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草ヒロ“撤去”物語4(1)

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『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい人はコチラ
『草ヒロ“撤去”物語4』の登場人物について知りたい人はコチラ

前回のおはなし

 

 

――ボスたちが宿泊する塩尻のホテル前にて…ボスたちが到着するよりも早く、新入りたちはホテルに着いていた…――

 

ボス 「お前たち、やけに早いじゃないか。この間のメールを見た限りでは、まだまだ塩尻まで着きそうにないと思っていたが。」

大月 「ええ、そうなんですけど…」

松本 「アタイたち、新入りの分際でボスや先輩たちをお待たせするのは申し訳ないかと思いまして。」

大月 「急遽、特急に乗り換えることにしたんです。」

原 「それで、アンタたちよりもちょっとだけ早くホテルに着いたってわけさ。」

ボス 「ふむ。なるほどなるほど。中々いい心がけではないか。」

上田 「これは見込みがありそうな新入りさんですねボス!」

ボス 「うむ。」

山中 「ハハ…人は見かけによらないってやつだな!」

原 「なに?それどういう意味なわけ?」

山中 「へん。特に意味などございませんが、原さん?」

原 「フン…まったく…!」(ま、いいわ。いずれにせよ、ウチの思った通りの反応だわ。これでコイツらのうウチらに対する株は上がったわね)

大月 (さすがはデブ美さん……彼女の想定通りだ。。。)

 

ボス 「そうそう。お前たち、探索はレンタサイクルで行おうと考えていたんじゃないのか。」

大月・松本 「ど、どうしてそれを…」

ボス 「フフフ。」

秘書 「信濃様は何でもお見通しでございます。」

ボス 「それでだ。ひとつ面白いゲームをしようと思ってな。」

チャン 「ゲームアルか!?すごく気になるアルネ!」

山中 「まあ、言ってしまえば、俺たち先輩と、草ヒロ探索勝負をするんだぜ?」

チャン 「アイヤー!」

松本 「フフフッ……普通に面白そうじゃない。ねぇずっきー。」

大月 「うん。これで俺たちが勝てば、実力は札付きとなる…。出世のいいチャンスじゃんか。」

上田 「大月くん…もうそんなことまで考えてるんだね…。さすがは学年トップだけのことはあるわね…。」

原 「いいじゃないの。腕が鳴るさね。草ヒロ探索は初めてだけど。」

山中 「未経験だからこそ勝負する価値があるってもんだ!」

ボス 「そう。お前たちは経験がないに等しい。それ故に、条件を平等にして我々が勝っても面白くはない。…そこでだ、お前たちが有利になるようにハンデを設けた。」

松本 「ハンデ?」

原 「そんなもの…余計なお世話よ、まったく…!」

山中 「ハンデを享受しないと、きっと後悔するぜ?」

ボス 「ハンデは部長命令だ。草ヒロ探索の自信とセンスを早々に身に着けてもらいたいから、むしろお前たちには我々に勝ってほしい。だからこそ、ハンデを設定させてもらったのだよ。」

大月 「なるほど…」

ボス 「我々は、狭い範囲での草ヒロ探索に向かない乗り物;クルマに乗って探索をする。そしてお前たちは狭い範囲内では最高の機動力を誇る乗り物;自転車に乗って探索をするのだ。」

松本 「確かにそれはこっちが大幅に有利になりそうね。」

チャン 「チャンさん自転車今持てないある。」

松本 「チャンさんってばねぇ…レンタサイクル借りればいいでしょー?」

大月 「…ていうか、もともとそういうつもりだったじゃん。」

チャン 「アハハー、そういうつもりだたーアルネー。」

ボス (やはり本当のようだな…。)

秘書 「…皆様、チェックインが完了いたしました。ホテルに入りましょう。」

ボス 「ご苦労だった水篶。」  山中・上田 「水篶さん!ありがとうございます!」

秘書 「とんでもございません。…それでは、今から部屋鍵をお配りいたしますね。」

……………

 

 

 

 

――次の日の朝。午前9時、塩尻駅前にて…新入り4人はレンタサイクルを借り、ボスたちは待っていた…――

 

秘書 「信濃様。午前9時を回りました。」

ボス 「そうか。…よし、では草ヒロ捜索を開始する…!お前たちはもう出発してよいぞ。更なるハンデとして、一時間待ってやろう。」

松本 「やった!これは更に有利ね!」

原 「こんなにもハンデ与えていいのかぃ?」

大月 「この一時間で、どんどん見つけてやろうよ!」

ボス 「フフフ…そんなに上手くいくかな?」

松本 「…ぜ、絶対的な自信があるわけではないですが…なんとか、やって見せます…!」

ボス 「ほほう…。」

チャン 「一時間待たコト、後悔させてやるアル!」

山中 「んだとォ?」

ボス 「…まぁまぁ言わせておけ。これで我々が負けたら、それほど見込みのある新入りだとわかるではないか。」

上田 「逆に言えば、勝てなきゃボスのお眼鏡にはかなわないってことよ!心してかかることね!」

 

