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草ヒロ物語3(4)

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『草ヒロ物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ

 

前回のおはなし(『草ヒロ物語3』を通して読みたい人はコチラへ)

前回のおはなし(『博士チーム』編だけ読みたい人はコチラへ)

 

ブルーンムムム…

助手 「………。」キュッ!ウウォン!

ブォーム!…ブブブー

博士 「………。」

ティッッカティッカティッカ…ウォン!ボンム!ウォン!…ブォーー!ウォン!…ブブブー…

見習い 「………。」

ブーーーブブム…ウォン!ブォー…

助手 「……い、いや…にしても、まさかボスが倒れて搬送されたとは驚きましたよね。」

博士 「草滅会という組織は、ワシら草研からしたら許しておけぬ存在じゃ。…が、それでも徹とは、かつて草ヒロを共に探し回ったほどの仲じゃったからのう…奴のことが心配じゃわい。」

見習い 「別にどーっでもいいじゃないっすか?そんなワル者~。これまでさんざ草ヒロをこの世から消してきたんですから、ついにバチが当たったんすよwww」

博士 「な、なんじゃとオヌシ!?」

助手 「ちょっと草田くん!いくら敵でも、苦しんでいる人を貶めるようなことを言うのはよくないよ。」

見習い 「チェ~、分かりましたよ……!すんませんした!…で、結局ボスは何で倒れたんですか?ボスの身体よりもそっちの方が気になりますよ~!早くその話を聞かせてくださいよ~」

助手 (全く分かってない…。ま、確かにボクもその話には興味があるんだけど…)

博士 「まぁまぁそう先を急ぐでないて。ゆっくり話していくから聞いとき。…あ、もちろんワシの話に夢中になって草ヒロを見逃すでないぞ!ワシも気を付けながら話すからの。」

見習い 「分かってますって!…一体何があったんですか~?」

博士 「ホンマにオヌシはせっかちな奴じゃのう~。」

助手 「時間はいくらでもあるんだから、探索が終わって帰りに聞いてもいいんじゃない?」

見習い 「今からちょっとずつでも話していけばいいじゃないですか~。」

助手 「草ヒロを見逃さないようにね…!ボクも前から見える範囲内でなら探すからさ。」

見習い 「ハイ…!」

博士 「オッホン!…では、これから話をしよう。まず、ワシと徹は古くからの幼馴染だということを前に話したじゃろう?」

見習い 「そうでしたね。その話を聞いた時はマジ驚きましたよw」

助手 「ねー。」

博士 「じゃから、小学校と中学校は同じだったんじゃ。そして、中学生…うーむ2年か3年だったかのう…ワシと徹が同じクラスになった時、そのクラスメイトの一人に徹が『よっちゃん』と呼んどったヤツがおったのじゃ。」

見習い 「よっちゃん…。ヨシオくんとかヨシタカくんとかってことですかね…?」

博士 「うむ……名前は…何じゃったかのう…。別にワシは彼とは特別仲が良かったわけではないし、徹との繋がりで何回か話したことがあるくらいじゃ。じゃから、彼には悪いが、あまり記憶がない。」

見習い 「え、そのよっちゃんとやらは学年が上がった後、話したりしなかったんですか?」

博士 「良い質問じゃが、それはこれから話すことの核心に触れてしまうので、また後じゃ。」

見習い 「え~!?」

博士 「彼に関する記憶があまりないとも言ったが、それはある出来事が強烈に印象に残っているからなのかも知れん。」

助手 「ある出来事って、その核心と関係があるんですか?」

博士 「まあ、そうじゃな。」

見習い 「まじか…!ますます気になりますね~!」

助手 「ね!」

博士 「…で、話を戻すと、よっちゃんは徹とは妙に気が合ったらしく、中2か中3のときに初めて同じクラスになったみたいなんじゃが、みるみるうちに仲良くなっていったのじゃ。…多分、出席番号が隣じゃったから、なにかと絡む機会も多かったんじゃろうな。」

助手 「出席番号が近い人とは大抵仲良くなりますものね。」

博士 「それで、仲良くしていくうちに、よっちゃんは徹が草ヒロにハマっちょることを知るわけじゃ。」

助手 「まあ、それも自然な流れですよね。友達の趣味嗜好は気になりますもの。」

見習い 「あっ、そうか、この時はまだボスは草ヒロが好きだったんでしたっけ。」

博士 「そうじゃぞ。かつては草ヒロを共に探す仲じゃと言うたじゃろうが。あの約束もそれで交わされたわけじゃしな。…あれは、ワシが中1の頃じゃったな。それは鮮明に覚えとるぞ。」

