"自分運転探索"第二位レベルでレアな草ヒロは…
…これだ!
ダイハツ デルタワイドバン
1600 5ドア デラックス(H-TB10V-JDEJ)
1976~79年式
長野県佐久地域にて 2018年1月2日撮影
この画像を見たとき、皆さんはどういう印象を抱いたでしょうか?
「ハァ?( ゚Д゚) …んなただのタウンエースの何処がレアなんじゃいヴォケェ!」
「確かに…フランスベッドのコマーシャルカラーのおかげで、それなりのレア感は出てるけど…タウンエースでしょ?」
「えっ、これタウンエースだけど…。…あ、高級感のあるホイールキャップがレアポイントなのか!あーそーなのか!」
…どうですかねぇ?
皆さんがこういう思いを抱いたかどうか僕が知る由もありませんが、いずれにしても共通しているのは、"このクルマがタウンエースだからレアではない"ということ。まあ、中にはタウンエースがレアだと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、少なくとも僕の感覚では小物です。
しかし、少しでもこんな思いになった方、よーく顔を見てくださいな。普通のタウンエースとは、ちょっと顔が違いますよね?
そう、これは…
…って、もう上に普通に車名が書いてありますが、これは、タウンエースのOEMであるデルタワイドだったのです!
…今でこそ、各社間でのOEMというのが流行っていますが、ホールディングスやコングロマリットという考えが一般的でなかった昔は、業務提携している自動車会社は少なく、1970年代の時代でもOEMを行っているのは少数の企業だけでした。
その数少ない企業の一つが、トヨタ&ダイハツペア。60年代は自社で登録商用車を製造してきたダイハツでしたが、後追いメーカーの成長っぷりがもの凄く、歴史の割にはシェアをどんどん奪われてくる始末で、70年代にはとうとう登録商用車の自社開発を辞めてしまいました。しかし、一度手に入れた顧客は取り逃したくない…ということで、業務提携し始めたトヨタさんに協力してもらい、トヨタの商用車をチョロっとカスタムして、ダイハツでも売ることにしたのです(…開発主導はトヨタでも、製造はダイハツがやってたりするんですけどね、実は)。
その一連の商用車シリーズが、デルタシリーズ。
一番小さいデルタ750("セブンハーフ"と読みます。バイクマニアのそこのあなた、決して"ナナハン"とは読まないように!)から…少し大きいデルタワイド、更に大き目なデルタトラックの3つのタイプを売り出しにかかりました。デルタ750は比較的すぐに消えましたが、ワイドとトラックはそこそこ長く続き、00年代初頭までは普通に売っていました。
中でもデルタワイドは唯一バンタイプが用意されたデルタシリーズだけあって、草ヒロ業界でも最もポピュラーなデルタとなっております。草ヒロで見かけるデルタと言ったら、まずデルタワイド…しかもこの初代モデルでしょう。
とまあ、デルタシリーズの解説はそこまでにしておいて、この草ヒロの次なる魅力をば…。
この草ヒロがデルタかどうかよりもまず最初に気になる、このカラーリングがこの草ヒロの大きな魅力です!
フランスベッドという、名前に反して実は日本の寝具メーカーのコマーシャルカー。フランス国旗、はたまた僕ら旧車好きにとっては嘗ての日産を彷彿とさせるようなトリコロールカラーに、フランスベッドのロゴとキャッチコピーが躍る、見た目にも楽しいカラーリングでした。
オフトゥンが載せられていそうなルーフキャリアとデラックスなホイールキャップにつけても、素敵な草ヒロポイントがつく個体だと思います。