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トヨタ・豊田~旧車と草ヒロ~(13)

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コロニーの草ヒロ趣味。


コロニーの草ヒロ趣味。

富士自動車 フジキャビン(5A)

1957年式

トヨタ博物館にて 2013年3月9日撮影


前二輪、後ろ一輪の特徴的なレイアウト、驚くほど小さな車体、そしてなにより奇怪な一つ目ライト!一度見たら誰もが記憶に焼き付くであろうクルマを紹介したいと思います。その名もフジキャビン。僅か85台という生産台数ですが、日本のクルマ社会黎明期に登場したものの中でも、その技術とデザインで逆に有名になってしまったクルマです。旧車好きの皆さんも一度は聞いたことがあるのでは?


そもそも、フジキャビンを開発した富士自動車というのは、名前こそ似ているものの富士重工業(スバル)とは無関係の会社で、現在は重機を製造しているコマツの子会社となっています。

1950年代、軽自動車よりさらに小型なバブルカーと呼ばれるジャンルのクルマが一時ブームとなっており、メッサーシュミットやイセッタが有名です。日本では軽自動車の様式がまだハッキリしていなかったこの時代、1955年に「メトロ125」というフジキャビンの前身となる車が試作されました。

中身はオートバイそのものの125ccエンジンを搭載し、その非力なパワーでも走れるよう、今までに前例がないFRPをボディ材料に用い、しかも強度もあって画期的なものでした。その甲斐あって車体重量はわずか130kgで、最高速度60km/hをマーク。

軽量化と経費削減のためヘッドライトは1個となっていますが、このユニークさが後年で有名になってきたのだろうと思います。更なる軽量化と経費削減のため、実はドアが助手席側にしかなかったのですが、さすがにそれでは利便性に問題ありということで、1957年に運転席側に追加されたといいます。

やはり、ボディ材質がFRPのために生産効率が悪く、1956年から57年までの2年間で85台の生産に留まりました。しかしながら、FRPは劣化しにくく、処分もしにくいことが幸いし、このトヨタ博物館と日本自動車博物館に展示されている2台と、愛好家がレストアした数台が現在で残っています。


日本自動車博物館でも見てきましたが、いつ見てもこの超ユニークなデザインに驚かされますね。軽自動車黎明期の異端児とも言えるフジキャビンですが、名も無きメーカーから様々な軽自動車が登場していた時代・・・、商業的に失敗したものの、そのブッ飛んだ設計は商業的に失敗した他の軽自動車に比べて知名度は高く、成功したとも言えるでしょうね。


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