今日はホンダの展示車両を一気にまとめて紹介しようと思います!
まずは軽から!
バモスホンダ2(TN360)
1972年式
日本の名車歴史館にて 2014年8月4日撮影
一度見たら忘れることのできない強烈なデザインとコンセプトをもったクルマです。
ドアすらないようなクルマを平然と販売してしまう割り切りの良さは、さすがバイクメーカー上がりの自動車メーカーといったところでしょうか。スペースが邪魔になりがちなスペアタイヤを敢えてフロントに置くことで、スペースの無駄を解消すると共に、特徴的で愛嬌のあるデザインを生み出すという発想には脱帽するばかりです。
N-VANが登場したことにより、バモスの名前は消えてしまいましたが、N-VANはバモスホンダとコンセプトこそ全く違っていても、遊び心は他メーカーの軽バンと比べて飛びぬけているので、バモスホンダのスピリットはある意味受け継がれていることでしょう。
ホンダ NⅢ360 タウンS
1970年式
日本の名車歴史館にて 2014年8月4日撮影
ナンプレにはN360と書かれていますが、正確に言えばN360の改良の改良型であるNⅢ360です。
フロントのデザインはNやNⅡと大きく変わり、兄弟車のZに近い顔になりました。
Nコロは博物館には必ずと言っていい程置いてあり、旧車イベントでも引っ張りだこな人気者です。ヤードに紛れていることも多く、むしろ天然草ヒロの方が少ないような…?それほど多くの人たちから愛されているということでしょうねぇ。
お次は登録車です。
ホンダ S800(AS800)
1966年式
日本の名車歴史館にて 2014年8月4日撮影
S660に血を受け継いだホンダのスポーツカー:S800です。これも必ずと言っていい程展示してありますよね。
近々S2000が復活するだの、S660のボアアップVer.のS1000が出るだの…今も自動車業界話題の存在であるSシリーズの血筋は留まることを知らないようです。
S800と言えば、やはりこの黄色を思い浮かべます。…というのも、僕が物心ついていない頃に買ってもらったと思われる、トミカギフトセットのS800が黄色だったからです。彼は今、塗装もボロボロに剥げ、車軸も曲がったような状態でケースの中に眠っていることでしょう。。。
ホンダ 1300 77S(H1300)
1970年式
日本の名車歴史館にて 2014年8月4日撮影
本田宗一郎氏渾身の一台にして、氏の開発思想が無残にも砕け散っていった原因ともいえるクルマ。
本田宗一郎氏は空冷エンジンに強いこだわりを見せていましたが、熱力学的に考えると水冷の方が圧倒的に効率が良く、それでも納得しなかった氏が半ば強行的に世に出したクルマです。空冷エンジンで水冷エンジン並みの冷却効率を実現しようとした結果、エンジンまわりの構造がとても複雑になり、ただでさえフロントヘビーになりやすいFF車がより重たく、旋回性の非常に悪いクルマになってしまいました。
当時のホンダが軽自動車やとして認識されていたことや、上記の欠点もあってあまり売れることはなく、また、高価なアルミ合金が使われていたこともあり、廃車にされたら解体屋にこぞって引き取られたため、現存する台数は非常に少ないのです。
…てなもんで、草ヒロでは見ることがまずないばかりか、イベントは勿論、博物館でも滅多にお目にかかれない珍しいクルマなのです。こんなマイナーなクルマまで置いてあるとは…さすがは“日本の名車歴史館”ですね!
ちなみに、悲惨な販売台数となった1300でしたが、転んでもただでは起きないと、水冷エンジンに換装した改良型の145が1300の後継として登場しました。これと同時に本田宗一郎氏は、自動車開発の第一線から退くこととなりました。
しかし、いくら冷却効率が良くなったエンジンを搭載したところで、一度マイナスのイメージがついてしまったホンダのセダンは売れることはなく、1300と同様、ひっそりと表舞台から消え去っていきました。