見習い 「自分に関係あることですもんね~。」

博士 「で、これから話す、徹が草ヒロ嫌いになった話じゃが…これはワシが直接関わった話ではなく、徹から聞いたことじゃ。あれは確か…ワシが中2か中3の頃じゃった…。」

 

 

※回想シーンの背景について

 

前回の回想では、博士と徹の地元:神奈川県小大笑(おおわら)市に伝わる方言、大笑(おおわら)弁※“小”は付かない※で会話をしていましたが、今回の回想では分かりやすさ重視のために、現代標準語(口語)で翻訳してお送りします…。

ホラそこ!方言にするのが面倒くさかっただけだろ、とか言わない!

 

説明マン

「説明しよう!『よっちゃん』の本名についてだが…どうやら博士は失念してしまったようだが、ボスによると『下曽我 庸助(しもそが ようすけ)』という名前らしい。そう…『ようすけ』から『よっちゃん』というあだ名が付けられたのだ!」

「また、以下の回想シーンの舞台は1973年の7月頃だ…!つまりボスたちは、中学3年生というわけだな。そして場所は、ボスたちが通っていた中学校の教室の中で休み時間中に交わされた会話のシーンとのことだ!」

「それでは、博士による昔話をみんなも楽しんでくれ!またどこかで会おう!」

 

 

※これより、ボスの話に基づいた、博士の想像による回想シーン

 

ボス(15) 「…ってのが俺の趣味。」

下曽我 「へーっ、てっちゃんって草ヒロ好きなんだ。」

ボス 「へへへ…ちょっと変わった趣味やん?はずいからさ、俺の親友の博司くらいしか話してねーんだけど、よっちゃんとはもう立派な親友だから話そうって決めたのよ。」

下曽我 「そんな~!全然変じゃねぇって!でも、話してくれてありがと!僕、てっちゃんのために、もし草ヒロ見つけたら写真に撮るか場所をメモるかして、てっちゃんに教えるよ!」

ボス 「マ!?サンキュー!ちょー助かるわそれ。なんだかわりぃな。」

下曽我 「気にすんなって~。」

ボス 「でもあんま無理すんなよ?偶然見つけたときに撮影すればいいんだからな。ワザワザ草ヒロ探しなんかしたら、お前さんまで変人扱いだぜ。」

下曽我 「うーん…でも、面白そうじゃね?草ヒロ探索って。冒険家になったみてーじゃん!周りの目なんてに気してらんねーよ!」

ボス 「おいおい。そんな大層なもんじゃねぇって。…そういや、てっちゃんて山登りが趣味だったんだよな。だからか?」

下曽我 「それ!僕、冒険家に憧れてんだ。大人になったら、世界中を探検してみてぇなー…なーんて思ってんの!…ちょっと恥ずかしいけど、てっちゃんになら話せるわw」

ボス 「全然恥ずかしがることじゃねぇよ!かっけーじゃんそれ~ナイス~!」

下曽我 「ウェー!www…それでさw今度の日曜日に、まだ登ってねー地元の山があんだけど、そこ登ろうと思ってんだ。てっちゃんも…一緒にどーや?」

ボス 「あ、ワリ。行きてぇんだけど、その日は生憎予定が入ってんだ。」

下曽我 「そっかー。それはシブいわ~。…じゃま、ボッチで楽しんでくるわ!」

ボス 「来週、その話聞かせろよ~。もしかしたら、草ヒロが見つかるかも知れねぇからな!」

下曽我 「てっちゃん、山には草ヒロなんてねーんじゃなかったのか~?www」

ボス 「ハハハ!ジョーダンだって!マイケルジョーダンw」

下曽我 「いや!もしかしたらマジメに草ヒロあるかもよ~?」

ボス 「ねぇねぇ!wwwこれであったらw俺の負けじゃねぇか!」

下曽我 「負けってなんだよ~!wこーなったら、ぜってー見つけてきてやっから!」

ボス 「ハハハッwww!!」

 

そう、これが全ての元凶だとは、誰も予想していなかった…!