 

原 「準備もできたし…じゃあ、ウチらは出発するよ!」

大月・松本 「はーい!」

チャン 「走吧ー!!」

ボス 「せいぜい気を付けることだな。」

秘書 「ご安全にいってらっしゃいませ。」

上田 「お気をつけて~!」  山中 「いってら~!」

 

つづく(『ボスチーム編』のみ読みたい方はコチラ)

 

 

 

 

 

――十数分後……――

 

大月 「あれ?……あれって、草ヒロじゃね?」

松本 「どれどれー?」

大月 「向こうの畑に立ってるトタンの小屋に隠れるようにしてさ、白いクルマがいるよ?」

松本 「あー、ホントだ!」

原 「見た感じナンバーは付いていないようだから、放置車で十中八九間違いないわね。」

チャン 「太好了ー!さそーく草ヒロ見つけたアルネ!ずきーお手柄アルヨ!」

大月 「えっへへ、こんなの偶然だよ~?」

松本 「じゃあ、とっとと近づいて、草滅会データベースに登録しましょ!」

原 「こんなもの、さっさと撤去するに限るものね。」

 

 

 

No.030
スズキ ジムニー
ジャマレベル:★☆☆☆☆(私有地の畑にあり、なおかつその畑も広いからねぇ。)
景観悪レベル:★★☆☆☆(そこまで汚らしい朽ち方はしていないみたいだけど、だだっ広い畑作地帯にポツンといるから目立ってしょうがないわ。だけど、トタン小屋がちょうど物陰になっているから、若干見えにくいし、メチャメチャ景観を汚しているとは言えないわねぇ。)
貴重レベル:☆☆☆☆☆(瑞樹によると、この型のジムニーって珍しくもなんともないそうじゃない。)
総合評価:それぞれのレベルはそこまで高くない。こんなに見つけやすいのに、今まで塩尻支局の連中が撤去してこなかったのはそういうことかしらねぇ、まったく…!

 

チャン 「この車、一体なんて言う車アルか?」キョロッ

松本 「…ええ?アタイは車なんて知らないよ!」チラッ

原 「ハァ…?ウチが分かるわけないでしょう…まったく…!」

大月 「フッフッフ…ハイハイ、皆さんクルマについてはド素人みたいですねぇ。このボクが解説してあげましょう!」キラーン

チャン 「おぉー!ずき―知てるアルか!?」

松本 「ったく、ずっきーたら大げさ!」

大月 「これはですねぇ、スズキのジムニーというクルマですよ。スズキが開発した軽自動車のジープタイプ4WDなんです。これは2代目のモデルですね」クイッ…!

原 「へぇ、アンタ車に詳しかったんだねぇ。さすが学年トップレベルの記憶力だわ。」

大月 「えへへ…まあ、俺は昔っからクルマは好きでしたから、クルマに関する知識はちょっとしたものですよ。」

松本 「だからってあんな仰々しく解説しなくても…。アニメに出てくる天才メガネキャラみたいなエフェクトがかかってたんだからさっき!」

チャン 「マリ、アナタなに言てるアルか?」

大月 「…この キラーン っていうやつとか、クイッ っていうやつでしょ?」

松本 「そうそうそれそれ!アハッ、おもしろーいwww」

 

チャン 「よーし、この車売り払て、パパンとママンお金届けるアル!いくらぐらいで売れるアルかなぁ~?」

大月・松本・原 「………。」

松本 ツンツン…「ちょっとずっきー?」ガシッ

大月 「ええっ?いきなりどうしたのマリ?」

松本 「草滅会って、撤去した草ヒロは基本的に売り渡さないっていうらしいんだけど…。」ヒソヒソ

大月 「それ。俺も最近知ったんだよ。しかし、この事実を伝えるべきなのか…」ヒソヒソ

原 「そのことを知ったら、チャンさん悲しむだろうねぇ…。」ヒソヒソ

大月 「なにか助けてあげられないかな?…チャンさんの力になりたいですよ俺!」ヒソヒソ

松本 「ふふ。ずっきーもチャンさんの魅力に気付いたのね。なかなか目が離せないでしょあの人!」ヒソヒソ

原 「う~ん、どうしたものかねぇ…。さっぱり分からないわ…」ヒソヒソ (いよいよとなれば、アイツに頼んでみるか?)

