日産 クリッパー 高床式
1973~76年式
宮城県にて 2015年7月18日撮影
エルフやキャンターと言った、需要の大きい小型トラックのクラスへ参入したプリンス自動車が開発したトラックがクリッパーです。
日産はキャブオールという同クラスのトラックを有していましたが、プリンスが日産に吸収された後も、その特徴的なデザインが買われたのか、車名は消滅することもなく生産が続けられました。
この個体は2代目。
初代が歴代クリッパーの中で最も特徴的と言えるデザインでしたが、6個もの穴とくぼんだライト周りが織り成す怪物の顔のようにも見えるおどろおどろしいものでした。僕は嫌いなデザインではないのですが、ハッキリ言って不気味です笑
一方二代目は、インパクと親しみやすさのバランスが巧いこととれた名デザインと言えるでしょう。初代にもあった楕円型グリルを6個から2個へ減らし、ヘッドライトはグリルと同じ形状の楕円を採用して、楕円が4つ連なったようにも見える特徴的ながらもまとまったシンプルさがあるとも評せるデザインになりました。それによって、顔の印象も“不気味な怪物”ではなくなり、どこかのんびりとしたような親しみやすい優しい顔に変貌しましたとさ。
日本の商用車の中で5本の指に入るくらい優れたデザインだと僕は思っています(あとは初代ボンゴや初代ライトエースなんかもいいと思ってます)。
クリッパーが好きなのでついつい駄文を重ねてしまいましたが、あともう少しだけ。
2代目クリッパーは日産に吸収合併されたあとでもしばらくは“PRINCE”のエンブレムを付けたまま販売が続けられましたが、1973年のMCの際に“NISSAN”に変更され、車名も『日産プリンス クリッパー』から『日産 クリッパー』に変わりました。
よってこの個体は後期型ということになります。また、他の変更点としては、“Clipper”エンブレムの位置やフロントウインカーのデザインがあるので、エンブレムが無くなっていたとしても前期後期を見分けることは可能です。ご参考までに。
…とは言え、ころころはクリッパーの草ヒロをほとんど見たことがなく、恐らくこの個体だけだったような気がします。。。この判別方法が役に立つときは来るのだろうか…。
2代目クリッパーは青色のイメージが強く、緑色のクリッパーは中々見れたものではありません。草に覆われてスッキリと全体像を拝むことは出来ていませんが、いいもの見させていただきました!
あの特徴的なお顔もしっかり見たかった…。
エンブレムです。