スバル サンバー トラック
低床式 スタンダード(K55)
1970~71年式
長野県北部にて 2015年12月27日撮影
今日も今日とてサンバートラックのお出ましです。
2代目ですが、その中でもこれは、小さなガーニッシュがアクセントになっている通称『ババーンサンバー』。
物置とするには不便なトラックは、バンに比べるとレアな存在ですが、積載物がぬれても無問題という人にとってはこの上なく便利な物置です。物を出し入れする際、いちいちドアを開ける必要がないわけですからね。
ご覧の通り、この時代のサンバートラックは床がもの凄く低い、低床タイプが用意されていたのが大きな特徴。物を積めば積むほど重心が低くなるため、かなり安定した走りが期待できましょう。
これは、エンジンがリアにあることで、ドライブシャフトを前後に通す必要がないために生まれたスペース。つまり、サンバーならではのボディというわけです。他の軽トラにはマネできません。※
…その代わり、エンジンがあるせいで積み込める面積が小さくなってしまうという玉の瑕があります。
背高物を積みたいか長尺物を積みたいか…重心を低くしたいか長尺物を積みたいか…結果長尺物を積める方がいいと考える人の方が多かったのか、4代目にFMCすると低床仕様は廃止されてしまいました。
※実は、他の軽トラ(ミニキャブやハイゼット)にも一時期低床仕様はありましたが、その中で最も床面地上高が低いのはサンバーなので、やっぱりこの低さはマネできないというわけです。
【参考】 低床軽トラの床面地上高
○ サンバートラック 低床式(K55):355 mm
○ ミニキャブ(LT10):525 mm
○ ハイゼット 低床(S37):560 mm
勿論全て同年代で比較しましたが、ご覧の通り。サンバーの圧倒的勝利です。
ミニキャブは低床とは名乗っていませんでしたが、他の軽トラでいう所の標準ボディを高床と名乗っていたので、低床扱いとしました。
せっかくなので、同年代の他の軽トラの床面地上高を調べてみました。
…
その名も…『軽トラ床面地上高低さランキング!!』
今回参考にした資料である『自動車ガイドブックVOL.17 第17回東京モーターショー記念出版』に記載されている軽トラを調査してみました!計7メーカー、10車種、総勢15台がエントリー!
先程の三台も交えて、順位付けした結果がコチラ!
1位 ○ スバル サンバートラック 低床式:355 mm
~400 mm以下の壁~
~500 mm以下の壁~
2位 マツダ ポータートラック:510 mm
3位 ○ 三菱 ミニキャブ:525 mm
4位 三菱 ミニキャブ 高床:540 mm
5位 ダイハツ ハイゼット 客貨兼用車:555 mm
6位 ○ ダイハツ ハイゼット 低床:560 mm
7位 ダイハツ フェローピックアップ:565 mm
~600 mm以下の壁~
8位 ホンダ TN-Ⅲ:620 mm
9位タイ スバル サンバートラック フラット:630 mm
9位タイ スズキ キャリイ:630 mm
11位 マツダ ポーターキャブ:635 mm
12位 ダイハツ ハイゼット 平床 一方開き:640 mm
13位 愛知機械工業 コニー360 ワイドトラック:645 mm
14位 ダイハツ ハイゼット 平床 三方開き:655 mm
リタイア 三菱 ミニカピック:記載なし
*同じメーカーのクルマは同じ色で記載した。
*『【参考】 低床軽トラの床面地上高』にて紹介したクルマには『○』を付加した。
*一方開と三方開で床面地上高が異なるものは区別して記した。
*グレード名は省略した。
*パネルバンはランキングから除外した。
○ 参考文献 ○
自動車ガイドブック VOL.17 第17回東京モーターショー記念出版、pp.181~186
…いやぁ、面白いですね。
だいぶ話が逸れてしまった感がありますが、面白い発見がいくつかあったので調べた甲斐があったというもんです。
ミニキャブ高床の方が、ハイゼットの低床よりも床が低いというのがイチバン驚きました笑
ダイハツのお面目丸潰れですね。しかも、客貨兼用車とかいう謎のモデルの方が低床よりも床が低いし…。
巨泉ハイゼットに用意されていた客貨兼用車なるモデル、どうやら荷台にも人が乗れるように補助席をトラックにムリヤリ追加したモデルのようで…。恐らく、人が快適に座れるように、足が来る部分だけ窪ませているためにこのような値になったものと推測されます。
あと、ミニカピックだけ何故か床面地上高の値が記載されていなかったので、ランキングに入れることができませんでしたが、ポータートラックやフェローピックアップの値から推測すると、500 mm台でしょうなァ。