チャン 「アナタたち、さきからコソコソ何話すアル?」

松本 「いいや?なんでもないよ、チャンさん!」

大月 「高く売れるといいね、この草ヒロ!」

チャン 「楽しみアル~!」

大月 「景色もきれいになって、環境もよくなって、いい値段で売れて、一石三鳥だといいよね!」

チャン 「嗯嗯!アイヤー!チャンさん、もう昼も眠れないアル~!」

松本 「昼は寝なくていいでしょ!www」(てゆーかずっきー、期待させてどうすんのよ~!?)ギロリ

大月 チラ「……汗」(うーん…まずかったかな…?ハハ…)

 

大月 「あっそうだデブ美さん、ボスが仰ってた草ヒロメモって書きましたか?」

原 「ふん。とっくに書き上げといたわよ。ボスが言ってたように、これは新人育成のための訓練らしいし、ウチだけじゃなくてアンタたちにも回すから…ホラじゃあ次は瑞樹が書きなさい?」

大月 「ええーっ、俺ですか?」

松本 「だって車には詳しーんでしょ~?この4人の中では一番詳しいんだから、一番書きやすいじゃない。」

大月 「でも、草ヒロに関してはズブの素人で…」

原 「ホラホラ、言い訳無用!ウズウズしたオトコは嫌われるわよ!『男は黙ってサッポロビール』って言うでしょう!」
大月 「ちょww デブ美さんwww そのネタ古すぎません?www」

原 「だからそういうところがダメだって言ってるのよ!男は背中で語るものよ!黙って引き受けて前を向きなさい!マリにいいとこ見せてあげなきゃ~」

チャン 「…ヒューヒュー!ずきー加油!!加油ー!!」

松本 「……デ、デブ美さん!なに勝手なこと言ってるのよ!アタイたちはただの幼馴染だし、アタイにはオミがいるのよ!」

大月 「アハハ…デブ美さんってばキツイなぁ…」

松本 「アンタもなに満更でもなさそうな顔してんのよ!アタイたちはあくまで友達!」

大月 「そ、そんなこと分かってるよ~」

松本 「じゃあ、アンタはアンタでとっととカノジョ作んなさい!」

原 「うーん。ウチはアンタたちがお似合いカップルだと思うんだけどなぁ。」

松本 「デブ美さん!相変わらずお節介が過ぎますって!アタイもう知らない!」

チャン 「アララ…行ちゃたアル…。デブ美さんやりすぎアルヨ?」

原 「悪かったかねぇ。あそこまで怒るってことは、よっぽどカレのことが恋人として、瑞樹のことは友達として好きと見えるわ。」

大月 「分かったんならからかうのはやめましょうね?デブ美さん!」

原 「瑞樹、マリの彼氏からマリを寝取っちまいなよ?ウチ、こういう展開に燃えるオンナなのよねぇ~。」

大月 「…って、なーんにも分かってなーいっ!!……マリー!待ってよ~!僕の方から謝るから~!」

原 「フン…瑞樹も行っちゃったわね。…さてチャンさんも、次なる草ヒロを求めて、出発するよ!」

チャン 「是、走吧ー!!」

 

 

 

つづく(『新入りチーム編』のみ読みたい方はコチラ)
つづく(物語を通して読みたい方はコチラ)

 

 

 

…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。

 

ストリートビューより…“その後の様子”

草ヒロ撤去前のストリートビューの様子はコチラでございます。

そして…

 

撤去後がこちらになります。

生憎、撤去後のストリートビューが撮影されておらず、航空写真では撤去後に撮影されたものに置き換わっていたので、こちらをお見せします。撤去前の航空写真があればなおのこと良いのですが。

いかんせんストリートビューとは異なり、昔の航空写真を見ることができませんもので…。

いずれにせよ、この草ヒロは責任をもって撤去いたしました。塩尻支局の会員様も喜んでおりましたよ。

 




「以上の物語、そして物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いぞ。」
「ボス!『草ヒロ“撤去”物語4』が、いよいよ始まりましたね!」

「今回はどんな展開になるのだろうな。」

「新入りたちも登場して、やっと本部も賑やかになってきましたし、波乱の展開が待ち受けていそうですよ?」
「今のところは期待できそうな新入りたちだ…。我々草滅会に有利に働いてくれるといいのだがな。…、とにかく、今は待ちのとき。大爆発が来るまで気長に待とうではないか。。。」

「そうですね!」


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