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草ヒロ“撤去”物語3(6)

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『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ

『草ヒロ撤去物語3』の登場人物について知りたい人はコチラ

 

 

前回のおはなし

 

山中 「しかしなぁ、今回のリンゴは絶好調じゃねぇか~?」

上田 「いやぁ、それほどでもないですよ~!」

山中 「そんなことねぇぜ?リンゴの指示で農道を進めば、サンバーとキャリイが見つかったわけだし…」

秘書 「…それに、上田様が止まってくださいと仰った所では、本当に草ヒロがあった…。今回の探索では、上田様がかなりの功績を上げていると、私も思いますよ。」

上田 「アハハッ、そうですか~。ありがとうございます!…ですが、どれもただの偶然に過ぎませんよ~。」

山中 「いや…!!草ヒロ探索は偶然もかなり重要な要素だと思うぜ?『運も実力の内』って言うじゃねぇか!」

上田 「そんなもんですかねぇ。」

山中 「そりゃあ、ボスの『草ヒロ理論』による理詰めや、“あのお方”の秘技:『超感覚草ヒロサーチライト』で草ヒロをドンドン見つけていけりゃあいいんだけどよ、そんなの誰でも出来たら草滅会も苦労しねぇぜ…。」

秘書 「ですから、偶然に頼ることも草ヒロ探索では王道の内。上田様、自信をお持ちください。」

山中 「そうだぞリンゴ!」

上田 「そうですね。本当にありがとうございます。さっきから励ましていただいてばかりで…。」(なんとか“例の話”を逸らすことができたようね…)

秘書 「ただ今、広域農道をひたすら走っているだけなのですが、いかがいたしましょう?」

山中 「ここはひとつ、リンゴに任せてみてもいいんじゃねぇのか?これも、一流の草ヒロ探索人になるための修行の内だぜ?」

上田 「私ですか!?…まあ…別にいいですよ~?お陰様でチョット自信が付きましたからね!」

秘書 「その調子でございますよ。」

上田 「えーと、じゃああ……あの二つ先の交差点を、左に曲がりましょう!」

秘書 「二つ先ですね、了解いたしました…!」

 

カッティカッティカッティ…

ブロロローム…

上田 「あ!すみませんこの道じゃなくて…もう一本先の道です…!」

秘書 「っ…!これは大変申し訳ございません、上田様…。」ブウウウム……キッ

上田 「いえいえ、あたしが見間違えていただけでした。この道、あたしの座席からは見えてなくて…本来三本先の交差点が、二本先にあるように見えていたようです…。」

山中 「ま、そういう時もあるよな!気にするな!」

秘書 「いえいえ。これは上田様の視界を把握できていなかった、私のミスでございます。」

山中 「ホラ、なんだ…水篶さんも、あまり卑屈にならずに…。」

秘書 「…おやおや…!草ヒロではありませんか?あちらに…」

山中 「なんですと!?」

 

 

 

山中 「おおおーっ!…草ヒロ…草ヒロが見えるぞ!」

上田 「凄いですね!水篶さん!」

秘書 「いえいえ、上田様のご指示がなければ、曲がろうとも思わなかったわけですから、私などは…」

上田 「でもあたしは間違った道に曲がるよう指示していました。だからこれを発見出来たのは、水篶さんが間違えてくれたおかげですよ!」

山中 「禍を転じて福と為す…ってやつですよ!水篶さん!」

上田 「とにかく行きましょう!」

秘書 「ええ…!」  山中 「おう!」

 

 

 

 

 

No.025
マツダ グランドファミリアバン
ジャマレベル:★☆☆☆☆(道路にも干渉していませんし、置かれていた果樹園も広いですから、邪魔ではないでしょうね。)
景観悪レベル:★★★☆☆(この果樹園自体は閑静な住宅街にポツンとあるのですが、観光客が多く訪れるワイナリーの展望レストランからは、遠目と言えども丸見えです。この様なものが目に入った暁には、観光客の方々のご気分が台無しになってしまいます。)

貴重レベル:★★★★☆(ボスによると、これはグランドファミリアと呼ばれる、マツダ・サバンナのレシプロエンジン仕様車とのこと。これのバンタイプはかなり珍しいそうです。)
総合評価:景観を乱して観光客を失望させるばかりか、草ヒロ好きを唸らせる珍しさを有する草ヒロです。これは撤去する他ありません。

