『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ
―――ボス率いる草滅会本部のご一行は、AM10:15頃には甲府盆地入りを果たし、草ヒロ探索を始めていた…―――
ボス 「おお、丘の上に草ヒロらしきものがあるぞ。あの草ヒロを撮りに行こう。」
上田 「ありますね!」
山中 「今度は私有地ではなさそうですし、撤去も簡単にできそうですね!」
ボス 「本日甲府盆地入りして記念すべき一台目の草ヒロだ…。どれほど撤去し甲斐のある草ヒロか…見ものだな。」
秘書 「ですね。」
ボス 「上がどうなってるから分からないから、ここにクルマを停めておこう。坂はキツそうだが、頑張って歩くぞ!」
山中・上田・秘書 「了解です!」
ダムッ!!バタバタン!!!
山中 「あのリアスタイル…もしやのまたまたバネットかぁ~?」
秘書 「我々草滅会が撤去に撤去を重ね重ねても湧いて出てくる車種ですね。まだこんなところに生き残っていたとは…。」
上田 「とっとと撤去してしまいましょう!」
ボス 「そうだな。撤去の必要のない草ヒロなど、この世には存在しないのだ。」
上田 「…思った以上にっ…、きっつーい坂ですねぇ…。」ハァ…ハァ…
山中 「頑張るんだ、リンゴっ…!はっ…はともう少しで、頂上だぞっ…!」ヘェ…ヘェ…
秘書 「………。」ハァッ…!
ボス (なにっ…?あれは見た感じ、崖のすぐ近くの草ヒロ…?むむ…崖の近くの草ヒロか…何だか嫌な気分だ…。)
山中 「なーんだ、やっぱりバネットだったか~。」
ボス (んなっ!!!?…こ、これはっっっ…っ!!!)
ドクンッ!! ドクン!ドクンドクン!
上田 「もっと草研が悔しがる大物だといいなって思ったんですけどねぇー。」
ボス (嫌な予感がしたが…、このシチュエーションはまさしく…。。。“あれ”を思い出してしまったっ!…ど、動悸が…!マズ…い…っ!)
ドクンドクンドクンドンドンドン!!!
山中 「ほんとそれ。」
ボス (よっちゃん…!すまないっ…!…本当に、申し訳ないっ…!申し訳なかったっ!なにも、してやれず…!)
ドンドンドクンドクンドクンドクンドンドクンドクン!!! ドックン!!!
ボス 「ウッ…!?む、む…!」
秘書 「ボス…?どうなさいましたか?」
上田 「あらら…なんだかすごく、顔色が悪いですよ…!」
山中 「あんだと…!?ボ、ボス…!」
ボス 「お、お、おまえたち…お、お、…ガっ…!…おオォぉ…っ」
山中・上田 「ボスッ!!」
秘書 「ボス、しっかりしてください!気を確かに!」
バタンッ!!
上田 「キャーッ!ボスが…ボスが倒れた~!」
山中 「ボスっ!大丈夫ですか?ボス!ボスッッッ!!!」
秘書 「……今すぐ救助隊の応援願います!場所は…○○市…」
説明マン 「説明しよう!…ボスが絶体絶命の大ピンチ!そんなとき、キミは救急車を呼ぼうと考えるのではないだろうか?しかし、秘書は草滅会の山梨支部の人間の応援を呼んだ。これは、草滅会のガイドラインで決められていることで、草滅会は人の敷地に勝手に入って調査・記録を行ったり、人の草ヒロを勝手に撤去していってしまうという、いろいろとグレーな組織であるために、外部の介入は出来るだけ避けたいのだ。外部との交流を極力避けられるように、草滅会は各支部にちょっとした自警団と救急組織を擁しており、緊急事態が発生した際は最寄りの草滅会の自警団もしくは救急隊に応援を要請するように決められている。また、各支部の建物には保健室は必ず設置するように取り決めがなされており、ボスはそこで検査・場合によっては治療を受けることになるだろう。」
「……突然の登場で失礼した。説明しよう!私は【説明マン】。『説明しよう!』の掛け声と共に現れ、“色々と”説明することが私の使命!草滅会は勿論、草研とも何の関係もない人間なので、そこんとこ、よろしく!」
