ですが、見られなくなる前に撮っておこうということで、撮影に踏み切りました。