 

上田 「なんか初めて見るような…見慣れないクルマですけど、なんですかねこれ?」

秘書 「レア車のオーラがプンプンしますね…。これを撤去すれば、草ヒロ好きたちもさぞ悔しいことでしょう。」

山中 「…えーとな…これは……サバンナバンか、グランドファミリアのバンだな。」

 

説明マン

「説明しよう!山中は旧車に関する知識がそこまでないため、サバンナにもバンがあると思っている様だが、サバンナにはワゴンの設定はあってもバンはなかった!よって、バンという時点でこれはグランドファミリアであることが確定するのである!」

「また、両車はヘッドライトのデザインでも判別することが可能だ!丸目がサバンナ、角目がグランドファミリアなのだ!山中、グランドファミリアかサバンナであることは分かったのに、あともう一歩というところで及ばず!旧車についてもっと学んだ方がいいのではなかろうか!?…それでは画面の前の諸君、どこかでまた会おう!」

 

上田 「マツダ車のバンですか!」

秘書 「草ヒロ撤去報告書でも滅多に上がってこないジャンルですね。」

山中 「確か顔で見分けられるハズなんだが…判別方法を忘れちまった。こういうことはボスに聞いた方が早いだろう。」

上田 「ですね!」

山中 「しかしやっぱり汚ねぇな!」

秘書 「錆びた車体、タイヤを外されたボディ、欠けたヘッドライト…景観破壊もいいところです。」

上田 「近くに観光客も訪れるワイナリーがあるというのに…こんな汚らしいモノが果樹園内にいるようでは、せっかく良い気分でワインを飲んでいるお客さんが可哀想ですよ!」

山中 「そうだな。せっかくのムードがビンボ臭い廃車のせいで台無しだよな。旨いワインがマズくなっちまうぜぇ…!」

秘書 「これは文句なしに撤去ですね。」

山中・上田 「ですね!」

秘書 「では、クルマへ戻って…さて、次はどこへ向かいましょうか?また広域農道へ向かってもいいですし、このまま住宅街を突き進むのもよさそうです。」

山中 「そうですねぇ~…」

上田 「…ここは、山中さんのご判断にお任せします!」

山中 「なんだァ~リンゴ?もう自信なくしたのか?失敗はつきものなんだから、あんま引きずるなよ!?」

「…とは言え、俺も人に任せてばかりじゃダメだよな。ここは先輩として、俺が向かう先を指定するか!」

上田 「ありがとうございます!流石です!“先輩”!」

山中 「先輩ってなぁ…ハハハ…。」

秘書 「よろしくお願いいたします。」

山中 「…では水篶さん、広域農道に向かいましょう!やはり、草ヒロは果樹園地帯に多いものです。住宅街でも放置車両が見つかるでしょうが、俺の直感ではこの辺は果樹園に草ヒロが沢山あると思うのです!」

秘書 「承知致しました。では、来た道を逆戻りしましょうか。」

山中・上田 「ハイ!」

 

 

…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
 
ストリートビューより、“その後の様子”

サイド側

リヤ側

 

分かりにくい画像しかなくて恐縮でございますが、ご覧のように綺麗サッパリ撤去いたしました。

これで、県外からいらした方にも自慢が出来る美しく清潔な果樹園地帯へと、一歩近づいたことでしょう。

 

 

つづく

 

「この物語、そしてこの物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いぞ。本当なのは、この草ヒロが撤去されたということだけだ!」
「ボス、物語に一向に登場しませんけれども、ボスの登場を待ち望んでいるファンの方々や、ボスを心配してくださっているファンの方々もいらっしゃるのではないでしょうか?」
「ククク…なにせ最後に登場したのが『3』の(2)だからな…二か月間も登場していないようだ。…が、いつかは現れる。安心しろ。」
「ボスの御快復、心よりお祈りしております!」

「フフ…私ならここにいるというのに、おかしな奴だ。…まあ、物語の中の私はまだ意識を取り戻していないってことだな。我々草滅会のフアンの方々のためにも、私が早く復帰できるように、ころころの奴に談判をかけてやろうかな…。」


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