「…またいつか、なにか説明しなければならない時が来た時に、唐突に画面の前のキミたちの目の前に現れることだろう!さらばだっ!」
―――ちょうどその頃…草研の博士チームが、ボスたちの発見した草ヒロを偶然見つけた…―――
助手 「あれ…?あの丘の上に、草ヒロが居ませんか?」
博士 「おぉ、本当じゃ!早速見つけられたな!」
助手 「さすがの小布施くんでもまだ一台も見つけられてないでしょうね。」
博士 「ウムッ、ウムッ…!そう、そうに違いないわい!早速近づくぞ!」
助手 「丘の上まで広い道が通っているようですし、クルマで上ってしまいましょう!停められる場所も多分あるでしょう。」
見習い 「近くまでクルマが通れる道路があって良かったですねー!」
助手 「ほんとほんと。遠くに停めるしかなかったら、また僕が行けなくなるところだったよ~。」
見習い 「大丈夫ですよ先輩!今度は俺が中で待ってますから!」
助手 「草田くん…!」
見習い 「あれ?またどっかで見たような人たちが…。」
博士 「なに?また草滅会か!どうしてこうもいつもいつもワシらの前に現れるのじゃ!?」
助手 「三回連続ですからねぇ。しかも今回は特に遭遇するのが早いですよ。」
見習い 「なんかw運命感じちゃいますねwww」
博士 「なに呑気なことを宣っとるんじゃ!とっとと行くぞ!」
キキッ!! ブンンム!!
ガラララッ!!ババン!! バン!
博士 「草滅会!そこまでじゃ!」
助手 「やっぱりあなたたちも今日、山梨に来てたんですね!」
見習い 「ほんとによく会いますね!草ヒロに手を出すのはやめてくださいよ!」
助手 「……って、なんだか様子が変ですよ、博士。」
博士 「おいっ…!…て、ててて、徹!オヌシ一体…ど、どうしたんじゃ!?」
ボス 「ぐ、博司か…。やはり、おお前も今日…山梨に来ていたか…お前…に…こんなところを目撃されるとは…なァ…?とんだ…ゲホッ…恥晒しだな…。ハハガ…ウッ…ゴホッ!!」
上田 「ボス!しっかりしてください!」
秘書 「応援が来るまでの辛抱です、ボス。あまり話さない方がよろしいですよ。」
山中 「おい!草研!ボスは見ての通り緊急事態にあらせられるんだ!お前らが余計な手出しをすると、ボスのご容態はますます悪くなる一方だ!さあ、帰った帰った!」
上田 「帰ってください!」
山中 「もうこの草ヒロは撮るなりなんなり好きにしろ!お前らにかまっていられる状況じゃねえんだ!」
助手 「…うっ!」
見習い 「な、なんだか…ただ事ではなさそうですね…。」
博士 「そうじゃな。いくら今は敵とはいえ、徹は昔からの知り合い。昔は草ヒロを共に探すほどの仲じゃったし、奴の身体が心配じゃのう。」
山中 「心配なんだったら、とっととここから消えるこったな!」
助手 「草ヒロを撮ったら行きましょう、博士。草田くん!」
博士 「うむ。…しかし、徹は持病なぞないと思っとったんじゃが、一体どうしたのかのう?」
ボス 「博司…グフッ」
秘書 「ボス!言葉を発せられるのは御止めになった方が…」
ボス 「黙れっ!…私に…話させろっ…!…ゲハッ!!」
秘書 「…ひっ!…これは、大変、失礼いたしました!」
ボス 「ウゥ…グ!…博司よ…この草ヒロの状況を…見て…ゴホッ…な、なにか…おおお、お、もい出すこと…がっ、は…ないか?」…ゴホッ、ガホッ
博士 「…な、なんじゃあ?一体、なにが…」
ボス 「呑気な貴様は…やっぱり忘れていたかっ…!ガガッハッ!!ウェーゲッ!!…ぎ…ぎ様には…それだけをぎってごく…ゲガゴゴッ…いっ、じょう…忘れないぞ…草ヒロ…。ゴッ…だ、だぜ私が…くぐ、グゥ…草ヒロを…嫌いになったのかを…、その頭で…かかが、考えてみろっ!」ゲホッゲホッ…ウウウ…ゲェーッ!ゲッ!ゲゲゲノゲェ~~ッッ!!!
