Twitterのフォロワーさんによって情報提供がなされた、長野県某所の凄まじいヤード。
そのヤードの全貌を公開するシリーズが、今週木曜から始まる「長野の某ヤードを訪問」シリーズなのですが、まずはその道中で見つけた1台のレア車を紹介します。
・・・どうぞ!
マツダ ファミリアGT-R(E-BG8Z)
1992年式
長野県松本盆地にて 2015年撮影
「GT-Rと言えば?」
・・・と聞かれると、ほとんどの人が例の日産車の名前を挙げるでしょうが、ヒネくれた人はこのクルマの名前を出すかも知れません。
その名も・・・ファミリアGT-R。7代目となるBGファミリアがベースとなっています。
マツダ車でGT-Rを冠するクルマは他にもサバンナRX-7がありますが、ファミリアの方はより一層マイナーという印象です。
このクルマが開発された経緯は、WRCへの参戦。
マツダはBGファミリアが登場するよりも前からWRCに参戦していたのですが、BFファミリアのGT-Xがベースとなっているラリーカーの設計が古くなり、1989年のFMCを機にベースがBGファミリアへと変わりました。
しかし、その時点ではまだベースはGT-Xというスポーツグレードで、GT-Rはまだ登場していません。
当時は、1.8Lで180psを発生するL4DOHCターボエンジンが搭載されるGT-Xでも十分高性能でした。・・・というのも、BFのGT-Xで用いられていたセンターデフロック4WDの代わりに、ビスカスカップリングを用いたLSDの4WDに変更し、旋回性能を向上させるなどの改良を行ったためで、その結果WRCでは好成績を残しました。
しかしながら、インタークーラーが横置きであるが故に冷却性が悪いという欠点があったため、1992年にGT-Xの改良版が登場しました。・・・それが、今回紹介するGT-Rです。
GT-Rになったことで馬力は180psから210psに向上し、インタークーラーも前置きに変更されて冷却効率が向上したほか、ボンネット上にエアアウトレットが追加され、放熱効率もUP!
真面目な改良が施されたグレードでしたが、ちょうどその頃マツダが経営難に陥り始めていたので、残念ながらWRCの参戦撤退を余儀なくされました。その後の全日本ダートラでは活躍したものの、世界レベルでの活躍はほとんど無かったという悲しい過去を持っています。
これが限定車だったのか、何台売れたのかなどの詳細情報は不明ですが、珍しいクルマなのは間違いないでしょう。
グレードステッカー。
ビスカス式LSDを用いていることを主張するステッカー。