トヨタ パブリカセダン700スタンダード(UP10)
1963~66年式
2012年9月17日撮影
これは凄い!なんと、初代パブリカの初期型を地元で見つけてしまいました。これはスズキの店の自動車置き場の隅っこに置かれており、ライトやグリルが抜けた状態で置かれていました。
初代パブリカは1961年に大衆車として誕生し、今のヴィッツの先祖に当たります(パブリカ→スターレット→ヴィッツ)。
パブリカは「パブリック・カー」(大衆車)を略して「パブリカ」という名前になり、通産省で立案された国民車構想の下で誕生しましたが、あまりにコストダウンを推し進めた結果、メッキパーツは無い、ラジオも無い、ヒーターも無い、極め付けにはフェンダーミラーさえも無かったため、38.6万円の低価格でも買う人は殆どおらず、販売は低迷してしまいました。
そんなパブリカですが、1963年にラジオやヒーター装備はもちろん、リクライニングシートやメッキパーツで装飾を行った「パブリカデラックス」が販売され、売れ行きは段々と好調になってきました。
パブリカ700の性能面ですが、エンジンはトヨタ車で最初で最後の空冷エンジン、新開発の700cc強制空冷水平対向2気筒OHVエンジン(U型と名付けられます)を搭載。最高出力は28psで4300rpmと、あまりパワーが無いように思えますが、今では考えられないような580kgという超軽量ボディだったため、最高時速は100kmオーバーの110km/hとなりました。
1966年からは、更に排気量を増加し、800ccとなったUP20型へバトンタッチし、その大衆車としての役目を果たしてMCされました。
一見、最初期型かと思ってしまいましたが、良く見るとサイドマーカーの跡があるので、最初期型ではなくデラックが登場した1963年からのモデルのようですね。デラックスはクロームメッキやモールで装飾されており、この個体にはその跡が見受けられないのでスタンダードと推測しました。
一体このパブリカがこの後怒鳴るか非常に気になるところ。レストアも出来ないわけじゃあ無さそうです。潰すのだけはやめてほしいですねぇ。