『草ヒロ“撤去”物語』について知りたい方はコチラ
『草ヒロ物語4』『草ヒロ“撤去”物語4』の登場人物について知りたい方はコチラ
前回のおはなし(“ボスパート”のみ読みたい方はコチラ)
前回のおはなし(物語を通して読みたい方はコチラ)
秘書 「信濃様、先ほど東御様から連絡が入りました。」
ボス 「東御か…。ということは…」
秘書 「はい。…信濃様には…大変申し上げにくいことなのですが……、彼は、残念ながら、草研の者に二重スパイだということを見破られてしまったようです…。」
ボス 「やはりそうか。。。」
上田 「大気くん、バレちゃったか~。」
山中 「作戦成功ですね、ボス!」
ボス 「東御にはご苦労だったと伝えておいてくれ。謝礼も忘れずにな。」
秘書 「承知いたしました。本当に申し訳ございません…。」
ボス 「水篶よ、お前は全く気にすることはない。元々東御を二重スパイに仕立て上げたのは、新入りが続々入って結束力が強くなってきた草研の人間関係を壊すことが目的だった…そうだろう?」
秘書 「…ハッ、仰る通り、そうでしたね…。私としたことが、本来の目的を見失っておりました。。。」
上田 「気になさらないでください!バレることが前提になっている作戦だったというだけですからね!」
山中 「そうですよー?水篶さん!喜ばしいことですよ!」
ボス 「全くその通りだ。…お前たちにはまだ伝えていなかったが、実は東御には、草研に怪しまれるようにわざとらしく振舞うように言っておいたしな。」
上田 「ええーっ!?そうだったんですか!?」
山中 「さすがは我らがボス!抜かりないですね!」
ボス 「奴は演劇部らしいから、そういう芝居はお手の物だろう。そして、草研の連中に疑心暗鬼の心を生ませるのだ。そして、スパイだということを追及されたら、その時点で自分の罪を認めるように指示してあった。」
秘書 「……。」
ボス 「あと、自分が二重スパイだという証拠が提示できるのであれば、提示させてから罪を認めたら尚良いと伝えておいたのだが。」
秘書 「…ええと、東御様の報告によると、証拠をもっていると言われた時点で罪を認めたらしく、本当に証拠があるかどうかまでは確かめなかったそうです。」
ボス 「…そうか、東御も、追及に絶えらなかったか。さすがに、そこまで粘ることはできなかったか。…となると、それほど説得に長けた人間が草研にいるのか、それとも東御の意志が弱いのか…。」
秘書 「説得したのは、清里玲という高校生のようで、東御様の友人とのことでございます。」
上田 「清里、れい……あーっ!レイレイくんね~!」
山中 「あのイケメンか~。」
上田 「確かに、あの子に本気で説得されたら、誰だってオチちゃいますよ~。それに、友達だったなら尚更…。」
ボス 「……友人を出してこられると弱いな…ハハ。この私も、博司の説得に屈してしまったわけだしな…。いかんいかん。」
山中 「気にすることはありませんよ!ボス!」
秘書 「それほど信濃様のお人柄がよろしいということになりますからね。上に立つ人としてはこの上ありません。」
ボス 「ありがとう。…しかし、本当に証拠が押さえられたかどうかが分からなかったのは失敗だな…。それが分かれば、草研の内部、あるいは草研の所員の協力者に、情報戦に長けた人間がいるということも判明したんだがな。。。」
上田 「ボス…そこまで考えてらっしゃったのですか!」
山中 「いや~、改めて思いますけど、本当にボスはいつも一歩先を進んでいらっしゃいますね…!尊敬しかありませんよ…!」
秘書 「草研の者たちも、全ては信濃様の掌の上で転がされていただけだった…ということになりますね。」
ボス 「ククク…。しかし、この私も“あのお方”には敵わない。私も“あのお方”の掌の上で自由にさせていただいているだけだ。。。」
山中 「なんたって草滅会を創設なさったお方ですもんね。」
上田 「誰にもかなうわけにはいきませんよ!」
秘書 「それで、そのことなのですが、東御様からは他にも報告がございまして、清里に話を聞いたら小布施三岳と飯田優吾と上野原文理という3人の協力によって証拠は本当に抑えられていたとのことでございます。」
ボス 「なるほど…。その小布施と飯田も確か、草研の会員だったという話なんだよな。」
上田 「そうですそうです!ちょっと背が低いんだけど、クール系のイケメンがゆうごくんで…」
山中 「高校生とは思えねぇオッサンくせぇ奴が小布施だったよな!」
ボス 「清里共々、昨日の昼にお前たちが遭遇したと言っていたな。」