助手 「あ、博士!草ヒロですよ!」

※回想、助手により一旦中断

 

 

博士 「…なんじゃと!?」

見習い 「あ~もう、いいとこだったのにぃ!」

博士 「おいっ!運転手たる草川が見つけられて、なにもしとらんオヌシが草ヒロをスルーしてどうする!?」

見習い 「え~!?なんすかその言いがかりぃ…!じゃあ、博士はなんで気が付かなかったんすか?博士も何もしてなかったでしょう?」

博士 「うっ…!ワ、ワシゃあ、オヌシらに徹の過去を話しとったんじゃ。話に集中しとるんじゃから、草ヒロくらい見落とすじゃろう…!」

見習い 「あーっ!…曲がりなりにも草ヒロ研究所の所長、そして草ヒロ博士たるお方が、草ヒロを蔑ろにするような発言をしていいんすかぁ~??」

博士 「うるさいうるさーい!オヌシこそ草ヒロ研究所の所長の助手たる者だのに、草ヒロを見逃しちょるじゃないか!」

助手 「…こらこら!博士も草田くんも、そのくらいにして!…クルマ止めましたしもう、草ヒロを撮影しに行きますよ。僕たちは草ヒロを探しに来たんですからね!いがみ合っていても時間の無駄でしょう!」

見習い 「うっ…!」

博士 「ぐっ…!草川…確かにオヌシの言う通りじゃの。…そ、そう言われると口惜しいが反論できんわい!」

助手 「まあ、僕もお話の続きが気になるんで、クルマに戻ったらお願いしますよ!」

 

 

 

 

見習い 「まさかの…2台セットの組ヒロですね!」

助手 「ホント凄いよねぇ~。もし僕が見つけられなかったら、2台ともスルーして、今頃草滅会かなんかに見つかってたことだろうねぇ~。」

見習い (せ、先輩…。)「さ、さーせん!先輩…。」

博士 「オヌシ、お手柄じゃぞ!さすがはこのワシの助手じゃ!オヌシとはもう長いし、信頼できるわい!」

助手 「いえいえ~。あんまり褒めないで下さいよ~。博士らしくありませんよ。」

博士 「オヌシ!それは一体どういう意味じゃ!?」

助手 「草田くん、草ヒロ、じっくり観察しよっか!」

見習い 「ええ!せっかく先輩が見つけ出してくれた草ヒロですもん。ジックリ見ないと勿体ないっす!」

博士 「コレ!ワシを無視するでない…!」

 

 

 

No.024
日産 シビリアン
1971~76年式
用途:物置? 場所:果樹園(モモ)
博士メモ:草ヒロ博士たるものが、話に夢中でスルーしてしまった。こんなに図体がデカいのに気付かなんだとは…やはり草ヒロ探索時は草ヒロのことだけを考えるのが良さそうじゃのう。もしくは、複数人で探索するかじゃ。このバスいっぱいになるほどの大人数で探索をすれば、草ヒロを一台たりとも見逃すこともなくなりそうなんじゃがのう…。……むむ?これはもしや、新たな探索スタイルのヒントか!?…研究所にも1台欲しいところじゃわい。

 

見習い 「シビリアンかー。かわいいピンク色に塗られていますね!」

助手 「だね。…でも、こっち側は茶色だよ?」

見習い 「あらら…マジっすねw」

博士 「一体オーナーは何がしたかったのかのう…。茶色に塗りたかったのかピンクに塗りたかったのか…。」

見習い 「屋根の塗装はオリジナルのままなのもアレですよね。屋根に上ってまで塗装するつもりはなかったとか…?」

助手 「こんなに大きな物置があるというのに、中へしまわず周囲に散らかしていて…色々と謎めいた草ヒロですね。」

 

 

No.025
スズキ ジムニーバン
1978~81年式
用途:物置 場所:果樹園(モモ)
博士メモ:やっぱり業務用の四駆は本物感が素晴らしいのう。クルマには大して興味のないワシじゃが、ジムニーは若い頃からカッコいいとおもっとったクルマの一つじゃ。雨曝しなのに状態も良いのは、ジムニーだからかの!?…中にはパーツが積まれとる正真正銘の物置じゃったが、これくらいタフな物置じゃと色々安心じゃわい。

 

