『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ
上田 「ボス…果たして大丈夫でしょうか…。」
山中 「大丈夫だリンゴ!ボスはこれまで数多の難関を乗り越えてきたんだ。こんなことで負けるようなボスではない!」
秘書 「そうですよ上田さん。ボスと、そしてボスを助けるために尽力してくださっている塩山局の方達を信じましょう。」
上田 「ですね…。」
秘書 「塩山局の方によると、一過性の過呼吸発作と思しき症状とのことですし、ご心配には及ばないと思いますよ。勿論、上田さんの心配する気持ちは痛いほどよく分かりますが…。」
山中 「ボスが搬送されてしまった以上、そんなことも言ってらんねぇんだよ!俺たちに今できることは、余計な心配をすることではなく、草ヒロを沢山見つけて一台でも多くの草ヒロを撤去すること!」
秘書 「山中さんの仰る通りでございますね。」
上田 「…はい。あたしも草ヒロを見つけてボスにお褒めの言葉をいただけるように、頑張ります!」
山中 「その意気だぜ!」
秘書 「ところで今、別の果樹園地帯に向かっているのですが、どのあたりを探索しましょうか?」
山中 「そうですねー…どうしよっかな~。……リンゴ、お前の今のやる気と直感的に、今どこに行くのがベストだと思う?」
上田 「えぇっ、あたしですか?…じゃあ、ここはボスを信じて…あそこの交差点を右へ!なんとなくですが、ボスなら…きっとそこへ行くと思います。」
山中 「わかった。…うむむ…ボスがいれば、もっと簡単に見つかっただろうになぁ。…ともかく、いっぺん行ってみるか!」
秘書 「承知致しました。そこの交差点を右へ曲がります。」
上田 「…水篶さんスミマセン、曲がった後で言うのもなんですが…結構狭いですね…。大丈夫ですか?」
秘書 「ユニック車を狭隘道路で運転したことのある私から申し上げますと、このくらいは朝飯前でございますよ。上田さん、お任せを。」
上田 「…そうですよね。水篶さんですものね!…では、このままどんどん突き進んでいきましょう!」
秘書 「はい…!」
山中 「確かに…いかにも草ヒロのありそうな果樹園地帯だな~。中々見込みのある所を選んだんじゃないか、リンゴ!」
上田 「実際に見つかればいいのですが…。ありそうな所を探しても見つからなかった事って割とあるじゃないですか~。…まあ、ここは自分を信じるしかありませんよね!」
山中 「ボスならきっと、こんな状況でも諦めず根気よく探し続けるだろうしな!」
秘書 「やはりプロというものは、技術だけでは上り詰めることは出来ないものです。どんな境遇でも諦めない根気があってこそ、プロフェッショナルというものになれるのだと思いますよ。」
上田 「あたし…まだ草滅会の会員になってまだ数年しか経ってないけど…少しでもボスに近付けるように頑張るって、入会の時に誓ったんだった…。とにかく根性ですよね、根性!」
山中 「そうだぞリンゴ!これで草ヒロを見つけられたら、リンゴもまた一歩成長したってもんだ。」
上田 「アハハ…いえいえ。運転してくださっている水篶さんと励ましてくださる山中さんのおかげですよ~。」
山中 「またまたァ~?」
上田 「…あっ!今一瞬、草ヒロのようなものが見えた気がします!」
山中 「お~、もう見つかったか!フラグ立てて回収するのが早いな~!」
上田 「あははっwww」
秘書 「さすがですよ、上田さん。」
No.022
スバル サンバー
ジャマレベル:★★★☆☆(私有地の中ではありますが、狭い果樹園の中でここまで物が大きく陣取っていると邪魔だと思いますよ。)
景観悪レベル:★★★★☆(草ヒロがあるだけではなく、草ヒロと荷台やその周囲に汚らしい物が乱雑に積まれていて、見苦しいったらありません。)
貴重レベル:★★★☆☆(2代目サンバーはかなり古いクルマの部類に入りますが、その割には発見例は多いです。)
総合評価:見た目が汚らしい時点で、撤去の優先対象です。それに加えて珍しさもそこそこ。今のところ撤去優先度No.2の草ヒロですよ。ちなみにNo.1はボスが倒れる原因となったバネットです。あれは今すぐにでも潰してやらねばなりません。
山中 「うぉーっ!こりゃすげぇや!でかしたぞ、リンゴ!」
上田 「やりましたっ!これも、皆さんとボスのおかげですよ!」
秘書 「この汚らしさに見苦しさ…まさに草ヒロそのものですね。これは私としても非常に撤去のし甲斐がある個体ですよ。…フフフ、楽しみになってきましたねぇ…。」
山中 「どうやら水篶さんも大喜びみたいだぞ!ボスもきっと、自分がいなくてもここまでできて凄いと、お褒めの言葉をかけてくださるに違いねぇな!」
上田 「嬉しいです!…にしてもやはり、まだあるところにはあるものなんですね、草ヒロって。草滅会が発足してからかなりの時間が経過しているというのに、未だにこのような年代のクルマが眠っているなんて…。」
山中 「前に回ってみたら、2代目のサンバーだってことが分かったから、コイツは昭和40年代のクルマってわけだな。今の今まで草滅会の目から逃れることができたのも、果樹園地帯内の狭隘道路沿いに置いてあるからだろ。」
