探索の終盤…帰路へ向かおうと県道を飛ばしていると、なにやら遠方にクロカンのネオクラを発見!
あっ…!これは…!!
ダイハツ ロッキー
SX(E-F300S-BLHE-SX)
1990~93年式
山梨県富士五湖地域にて 2018年4月30日撮影
ダイハツ・ロッキー!
あまり知られていませんが、ダイハツはかつてジムニーやパジェロ、ランクルのような本格派クロカン車を製造していた時期があり、それの第一弾車がタフトという名前でした。
タフトは、ダイハツならではのダイハツ製1.0Lエンジンとトヨタ製1.6Lエンジンを搭載する小排気量モデルから、ダイハツ製2.5Lエンジンやトヨタ製2.8Lエンジンを搭載する大排気量モデルまで幅広く用意されており、タフトの大排気量車がラガー、小排気量車がロッキーへと分化したのです。
…とは言え、ロッキーはタフトの生産終了から6年後に登場したので、ポジションがタフトの小排気量車と被るというだけでれっきとした後継車種というわけでもないようです。あくまでタフトの後継はラガーで、ラガーの弟分がロッキーといった具合。
ロッキーは取り回ししやすい小さいサイズが魅力的でしたが、このクラスのクロカンはスズキに一足先を越されており、エスクードに全く太刀打ちできなかったといいます。
そんなこんなでロッキーは現在かなりのレア車となっており、僕も撮影するのはこれが初めて。お見かけしたのはこれで二度目でした。
このロッキーは真四角のライトが特徴的な前期型。後期型は異形ライトに変わります。
グレードはSXという最上級グレードで、下級グレードのSE, DXとの違いとしては、パワーウィンドウが採用されていたり、ミラーが電動リモコン式だったり、シートの生地がモケットだったりと…なにかと快適化されているのです。
シルバーになっている部分の屋根は取り外すことが出来、ルーフを外せばタルガトップになり、リアを外せばリアだけオープンになり、両方取り外すとフルオープンと遜色ない解放感を味わうことができます。
上記に加えてクロカンらしからぬカラフルな色も選べるという、ダイハツらしい遊び心満載のクロカン車、それがロッキーなのです。
ところで、ロッキーと言えば、最近登場したダイハツの新型SUVの名前に採用されましたね。
車名を長続きさせずコロコロ変えてしまう、車名をあまり大事にしないメーカーという印象があるダイハツが、まさかロッキーの名前を復活させるとは夢にも思っていませんでした。
共通しているのはSUVという点だけで、デザインも似ても似つかなければ、“ファンシーながらも本格的なクロカン車”という初代ロッキーのコンセプトをなぞったクルマでもないという、名前は同じでも全く別物な新型ロッキーではありますが、新しいロッキーはシャープで力強さを感じるカッコいいデザインだと思いますし、サイズ感もありそうでなかったちょうどいい大きさということで、売れるのは間違いないハズ。
単独で開発製造販売した初代の時とは違い、今度はトヨタとタッグを組んで開発製造販売を行いますしね。
ちなみに、トヨタVer.の名前はライズ。
ブリザードという名前だったら趣があったかもしれませんが、車名が復活したのはラガーではなくロッキーなので、やっぱりブリザードはやめておいて良かったでしょう。
トヨタと組んで作ったクルマということで、新型ロッキーは初代ロッキーの直々の後継というより、テリオス/キャミ → ビーゴ/ラッシュの流れを汲むクルマと言えます。
流石にこのご時世、ジムニーのようにラダーフレームでパートタイム4WD、そしてマニュアル有の本格クロカンは作ることができないでしょうし、仮に作ったとしてもコストがかかる割には需要もないため、大失敗になることは目に見えています。
よって、新型ロッキーをライトクロカンにしたのは賢明な判断(というか当たり前の判断?)でしょうね。