秘書 「仰る通りにございます。」
上田 「あと、確か…“あや”っていう名前の女のコも新入りにいました!あの子も、レイレイくんに負けじとすっごく可愛かったな~!」
山中 「リンゴなぁ…。草研の連中をお気に入りになるなよ?」
上田 「大丈夫ですよたろさん!そこらへんはちゃんと弁えてますから!」
山中 「そんならいいんだけどな笑」
ボス 「上田、山中、水篶よ。色々と教えてくれてすまないな。奴らはまだ若いし、要注意だな。その上野原とかいう奴も、今後草研に入所してくるかも知れないから。要注意だ。」
秘書 「はっ、承知いたしました、信濃様。…実は、東御様に関してまだ他にも報告があるのですが…」
ボス 「なんだ?遠慮せずどんどん言ってくれ。」
秘書 「承知いたしました。…東御さm」
上田 「あっ、スミマセン!…話中断しちゃうんですけど、草ヒロを見つけました!」
ボス 「おお!そうか!よくやったぞ、上田…!」
山中 「でかした!リンゴ!」
秘書 「お手柄でございます上田様。」
上田 「いえいえ~。それに、こちらこそ大事な話を遮ってしまってすみません…!」
ボス 「気にするな。報告ならいつでもできるからな。それよりも草ヒロの発見が大事なのだ。」
上田 「温かいお言葉、ありがとうございます!ボス!」
No.040
ダイハツ ハイゼットアトレー
ジャマレベル:★★☆☆☆(狭隘道路沿いの空き地に放置されているだけだから、そこまで邪魔ではない。)
景観悪レベル:★☆☆☆☆(一見すると現役にしか見えないな。よく上田はこれが草ヒロだと見抜くことができたと思う。まったく、優秀な部下をもって私は嬉しいぞ。)
貴重レベル:★☆☆☆☆(初代のアトレーは6代目ハイゼット共々、草ヒロとしては非常に一般的に見られる存在だ。全く珍しいことはない。)
総合評価:全体的にレベルは低いが、結局我々に見つかってしまえば撤去されるというのが、草ヒロが最後に辿る運命なのだ…!
山中 「割と綺麗なアトレーだな。」
秘書 「一見すると、現役にしか見えませんね。」
ボス 「おそらく、放置車両になってまだ間もないのだろう。見てみろ、タイヤの空気も結構残っているではないか。」
上田 そうですね~。まだまだ使えそうなのに、なんだか勿体ないですね…。
ボス 「オーナーも捨てるのは勿体無いと思って、こんなところに放置しているのだろう。」
秘書 「いくらか状態がましと言えど、放置するのは見過ごせないですね。」
山中 「いつしか、その辺の草ヒロみたいに汚くなるのは目に見えてますもんね!」
上田 「現役の状態で維持できないのなら、自分で所有するのはあきらめて、捨てるのがもったいないなら売っちゃえばいいんですよ!」
ボス 「全く上田の言う通りだな。一般的な中古車屋だったら二束三文でしか買い取ってもらえない…どころか、値段が付かない可能性すらあるが、マニア向けの中古車屋で売れば、それなりの値段は付くんじゃないかと思う。」
山中 「商用車マニアってのもいるくらいですもんね~。」
ボス 「それでは、記録とデータベース登録が終了したら、クルマに戻って出発するぞ。」
山中・上田・秘書 「ハイ!」
バムッ!ダムダムッ…!
ボス 「さて、出発しようか。…それで、東御からの更なる報告というのはなんだったんだ?」
秘書 「それがですね…」
つづく(『草ヒロ“撤去”物語4~The epilogue~』へ)
…その後、この草ヒロは撤去されてしまったそうな。
ストリートビューより…“その後の様子”
景観を乱していた草ヒロは、我々草滅会の手によって見事撤去されました。
いかがでしょう?ちゃんとアトレーがは居なくなっておりますよね?
「この物語と、この物語に登場する団体・人物は全てフィクションだ。実在するものとは一切関係無いのだぞ。…だが、この草ヒロが撤去されたという事実は本当だ。」
「それにしても、今期は俺たちの出番少なかったですね~。メインで登場したのって、(2)(3)(5)と今回の(10)の4回だけですよ、4回!」
「まあまあ、落ち着くのだ。今期は草滅会に新入りが登場したんだし、作者のころころも彼らを浸透させたかったんだろう。」
「そ、そんなメタ的な理由が…」
「まあ、あくまで私の憶測にすぎないのだがな。…それはそうとして、今期は打ち切られたりしてどうなることかと思ったが、なんとか完結することができそうだな。」
「そうですね~。ホント良かったですよ~。次回のエピローグで、第4期もやっとフィナーレですね。」
「そうだな。…画面の前の読者の諸君、今後の展開に期待してくれたまえ。」