『草ヒロ物語』について知りたい方はコチラ
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――草滅会に撤去されることが確定したコニーを後にし、草研の博士と助手と清里と笛吹と東御は、助手のエルグランドに乗って新たな草ヒロを探し求めていた…。――
清里 「………………。」
博士 「………………。」
東御 「…まあ、なんだ。確かにコニーは撤去されちゃうかも知らねーけど、玲が見つけたミニキャブは残るだろうし、前向きにいこうや!」
笛吹 「…そうだよね、たいくん!」
助手 (まったく、自分が情報をリークしたクセに勝手なこと言っちゃって…。東御くん、明るくて人当たりもよさそうな雰囲気だったのに、草滅会の仲間だったなんて信じらんないよ…!)
清里 (うーん……まさか、大気がこんなことするなんて…。すごく悲しいことだけど…。もしかしたら、何か事情があってのことなのかも…。友達を追及するのはツラいことだけど、真実を知れば大気の力になれるかもしんない!早いとこブッセさんとゆうに対応してもらわなきゃ…。僕も何かできることはないかな…)
東御 「ん?きよ、どうしたんだ?なんかソワソワしてるけど?」
清里 「ん、ううん?なんでもないよ!なんでも!」
笛吹 「レイレイったら、自分が気に入ったクルマが撤去されちゃうってんで、動揺が隠しきれてないんだよ…。大丈夫?」
清里 「大丈夫だよスイちゃん!心配かけてごめんね。」
東御 「………。」(いくら金のためとはいえ…友を裏切るのは……。くそッッ、何情けをかけようとしているんだ俺は!?ここまで騙してきた癖に!…それに玲はあくまで友達。草ヒロとは何の関係もねぇ!このまま友達付き合いを続けていけばいいだけだ!)
博士 「ホッホッホ!ええのう…さすがはオヌシら仲良しじゃな。」
笛吹 「エヘヘ…」
博士 「…清里!東御や笛吹の言う通り、落ち込んではいられんぞ!次なる草ヒロを探すのじゃ!」
助手 「博士…!」
清里 「そうですよね。ありがとうございます博士…!」
………………
………………
助手 「あっ、草ヒロがありましたよ!」
博士 「ほらの。長野はまだまだ探索しきれていない場所は山ほどあるのじゃ。調査できる草ヒロはまだたくさん残っておるよ。」
清里 「そうですよね!…でも、コニーを見つけてみたいなぁ…。」
東御 (草ヒロか…玲と助手に勘付かれた可能性もあるから、ここは後で来るように伝えておくか。)
No.043
トヨタ カローラバン
1967~69年式
用途:物置 場所:畑
○ 清里メモ ○
一目ぼれしたコニーを簡単に草滅会に撤去されることになっちゃって落ち込んでたけど、博士やスイちゃんが励ましてくれて、そして助手さんが運転しながらすぐに見つけてくれた草ヒロがコレ。
コニーが撤去されて、大気が草滅会の会員だったことが判明して、ショックが大きかったけど、僕も落ち込んでなんかいられないよね!
この草ヒロみたいに、しっかりしなきゃ!
笛吹 「あら、コレって、なかなか素敵な草ヒロってやつじゃない?」
助手 「おっ、笛吹さんも草ヒロの良さが判断できるようになってきたかな?成長しているね!」
笛吹 「やったー!褒められちゃった~!」
清里 「良かったね、スイちゃん!」
博士 「…おおーー懐かしいのう、カローラじゃ!ワシの小学生時代の友達の家のクルマがコレのセダンだったわい!」
助手 「そうだったんですね!カローラってファミリーカーとして確か大ヒットしたっていう話を聞いたことがありますし…」(東御くんに注意しとかないと…何かスマホを取り出したりするはず…)
東御 「仰る通りですよ助手さん。」
助手 (えっ…)
東御 「これは初代の前期型っす。2ドアモデルみたいですけど、現在のボンネットバンは軒並み4ドアになってしまいましたから、2ドアのバンが見られるのは貴重な経験じゃないすか?」
清里 「へぇーっ!やっぱり大気は詳しいんだねぇ~。」
東御 「へへっ、まあなー。」
博士 「年式としてはもう半世紀近く前のクルマのはずなんじゃが、状態が良いのが素晴らしいのう!」
笛吹 「これって、やっぱり何か理由があるんですか?」
博士 「そうじゃな。…ほれ草川。答えてみぃ。」
助手 「ええっ!?ボクですか!?」
博士 「何年もワシの助手をしとって草ヒロの研究を続けてきたんじゃから、このくらい朝飯前じゃろう。」
助手 「ま、そうですけど?……コホン。これはね、簡単に言うと長野県の立地と気候が関係しているんだ。」