秘書 「いくら支部の方たちが撤去に尽力しているとはいえ、全ての道を捜索することは不可能でしょうし、仮に発見したとしてもこの邪魔な荷物をどう除けるかで悩み、撤去を一時的にでも断念したという可能性もあるでしょう。」
山中 「水篶さん、大丈夫ですか…?」
上田 「フーガでギリギリってことは、ユニックは入ることは出来なさそうですもんね…。」
秘書 「えぇ、本部が所有するユニックが入ることは不可能でしょう。…この間、地元のZ32を撤去しましたが、あの時は道幅が狭くても遮るものがなかった為、車幅が道幅を多少オーバーしても入ることが出来、撤去が実現したのです。しかし、この道路はすぐ脇にブドウの果樹園棚が広がっているので、道幅をオーバーした暁にはブドウ園の支柱とぶつかってしまってユニックの搬入は不可能ですよ。」
上田 「そうなんですか…。」
山中 「なんかいい方法ねぇのかなぁ…。」
秘書 「それが、ありますよ…!」
上田 「えぇ!?」
秘書 「もっと小さいユニックを使えばいいのです。」
山中 「…小さいユニック、ですか。ウチにはそんなクルマは…」
秘書 「そうです。皆さんもご存知のように、支部の統括や支部の活動の監視、予算運営や監察などの業務がメインとなる草滅会本部は最低限使えるユニックしか所有しておりません。しかし、狭隘道路に入る必要性に駆られることも多い山梨支部や長野支部は少し小さめのユニックトラックを複数台所有しているハズです。局では所有していないでしょうが、山梨支部の本部は所有しているでしょう。」
山中 「…ってことは、山梨支部の人たちと協力すれば撤去が出来るってわけか!」
秘書 「そういうことですね。360ccのクルマであれば、現在の小型トラックでも充分積載できるでしょう。探索終了後に、山梨支部に応援を要請しておきます。」
山中 「さーすが水篶さん!ありがとうございます!」
上田 「お願いします!」
山中 「…イヤハヤ、水篶さんは常にボスの秘書を務められていただけあって、ボスのように頼りになりますねぇ!」
秘書 「大変恐縮です。ボスの御期待に沿えるよう、日々精進しているつもりではいるのですが、それでもまだまだボスの足元には及びませんよ。」
上田 「そんなことありませんよ!こんな狭い道でフーガを操っている水篶さん、すっごくカッコ良かったですよ!もっと自信をもってください!」
秘書 「お褒めの言葉、ありがとうございます。」
山中 「リンゴ、さっき水篶さんに励まされて元気を出したんだから、尚更だよな!」
上田 「ええ!」
秘書 「…では!クルマに戻って…」
上田 「ああっ!…山中さん!水篶さん!」
山中 「おぉ?どうしたリンゴ!?」
つづく
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
撤去された後の風景をご紹介するお馴染みのコーナー:“その後の様子”は、準備中でございます。
もう少しお待ちくださいね。
「この物語、そしてこの物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いことを覚えておいてくれ。でもな、草ヒロが撤去されたという話は本当だぞ…!」
「そうだそうだ!…画面の目の前にいるお前ら、覚えとけよっ!」
「…ッボ、ボス!…実は、ですね…これには深いわけがありまして…。まだ写真が用意できていないのですよ…。」
「バカモン!アップされないということは、写真が用意できていないとなるのは当然だろうが!私はな、なぜ用意できていないのかを聞いているのだ…!」
「…ッ…ええと…それはですね…。」
「…まさか、実はまだ撤去していないとか宣うつもりではないだろうな…?もしそのようなことをしたら、『草ヒロ“撤去”物語』並びに草滅会の大フアンの方々、そしてまじめに仕事をしている全国の草滅会の支部の者を裏切ることになるのだぞ!」
「とんでもございません!これらの草ヒロはちゃんと撤去され…もとい、撤去しました!水篶さんの手によって!」
「では、何故写真が用意できていないのだ?」
「これまで撮影した3台の草ヒロの近くにある道…いずれもストリートビューが通っていないのですよ。…だから用意が遅れている次第で…。」
「撤去したなら、そのときに撮影できるだろうが!」
「ひぃっ!…水篶さんはちゃんと記録していますよ。それは断言できます…!…しかしですよボス、では逆にお尋ねしますが、なぜ『草ヒロ“撤去”物語』(4)の時に撮影したDSの写真の季節がアングルによって異なっていたのですか?」
「ぐっ…そんな大昔のことを…。そのことは聞くんじゃない!追及禁止だっ!…あの時は、『季節が変わった時に水篶が撮影したんじゃないのか』と、答えたはずだ…。」
「では、何故すぐさま撤去しなかったのでしょうかね?水篶さんであれば、すぐさま撤去するはずですが…。」
「……あー、もう時間だ時間だ。ここであんまり長いこと話すのは良くないな。山中よ。これは本編ではないのだぞ?」
「ボスにもお答えできないことってあるんですね。」
「山中もだろう!お前は私の優秀な部下だ。それなのに…」[以下、ボスと山中の応酬が続く]