山中・上田・秘書 「ボスっっ!!」
博士 (…………。)
山中 「おい!お前らいい加減にしろ!お前らがいると…ボスが…ボスが!!」
見習い 「博士!先輩!草ヒロの撮影は完了しましたよ!」
博士 「…そうか。」
助手 「何だかヤバそうですし、草ヒロも撮りましたし、行きましょう!いくら草滅会の人間とは言え、さすがに人殺しにはなりたくないですよ!僕!」
博士 「…うむ。…じゃあ徹…頑張るのじゃぞ…!…ん、また誰か来おったの?」
キキッン!!
ダン!バム!!
秘書 「あ、応援が来ました!」
博士 「応援とな?」
上田 「よかった~!」
山中 「ホラ、搬送の邪魔だ!どいたどいたーっ!」
助手 「…救急車呼ばないのかなぁ?」
見習い 「オレも思いました!『あれ?救急車じゃないのかなぁ』って!」
竹森 「ボス、大丈夫でございますか?」
牛奥 「もうご安心ください。我々は、草ヒロぼくめつ会山梨支部塩山局の者です。私は牛奥、彼は竹森と申します。塩山局はもうすぐそこなので、直ちに保健室で検査しましょう!」
ボス 「うぅ…すまないな。私のために…。」
竹森 「いえいえ。ボスがいらっしゃるおかげで現在の草滅会があるわけですから、ボスのご命令、ボスの為であれば、どこへだって飛んできますよ。」
山中 「イヤハヤ、スミマセンねぇ。あなた方が来てくださらなければ、ボスはどうなるのかと…。」
牛奥 「心配なのは我々…もとい草滅会の会員全員ですよ。ボスが倒られたと聞いて、もう居ても立っても居られなくなりましたから。…しかし本部の方々が山梨にいらしていたとは驚きましたなぁ。」
山中 「目ぼしい草ヒロがないか、少しばかり索に来ていたのですよ。」
牛奥 「撤去のご協力でしたか、わざわざこんな所にまで…ありがとうございます!…しかし、せっかく来ていただいたのにお気の毒です…。」
竹森 「ボスの搬入、完了しましたっ!」
牛奥 「そうか、よし、クルマを出すぞ!…では、我々はこれで失礼いたします。」
山中 「本当にありがとうございました…!」
牛奥 「山梨支部の当番医師を塩山局に呼んであるので、後は我々にお任せを。またのちほどご連絡いたします。」
秘書 「すみません、素早いご対応、何から何までありがとうございます…。」
山中・上田・秘書 「よろしくお願いします!」
バタン!ダン! キッ!ブロロロロローンム!!!
つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』~ボスと支部の会員編~へ)
上田 「では、私たちも行きますか!」
秘書 「とりあえずこの忌まわしき草ヒロを記録しておきましょう。これはもう、撤去しかありえませんからね。」
山中 「ですね!もう今すぐにでもこの崖から突き落として消し去りたいくらいですよっ!」
助手 「…な、なんか凄い…。」
見習い 「…ってことはボスは、この草ヒロが原因であんなことに?」
山中 「ああァ?まだおめぇらいたのかよ!?俺たちは記録が終わったら出発するし、ボスも搬送されたからもうどうでもいいけど、余計なことすんじゃねぇぞ!?」
助手 「うっ…!」 見習い 「ぐっ…!」
博士 (…………。)
No.021
日産 バネットバン
ジャマレベル:★☆☆☆☆(こんな崖地、一体誰が使うと言うのでしょう?)
景観悪レベル:★★★★☆(甲府盆地を一望できる見晴らしの良い丘。せっかくの眺望の妨げになるこの草ヒロは、景観悪以外の何物でもありません。)
貴重レベル:★☆☆☆☆(初代バネットは草ヒロの定番車種です。前期の二灯モデルは若干レアですが、それでもたかが知れています。)
総合評価:景観悪化を招く邪悪な存在。それどころか、ボスの悪い記憶を呼び起こしてしまった極悪卑劣な草ヒロです。こんなもの、とっとと葬り去ってしまいましょう!