助手 「そしてこっちは…ん、ジムニーかな?これは。」

見習い 「そうっすよ!ライト位置からすると、初代の最終型ですね。」

助手 「草田くんはやっぱり詳しいね!」

見習い 「だから皆さんは勉強してくださいって!…にしても、シビリアンとジムニー…なんだか面白い取り合わせだなぁ!」

助手 「なんか共通点なさそうな感じだよね~。」

博士 「こっちは完全に物置として使われておる様じゃのう。それだのに、状態はかなり良好じゃ。」

助手 「青空駐車とは思えませんよねぇ。」

見習い 「もしかしたら、最近ここに来たのかもっすよ!」

博士 「オーナーが旧車趣味人で、レストアベースかなんかとして持ってきたとしたら納得がいくわい。物を積んであるのも、一時的ということも十二分にあり得るしのう。」

見習い 「そうかも知れないすね!」

助手 「ジムニーはタフなクルマですし、簡単にレストアできたりすればいいんすけどね。」

見習い 「こんな所でじっとしているよりも、荒野を駆け抜けている姿の方がジムニーに似合いますもん!」

博士 「その通りじゃな。…ではオヌシら、クルマに戻ろうぞ!この調子で、どんどん草ヒロを発見するのじゃ!」

助手 「ですね!」

見習い 「ちょっと博士!ボスの話はどうなったんすか?クルマの中で続きを話してくださいよ!」

博士 「オヌシはひっつこいのう。話す、話すて…。…じゃが、草ヒロを探すのは最優先にするのじゃぞ!」

見習い 「わーかってますって~!」

助手 「ほんとかなぁ…笑」

博士 「よし…!なら、なぜボスが崖の草ヒロがトラウマになったのかを話そう。よっちゃんがボスが草ヒロ好きだということを知って取った行動は、一体なんじゃろうなァ…?」

見習い 「なんですかなんですか~?その言い方、気になるじゃありませんか~!」

助手 (なんか察しは付きそうだけどねぇ…。)

 

つづく(『博士チーム』のパートだけ読みたい人はコチラ)

つづく(『草ヒロ物語3』を通して読みたい人はコチラ)

 

「この物語、そして物語に登場する団体・登場人物は、全てフィクションじゃ。実在するものとは一切関係ないからの。じゃが、草ヒロは実在するから、読者の諸君も探してみるといい。草ヒロの世界が広がるぞい!」
「ついに、『ボスの過去編』っていうのですかね。始まりましたね。」
「そうじゃな。本当は背景に悲しいお話があるんで、このワシも話しとうないんじゃが、見習いのヤツがあまりせがむもんじゃから、ついつい話してしまったわい。」

「そうなんですか。」

「続きが気になっとる読者の諸君もいるかも知れないが、次に話すのは次々回の『草ヒロ物語3』、つまり、四週間後に公開される『草ヒロ物語3(6)』になるから注意じゃ。」

「なるほど。次回の草ヒロ物語は小布施くんパートってわけなんですね。…なんだかネタバレみたいになっちゃいましたが…。」

「それで、『草ヒロ“撤去”物語3』も隔週で連載されるから…」

「次々回の『草ヒロ物語3』は一か月後となる四週間後ってことになるわけですね!」

「ヌッ…ワシのセリフをとりおって!…まあ、そういうことじゃな。」

「話の長さの都合もありますし、一気に話は展開せずに、徐々にボスの過去が明らかになっていくってわけですね!」

「そうじゃな。」

「まだ草滅会が発足した経緯やボスと“ドン”との出会いについても分かっていませんし、それらも『草ヒロ物語3』で明らかになるんでしょうか?」

「知らんな。第一、ワシは徹のトラウマについては知っとるが、草滅会がどうやってできたのかは知らんし、ましてや“ドン”なんてやつは全く知らん。聞いたこともない。一体誰じゃ?…なにゆえオヌシは“ドン”とやらを知っとる?」

「…え?あれ、確かに…。“ドン”って一体誰なんでしょう??ボクも知りませんよ。」
「……。徹とはその『よっちゃん』が絡む事件がきっかけとなってもう絶交状態になったわけじゃし、草滅会ができた経緯は聞いとらん。」

「そうだったんですか!ボスが草ヒロ嫌いになるほどの事件は、まさかボスと博士の仲違いも起こしていたとは…。…しかしながら、“ドン”って、一体全体何なんでしょう?なんでそんな言葉が口をついて出たのかなぁ…。」

「………。」


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