清里・笛吹・東御 「立地と気候…」
助手 「長野県は内陸県だから、平野部は全て山に囲まれた盆地なんだ。…しかも、盆地をかこっている山はみんな標高の高い山だよね。」
東御 「確かにそうですけど、なんか地理の授業みたいっすね笑」
清里・笛吹 「ねー。」
助手 「ということは、海から離れた内陸で、周囲を高い山で囲まれているが故に、潮風がここまで到達しないんだ。それに、内陸ということは雲が水蒸気を供給しにくくなるから、年間降水量も海に面した地域に比べて少なくなる。」
助手 「…というわけで、空気が乾燥しやすくて、ボディもさびにくい。だから、果樹園の農薬の影響を受けない場所にある長野県の草ヒロは、状態が良好なのが多いんだ。」
清里 「へーっ、勉強になります~。メモメモ…」
笛吹 「そう考えると草ヒロって面白いのね~。」
東御 「普段俺たちが学校で勉強していることが使えると、なんか面白れーもんな!」
笛吹 「ね!」
助手 「草ヒロ初心者の笛吹さんや清里くんにも草ヒロの楽しさが段々と分かってきてもらえたようで光栄ですね、博士!」
博士 「ウムッ、ウムッ!この調子じゃ我が研究所も安泰じゃてのう!」
助手 (…でも、東御くんの今後の動きが気になるところだね…。今回は怪しい動きをしなかったし、ボクと清里くんが気付いたことはもしかしたら勘付かれたかもしれないなぁ。)
つづく
――その頃…小布施と飯田は、東御を追い詰めるための準備を、今回の協力者も呼んで、学校近くの喫茶店で着々と(?)進めていた…――
小布施 「おお、来たか***!よくやった。しっかしすまんな。」
? 「いいってことさ。面白そうだし。…で、彼を追及するのはいつなんだい?」
飯田 「きよから連絡はきましたよ。早いとこ大気の真実を明らかにしてやってくれとのことです。」
小布施 「なんだぁ?アイツ、まだ東御のこと信じてんのか?…っったくお人よしな野郎だぜ…!」
飯田 「まあ、きよは東御と仲良かったからな。。。ま、俺は別にアイツのことなんかどうでもいいけどな。」
? 「あれあれ飯田クン、キミ彼と同じクラスじゃなかったっけ?」
飯田 「もうよしてくださいよ先輩。アイツとはそんなカラミないし、友達でもないんですから。」
? 「アッハハ、ゴメンゴメンwww」
小布施 「おい、おまえもあんまり後輩をからかうんじゃねぇぞ?」
飯田 (それ、お前が言えた義理じゃねぇだろ…)
小布施 「なんだ飯田その目は?」
飯田 「いっ、いいえ?なんでも?」
つづく(『草ヒロ物語4』~小布施パート編~へ)
――その頃見習いはというと…――
教授 「…でー、あるからして…」
見習い (みんな今頃楽しく探索してんだろうな~。はーあ、退屈な授業だぜ…。)
説明マン
「説明しよう!見習いこと、草田紘也は『草ヒロ物語4』ではかなり久々の登場となるので、一体どういう状況なのか忘れてしまった読者の諸姉諸兄もおられることであろうから説明をする!」
「今回の探索は、月曜の祝日に行ったのだが、草田が通う大学は、祝日開講日といって、祝日だけれども大学があるということになっているのだ!…それだけなら、授業に行かなければいい話なのだが、運の悪いことに草田が履修している必修講義の一つが、毎週月曜開講だったのだ!出席を確認される必修の授業であるため、サボることもできず、泣く泣く探索には参加せずに講義を受けているというわけだ!」
「草田のことを忘れていた読者の諸君は、草田を思い出すように!草田がどうしているか心配だった諸君は、ちゃんと生きているから安心してほしい!それでは、また会おう!」
つづく
「この物語と、この物語に登場する団体や登場人物は、全てがフィクションじゃぞ。実在するものとは、一切関係ないからのう。…ちなみに、消えるボールペンと言えばフリクションじゃな。」
「…博士!その謎ダジャレ企画、まだ続いてたんですね…驚」
「そうじゃ。ちなみに今回の洒落の意味は、この物語と登場人物はフィクションじゃけど、消えるボールペンと言えば、フリクション。すなわち、こすってインクが消える画期的なボールペンのフリクションボールというわけじゃ。ホッホッホッホ!愉快なことじゃて!」
「…コホン。…で、あの…東御くんの正体が遂に判明してしまったわけですが、今後どのような展開になっていくでしょうか?」
「バカモン!何馬鹿げたことを聞いとるんじゃ!…このまま物語を読み進めていってもらうしかないじゃろう!」
「すっ、スミマセン博士!そうですよね!」