秘書 「記録も終わりましたし、それでは参りましょうか。」
上田 「そういえば、ボスのクルマは誰が運転します?」
山中 「そういえばそーだよなぁ…。うーん…万一、ボスのフーガを傷つけでもしたらとんでもないことだが…いざとなったら、俺、やるぞ!」
秘書 「いえいえ山中さん。ここは私にお任せ下さい。私はボスの秘書でございますから、ボスのお車はこれまでに何回か運転した経験があります。また、他車特約にも加入しておりますので、万が一の時もボスにはご迷惑をおかけしません。」
山中 「そうだったんですか!さすが我らがボスの秘書、我らが水篶さん!」
秘書 「いえいえ。それほどでもありませんよ。」
上田 「それに水篶さんは、あんなにでっかいユニックも運転できますし、安心して任せられますね!」
山中 「そうそう、ユニックもいつも運転してくれてたんだった!…水篶さん、お任せします!」
秘書 「ありがとうございます。引き受けました。…それでは皆様、クルマにお乗りください。」
バタムバタン!
山中・上田 「運転お願いします!!」
秘書 「安全運転で参ります!」
ブン!ブブオホオーーッッ!!!
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
撤去された後の風景をご紹介するお馴染みのコーナー:“その後の様子”は、準備中でございます。
もう少しお待ちくださいね。
つづく(『草ヒロ“撤去”物語3』~手下チーム?編~へ)
助手 「…行っちゃったねぇ…。」
見習い 「でもなんだか、草滅会の内部が垣間見えたようで、ボスには悪いんスけど、なんだか得した気分ですね!」
助手 「ね。草滅会ってあんな感じだったんだねぇ。」
博士 (バネット…、崖…ま、まさか…!)
助手 「博士、さっきからずっとだまーってますけど、一体どうしたんですか?」
見習い 「博士ー?」
博士 (思い出したぞ!確かに…状況が重なる…!徹の奴…あのときの記憶がフラッシュバックしたのか…!)
見習い 「は・か・せー!」
助手 「早くしないと小布施くんたちにどんどん先を越されてしまいますよー!」
博士 「はっ!」(いかん…いかん…!)
見習い 「あ、気付いた。」
博士 「…よ、よし!オヌシら!ワシらも、草滅会や新入りどもに負けてはおられんぞ!」
助手 「しかし博士、一体何を考えていたんですか?」
見習い 「ボケ老人みたくぼーっと突っ立ってましたよ。」
博士 「ボケ老人は余計じゃ。徹がああなってしまった原因を思い出そうとしておったのじゃ。」
助手 「そういえばボス、『この状況を見て何か思い出さないか』だとか、『なんで私が草ヒロ嫌いになったのか考えてみろ!』とかいってましたしね。」
見習い 「…まさか、ボスが草ヒロ嫌いになったのも、この草ヒロと深い関係が!?」
博士 「この草ヒロとは直接関わってはおらんが、あの状況を鮮明に思い出せるほど似通った草ヒロと徹は、間接的には関わっておったのじゃ。ある草ヒロに関するある事件が引き金となり、ボスは草ヒロを忌み嫌うようになったのじゃ。」
助手・見習い 「ほー」
博士 「そのことについては、またクルマの中で話そう。」
助手 「はい!凄く聞きたいですよその話!」
見習い 「だって草滅会って日本全国に展開する組織ですよ。それが発足するきっかけとなった出来事って、一体何なんでしょうか?めっちゃんこ気になりますよ!」
博士 「じゃあ、ワシらもクルマに乗り込もうぞ!」
助手・見習い 「はい!」
つづく(『草ヒロ物語3』~博士チーム編~へ)
「この物語、そしてこの物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いぞ。」
「ボス…塩尻局の人たちのおかげで一命を取り留めることが出来て本当に良かったですね。」
「ああ、あの時は本当にまずいと思ったが、お前たちのおかげで助かった。ありがとう。」
「いえいえ、お礼には及びませんよ!」
「しかし、一体なにがあったのか、これからの展開に目が離せませんね!」
「フン。…【ボスが草ヒロ嫌いになるきっかけとなった草ヒロはどんな草ヒロだったのか!?】【引き金を引いた事件は一体何だったのか!?】【その事件からどのようにしてここまでの組織に成長していったのか!?】…それらがこの物語で明らかになるだろう…!…と同時に…【ボスとドン(鉄木代昭蔵)との馴初めは…!?】【ボスの心の声の中で出てきた『よっちゃん』という人物は一体誰なのか!?】…ということについても明らかになることだろう。…ククク」
「いやー、『3』は盛りだくさんですね!これはかなりボリューミーですわ!」
「フフ…そうだな…!」