日産 セドリックシーマ(FPY31)
or
日産 グロリアシーマ(FPY31)
1988~89年式
山形県にて 2015年7月18日撮影
朝っぱらから家を出発し、神奈川県から宮城へ大移動…からの、一日目に泊まるホテルがある山形へと、草ヒロを撮影しつつひた走り、日没を迎えようとしていたところで発見したのがこの放置車両です。
…というわけで、これが一日目に発見した最後の草ヒロということになります。
3ナンバークラウンの対抗馬として登場した、セドリックとグロリアの上級車種:シーマです。
ショーファードリブンでない、オーナー自らが運転するクルマの中では最高級クラスのセダンとして、バブル真っ只中の時代に満を持して登場しました。
安い5ナンクラウンと見た目がほぼ同じな3ナンクラウンとは異なり、格下のセドグロとは明らかに違うシーマの見た目は、プレミアム感を演出するには十分な効果があったと見え、バブルの押せ押せ行け行けな風潮も相俟って、初代は10万を超える売り上げとなりました。
最高級クラスのセダンが10万台以上も売れるのは最早異常。高級品に対して高い需要が生じるという現象は『シーマ現象』と名付けられましたが、それも納得の売り上げですね。
このおかしな風潮に恐れをなしたのか、トヨタも対抗馬を当て付けます。
それがV8クラウンに専用ボディをあしらって、名前も専用としたクラウンマジェスタと、クラウンの影を感じるのが嫌だという人向けに、デザインも名称も全く差別化したセンチュリーに次ぐ高級セダン、セルシオです。この二車種もかなり売れたようですね。
ところで、この個体を見て、ある“おかしな点”にパッと気付かれた方はいらっしゃるでしょうか?
…それは、ナンバープレート。
山形なのに千葉のナンバーだから…というよりも、『53』というところ。
シーマは3ナンバー専用車両です。ハイ。
是即ち、このナンバーはテンプラということにほかなりません。
きな臭い匂いがプンプンしてきましたねぇ。…これは一体どうしたことでしょう。
それを踏まえてよくボディを見てみると…オーナメントやガーニッシュの欠品、ミラーやフェンダーの破損、それにヘッドライトの濁り…。このシーマが可哀想です。
古めかしいスナックの傍らで朽ちていました。
バブルの墓場を見ているようですね…。
お知らせ
このシーマの紹介をもちまして、一日目の通常回は終了です。
次回からは、一日目に出会った草ヒロの中からBESTな3台を厳選してお送りする『The best』編を三本立てで連載していきます!
どのような草ヒロが登場するのか…是非ご期待ください!