林道の中を探検家気分で歩いていくこと数十分…。
我々ころころご一行は、提供された情報通りにあの世にも珍しきまゆげを発見することができたのであった…。
「つ…ついに見つけましたね!」
人っ子一人…どころか、周囲に現役の人家すらない秘境の地、忘却の地にひっそり佇むまゆげさん。
こういうシチュエーションの草ヒロに出会えるだけでも、いち草ヒロ趣味人としては感無量ですが、更に喜ぶべきはこのまゆげアトレーがただのアトレーだけでなく、超弩級に珍しいトンデモまゆげだったことです…!
まゆげNo. 017
まゆげコード:MEAHS4-RV2B-SoRA
●車両情報●
車名:アトレー 型式:M-S66V-FZSQ
年式:1983年 モデル:前期型(後期モデル)
グレード:L(RVスペシャルⅡ)
ボディタイプ:アトレー・ハイルーフ・サンルーフ 駆動方式:4WD
草ヒロ度:★★★★☆ 風化度:★★★☆☆
場所:空き地 用途:物置
●発見情報●
まゆげ:52台
前期型:21台
前期でアトレー:8台
前期でアトレーで4WD:2台
場所:山梨県南部地域 撮影日:2018年3月29日
ドッペルゲンガー:無
第一位のまゆげは、こんなまゆげでした!
…とは言っても、この画像を見ただけでこのまゆげの凄さが分かるような人はそういらっしゃらないでしょう。もしいたとしたら、それはもうガチのまゆげファンの方です。大多数の草ヒロ好き・旧車好きの方にとっては、『変なデザインのストライプが付いた、ちょっと変わったまゆげアトレー』くらいにしか思わないでしょうねぇ。
僕も、まゆげさんにこのまゆげの詳細を教えられる前にこれを見つけていたとしたら、色が変わっているということが気になるくらいで、メチャクチャ珍しいモデルだとは気付かないです。
…で、じゃあこのまゆげは一体何なのか?
単刀直入に言うと、特別仕様の限定車です。名前は“RVスペシャルⅡ”。
前期型のアトレーをベースとしており、2WDはEのロールーフが、4WDはLのハイルーフがベースとなっています。駆動方式によってグレードとボディタイプが固定されているニッチな特別仕様車だったようです。
販売期間も、特仕らしく1983年4月から同年9月までの約半年という僅かなものでした。レア度を上げている一番の要因はコレでしょう。
通常のアトレーとの相違点は、イエロー~レッドのグラデーションカラーのタイル状ストライプがプリントされている点と、オプションのデザインホイール&カリフォルニアミラーが標準装備されている点と、RVスペシャルⅡ専用の黒いカラーリングくらいでしょうかねぇ。
後期型にはターボ専用色として黒がありますが、前期にはターボがないので前期の黒はRVスペシャルⅡ専用色ということになるのです。
ちなみに、当然のことながら“Ⅱ”ということは勿論“Ⅰ”もあるということ。
まゆげさんによると、“RVスペシャル”という特別仕様車が1983年1月から同年3月の極僅かの3か月間だけ販売されていたとのことです。“Ⅱ”よりも更に半分の販売期間ということで、レア度は更に跳ね上がるかと思います。
“Ⅱ”とはまた違ったデザインのストライプがプリントされているようですし、是非とも見つけてみたいところですねぇ。。。
当時の様子を色濃く残す、貴重なステッカー・エンブレム類。
このエンブレムより、中堅グレードのLがベースであることが分かります。
どうやら、サンルーフも付いていたようですねぇ。“RVスペシャルⅡ”の名に恥じない、まさにスペシャルなRVだったようです。
4WDステッカーと、RVSPECIALⅡのデカール。
4WDステッカーのカラーリングは、このモデルに合うような専用カラーリングのようですね。
内装。
物置?ゴミ置き場?もう誰の手も入っていなさそうな雰囲気ですが…。
ここでまゆげ好きの方なら、デジタルクロックが装備されていかどうかをまず確認するはずです笑。
ご覧の通り、この個体にはデジタルクロックがあるべき場所はフタをされているだけで、デジタルクロックは付いていませんでした。…限定車なのに。。。
まゆげさんによると、デジタルクロックは割と珍しいオプションパーツだそう。
それを聞いてからというもの、まゆげの草ヒロを見つけたらデジタルクロックが装備されていないか確認するようになりました笑
まゆげの傍らには、木造の家(?)が建っていました。
見るからに古そうで、これが家だったとしても人はもう住んでいないでしょう。
本当に誰もいない空間。響き渡るのは、鳥のさえずりと草木が風で揺れる音くらい…。
神秘的な草ヒロでありました。
お知らせ
というわけで、総勢18台のまゆげと出会った今回の探索。
まゆげさんにも喜んでいただいて、僕も大変嬉しかったです。逆に僕もまゆげアトレーに乗るという、まずできない体験をさせていただいて感謝しかありません。
それに、ちょっとだけ運転もさせていただきました。旧車独特・軽バン独特の操作感が癖になりそうでした笑
本当にありがとうございました!
…さて、お知らせということですが、次回以降についてです。
このシリーズ、実はあと2回続きます。
次回は、“総集編”と題してこの探索で撮影したまゆげたちをおさらいします!
目新しさはありませんが、数多くのまゆげたちが一堂に会するため、いかに山梨県がまゆげハイゼットの宝庫かということが分かるかと思います!乞う、ご期待!